フリーWi-Fi活用再入門

街中のWi-Fiスポットに、どうすればつながる?

フリーWi-Fiにつなぐメリットとデメリット、安心・安全な使い方を紹介

 フリーWi-Fiは、ホテルや空港、駅、ファストフード店、観光地など、さまざまな場所で提供されています。こうしたWi-Fiは、その名の通り多くが無料で使えますが、実は契約が必要だったり、有料で提供されるサービスもあります。

完全無料のフリーWi-Fiサービス

セブンイレブンのアプリからも、無料のWi-Fiスポットを利用できる

 観光地が来訪者のために提供していたり、飲食店が顧客のために提供しているWi-Fiの中には、完全に無料で提供されているものもあります。

 有名なのは、コンビニエンスストアが提供するWi-Fiサービスです。利用にはアプリのダウンロードや会員登録が必要な場合があり、1回接続した際の利用時間や、接続回数が制限される場合もあります。ただ、コンビニエンスストアは全国のさまざまな場所にあるため、街中で手軽に利用できます。

 一方、静岡県、山梨県、神奈川県の行政、観光協会、通信事業者が連携して、観光関連施設で提供している「Fujisan Free Wi-Fi」などは、場所によっては1日あたりの利用時間や接続回数が制限されますが、基本的に無料でインターネット接続を利用できます。

セブンイレブン

http://webapp.7spot.jp/

LAWSON

http://www.lawson.co.jp/service/others/wifi/

 このほか、FREESPOT協議会に参加している飲食店などでも、施設の管理者によって設置・管理されたWi-Fiに接続すれば、誰でも無料でインターネットを利用することができます。

 さらには、ホテルなどでも宿泊客向けに無料で使えるWi-Fiを提供していたり、空港でも空港運営会社が提供する無料のWi-Fiを利用することができます。

Freespot協議会のウェブページ。店舗が独自で設置しているフリーWi-Fiスポットを検索できる

有料だけど無料で使えるサービス

 交通機関やファストフードショップなどでは、NTTドコモ、au、ソフトバンクといった携帯電話事業者が管理しているWi-Fiサービスを利用できます。

 これらのWi-Fiサービスは、基本的には月額の料金を支払って契約する有料サービスとなっています。ただし、スマートフォンで特定の通信プランを契約するなど、特定の条件を満たしていれば無料で使えることが多く、実質的には無料で使えるサービスとして提供されていると言えます。

 ここでは、主な携帯事業者を挙げましたが、いわゆる格安SIMと呼ばれるMVNO事業者が提供するサービスでも、プランによってはWi-Fiサービスを無料で利用できる場合があります。自分の契約プランを確認してみるといいでしょう。

docomo Wi-Fi

料金:月額300円(税別)
無料の条件:NTTドコモの対象プランを契約
詳細:https://www.nttdocomo.co.jp/campaign_event/wireless_lan/index.html
スマートフォン:無料
PC:有料プランの契約が必要
エリア:https://www.nttdocomo.co.jp/service/wifi/docomo_wifi/area/index.html

au Wi-Fi SPOT

料金:月額300円(税別)
無料の条件:auの対象プランを契約
詳細:https://www.au.com/mobile/service/wifi/wifi-spot/
スマートフォン:無料
PC:無料(一部プランでは月額300円が必要)
エリア:http://300.wi2.co.jp/area/2/au_area/

ソフトバンクWi-Fiスポット

料金:467円(税別)
無料の条件:ソフトバンクの対象プランを契約(一部プランでは期間制限あり)
詳細:https://www.softbank.jp/mobile/network/wifispot/price/
スマートフォン:無料
PC:有料(1日467円)
エリア:https://www.softbank.jp/mobile/network/wifispot/

有料のWi-Fiスポットサービス

 ここまでに挙げた無料のサービスや、携帯電話事業者のサービスを利用すれば、無料でWi-Fiスポットを利用できます。、携帯電話事業者の対象プランを契約していない場合や、PCなど対象外の機器でWi-Fiスポットに接続したい場合は、有料サービスの利用を検討しましょう。

ワイヤ・アンド・ワイヤレスのサービス

Wi2(ワイヤ・アンド・ワイヤレス)

サービス:ギガぞう(アプリ購入方式)
料金:月額463円(税別)
エリア:https://www.e-map.ne.jp/p/gigazo/
その他:データ圧縮、VPNサービス付き

BBモバイルポイント

サービス:対応プロバイダー経由で加入
料金:月額500円(税別)※Yahoo!プレミアム会員は200円
エリア:https://tm.softbank.jp/business/wlan/area_list/

ワイヤレスゲート

サービス:ワイヤレスゲート Wi-Fi
料金:月額362円(税別)
エリア:http://www.wi-gate.net/PGSearch.html

Wi-Fiスポットへのつなぎ方

 Wi-Fiスポットへのつなぎ方は、接続サービスごとに異なりますが、以下のように分類できます。

「Japan Connected-free Wi-Fi」。エリア検索や各種サービスへの接続が簡単にできる
  • 自動接続
     携帯電話事業者のサービスでは、SIM認証などの方法が採用されており、近くに接続可能なアクセスポイントを見つけるだけで、自動的に接続できます。スマートフォンの初期設定で接続設定をすることで、自動接続できる場合もあります。
  • アプリ方式
     接続用のアプリをインストールする方式です。携帯電話事業者のサービスでも採用されているほか、Wi2などの有料サービスでも採用されています。また、外国人旅行者が、フリーWi-Fiスポットに接続するための「JAPAN FreeWi-Fi」などのアプリも提供されています。
  • 手動接続
     Wi-Fiスポットに接続するための情報をスマートフォンやPCで手動設定します。接続は、2段階で行われます。まず、次の情報を使ってアクセスポイントに接続します。
      SSID(必須):アクセスポイントを識別するための名前
      暗号化キー:通信を暗号化するためのパスワード

 アクセスポイントに接続されると、自動的に認証用のウェブページが表示されます。ここでも、サービスによって認証方法が異なります。

  • 規約同意方式
    同意ボタンなどをクリックすることで利用可能になる
  • ユーザー認証方式
    IDやパスワードを入力してアクセスする

 ほとんどのサービスでは、ユーザー認証が必要です。IDとパスワードが必要になりますが、その場でメールアドレスなどを入力してパスワードを発行してもらうこともできます。また、一部のサービスでは、メールアドレスを登録するだけで利用できる場合もあります(パスワード不要)。

 なお、2月1日付弊誌記事『公衆無線LANを利用するリスクとは? 総務省がセキュリティ対策講座を開講』の通り、総務省では「これだけは知っておきたい公衆無線LANセキュリティ対策」講座を3月末まで開講しています。

「これだけは知っておきたい公衆無線LANセキュリティ対策」講座一覧


    第1回 もっとつながる・使える公衆無線LAN <Wi-Fiの技術>
    第2回 とっても危険! 「野良Wi-Fi」
    第3回 そのWi-Fi、本物ですか?
    第4回 さまざまな公衆無線LANサービスを知ろう
    第5回 Wi-Fiの接続と暗号化の仕組み
    第6回 安全なWeb利用の方法
    第7回 自分で重要な通信内容を守る
    第8回 より安全・安心にWi-Fiを使うために

清水 理史

製品レビューなど幅広く執筆しているが、実際に大手企業でネットワーク管理者をしていたこともあり、Windowsのネットワーク全般が得意ジャンル。最新刊「できる Windows 10 活用編」ほか多数の著書がある。