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【使いこなし編】第301回

スキャンしたレシートをAIで文字起こしして簡単管理! PFUの小型スキャナー「ScanSnap iX110」活用

 バッテリー内蔵でどこでも使えるハンディ型のドキュメントスキャナー「ScanSnap iX110」の活用を、第297回から実践している。

 前回までの内容でドキュメントをスキャンするコツは、おおよそつかめたと思うので、今回からスキャンした画像を活用していこうと思う。今回は、OpenAIのChatGPTを使ってスキャン画像から文字を抽出してみよう。

 この先の実践は、自宅内でScanSnap iX110とスマートフォンがWi-Fiでつながった状態になっているのが前提となる。セットアップ方法などは第298回を確認してほしい。

今回はスキャンしたデータから文字起こしをAIにやらせてみよう

クラウド型のAIサービスでは設定に注意が必要

 実践に移る前に、クラウド型のAIサービスでドキュメントを扱う際の注意点を確認しておきたい。

 クラウド型のAIサービスでは、アップロードしたデータがサーバー上に保存され、AIモデルの学習に利用される場合がある。そのため、個人情報を含む郵便物や名刺など、機密性が高い情報を扱う際には、各サービスのデータ利用方針を確認するなど、扱いに注意してほしい。

 例えばChatGPTでは、FAQに対象となるコンテンツをモデルのパフォーマンスと安全性の向上に使用する場合があると記載されている。こうしたデータの取り扱いは契約プランによっても異なり、個人向けプランではAIモデルの学習に利用される場合がある一方、法人向けプランでは利用しないサービスもある。例えば、ChatGPT BusinessやGoogle Workspace向けのGeminiでは、原則として入力データがAIモデルの学習に利用されないため、仕事で使う場合には、こうしたサービスを検討するといいだろう。

 また、後の回で実践してみるが、「ScanSnap Cloud+」というPFUが提供するクラウドとAIを使うサブスクリプションサービスも、データはAIのモデル学習に使われることがない。

 今回は、事前にデータ利用に関する設定を変更し、AIのモデル学習を防いでChatGPTを利用してみようと思う。この設定はデータをアップロードする前に行っておく必要がある。Android版の画面で設定方法を解説するが、設定の流れはiOS(iPhone)版やPC版でも同じなので参考にしてほしい。

ChatGPTアプリにログインし、左上の[≡]アイコンをタップ
最下段にあるユーザー名をタップ
[データコントロール]をタップ
[全ての利用者のためにモデルの改善に協力する]のスイッチをオフに切り替える

ドキュメントをスキャンする

 さっそく、文字が書かれたドキュメントをChatGPTで文字起こししてみよう。今回は、身近で整理に手間がかかるレシートを素材にしてみることにしたが、文字が書かれたドキュメントであれば何でも構わない。

 無料プランでも画像からの文字起こしは問題なくできるが、画像をいくつかアップロードすると、すぐに上限に達してしまい3時間ほど待たされる。必要に応じて「ChatGPT Go(月額1400円)」などのサブスクリプションプランを検討するといいだろう。

 「文字起こしをしてください」というプロンプトで指示をすれば、文字をテキスト化して表示してくれる。レシートのような表形式の場合には「文字起こしをして、CSV形式で表示してください」というプロンプトにすると活用しやすくなる。ScanSnap iX110では、明瞭にスキャン画像が得られるので、AIによる文字認識の精度も良好だ。

ScanSnap iX110でレシートをスキャンした。シェアアイコンをタップ
ChatGPTを見つけてタップ
ChatGPTにドキュメントが読み込まれる。「文字起こしをしてください」と指示をしてみる
文字に変換された。[コードをコピー]からコピーして活用できる。左端にあるナンバー列が邪魔なので、工夫してみる
「先頭の番号を除いて、CSV形式で表示してください[*1]」とプロンプトを変えてみる
イイ感じで、活用しやすいカンマ区切りで表示された。意図を察してくれたのか、商品のリストのみになっている。コピーボタンでコピーし、Googleスプレッドシートにペーストして貼り付けておく

[*1]……CSVは項目をカンマで区切ったテキストデータで、プレーンテキストを使った汎用の表形式のこと。「表示して」と指示しないと、ファイルとして提供されることがあるので注意。逆に「ファイルにして」と指示して、コピペではなくファイル読み込みにしてもいいだろう。

 ここから、出来上がったファイルを活用してみよう。Googleスプレッドシートに保存して、家計簿を付けることを想定してみる。Googleスプレッドシートはスマートフォン版では編集機能が省略されているので、データをペーストした後はPCで編集してみる。

 単にスキャンした画像データとして保管するのではなく、スプレッドシートなどでデータ化しておくことで、分析してさまざまな活用ができるだろう。

PCなどのブラウザ版Googleスプレッドシートでデータを貼り付けたシートを開く。データを貼り付けた列を選択した状態にして、[データ]メニューから[テキストを列に分割]を選択
このように列に分けられる。後は好みで自由にセルを編集できる
1行目あたりのセルに「=SUM(B2:B1000)」と入力すると、金額の合計が1000行まで自動計算されるようになる
ジャンルを[項目]として設定してみた[データ]メニューの[データの入力規則]を使うと、プルダウンで入力を選択できるようになる
このように作ってみた。食品は2種類の税を区別しなくてはならないので、とりあえず税抜きにしておいている
[データ]メニューの[データを分析する]やGeminiボタンを押すと、結果を分析してグラフも付けてくれた。買い物日ごとの変化も客観的に分析してくれている

今回の教訓(ポイント)

スキャンしたドキュメントからAIを使って文字起こしができる
アップロードしたデータがAIの学習に使われる可能性を確認しよう

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。