趣味のインターネット地図ウォッチ
ウェブメルカトル図法でも国ごとの広さを正しく見比べられる「The True Size Of...」
(2015/10/29 06:00)
現在、Google マップをはじめとした多くのウェブ地図サービスで標準的に使われている地図投影法は「ウェブメルカトル」という図法だ。この図法には、高緯度になるにつれて距離や面積が拡大されてしまうという性質があるため、国ごとの広さを正しく比較するには不向きである。この問題を解決し、Google マップ上で国ごとの広さを正しく比較できるサイトが、今回紹介する「The True Size Of...」だ。
同サイトにアクセスすると、米国、インド、中国の3つの国の枠線が地図上で自由に動かせるようになっている。それぞれをマウスでドラッグさせると、高緯度になるにつれて大きく、赤道に近づくほど小さく表示される。このような視覚的効果により、国ごとの面積の違いを実際の比率に近い状態で見比べられるというわけだ。
デフォルトの3カ国以外の国の面積を確認したい場合は、画面左上の検索窓に国名(英文)で記載し、検索するとその国が動かせるようになる。南極(Antarctica)の枠線を表示させることも可能だ。枠線を表示させた状態でマウスオーバーさせると国名や面積の情報がポップアップで表示されるほか、ダブルクリックで色を変えることもできる。また、枠線を表示させた国をクリックしてから画面左下の方位記号を動かすことで、その国の向きを変えることも可能だ。
なお、地図上に表示されている国の枠線を消したいときは、消したい国を右クリックすれば消える。また、検索窓の下にある「Clear Map」をクリックするとすべてをまとめて消せる。
例えば赤道上にあるコンゴ民主共和国(Dem.Rep.Congo)の面積を比較したい場合は、“Congo”で検索すると動かせるようになる。そのまま上に移動させて、ヨーロッパ付近に動かすと、実はこの国がかなり南北にかなり長い国であることが分かる。また、ブラジル(Brazill)などもヨーロッパ付近に移動させると、とても広い国であることを実感できるだろう。
逆に、ロシア(Russia)やカナダ(Canada)、グリーンランド(Greenland)など、高緯度の国を赤道付近に移動させると、かなり縮小されてしまう。いろいろな国を同じ緯度上に重ねたり、並べたりして比較してみると、新たな発見があって面白い。もしかしたら、今まで思い込んでいた各国の広さのイメージが覆されることもあるかもしれない。子供の教材としても使える完成度の高いサイトだ。