趣味のインターネット地図ウォッチ

冠水注意地点やキロポストなど日ごろ意識しない地図データを可視化、未来の道路も見える「MapFan ラボサイト」

「MapFan ラボサイト」

 インクリメントP株式会社が開設している「MapFan ラボサイト」のデザインがリニューアルされた。同サイトは、試作データを含む地図データなどの位置情報コンテンツや、その新たな活用方法および表現方法を提案することを目的としたショールームサイト。

 地図データには、道路や建物の線、地図記号などの目に見えるデータのほかに、経路検索などに利用される道路ネットワークデータや、道路開通の更新予定情報などの先行情報データなど、目に見えないデータもある。このような普段意識する機会が少ないデータを視覚化することで、新たな気付きや活用のアイデアを見出すきっかけにしてもらうことも狙いとしている。

 具体的なコンテンツとしては、「ゾーン30」「冠水注意地点」「事故多発地点」「最高速度」などを可視化した「安心安全コンテンツ」、歩行者用ルートのネットワークデータと株式会社キャドセンターの建物モデリングデータを組み合わせて表現した3Dデモ「歩行者ネットワーク」、3年先までの道路開通などの更新予定情報を見られる「先行情報(みらい地図)」をはじめ、「多言語地図(インバウンド)」「道路規制データ」「キロポスト(距離標)」など、7月31日時点で計11のコンテンツを用意している。

「安心安全コンテンツ」
「先行情報(みらい地図)」

 このうち「歩行者ネットワーク」は、新宿駅周辺エリアを3D地図にしたもので、屋外の歩行者ネットワークの線に加えて、地下や屋内通路のネットワークも表示可能となっている。ネットワークの線に沿って人が歩く姿も見られるので面白い。建物の非透過/半透明も選択可能で、背景地図を表示させることもできる。

 また、全国の著名な施設/建物の特徴をデフォルメした「ランドマークアイコン」の一覧も掲載されている。地図上のランドマークアイコンをクリックすると吹き出しに施設名が表示されるほか、右側のアイコン一覧の中から選んでクリックすると、該当施設にジャンプすることもできる。

「歩行者ネットワーク」
「ランドマークアイコン」

 インクリメントPによると、今回のリニューアルは、今後、積極的にコンテンツを追加していくための前段階として行ったことであり、近々、さまざまな企業の商材とコラボしたコンテンツを追加する予定とのこと。今後、どのようなコンテンツが登場するのか楽しみだ。

片岡 義明

フリーランスライター。ITの中でも特に地図や位置情報に関することを中心テーマとして取り組んでおり、インターネットの地図サイトから測位システム、ナビゲーションデバイス、法人向け地図ソリューション、紙地図、オープンデータなど幅広い地図・位置情報関連トピックを追っている。測量士。インプレスR&Dから書籍「こんなにスゴイ!地図作りの現場」、共著書「位置情報ビッグデータ」「アイデアソンとハッカソンで未来をつくろう」が発売。