情シス意識調査

【情シス意識調査】「会社のPC、スペックが低いと思う」が7割、「メモリ不足」「いまだにHDD」「壊れるまで使う」……

「おおむね満足」は2割超、ポイントは定期的なリプレースや上司の理解

 みなさまこんにちは。INTERNET Watch編集部です。

 情シスのみなさまからは毎回かなり熱い反響をいただいている「情シス意識調査」。第4回目のお題となる 「うちの会社はPCのスペックが低いと思う?」 につきましても、非常に多くの熱のこもった回答をいただきました。アンケートへのご協力ありがとうございます。

第4回「うちの会社はPCのスペックが低いと思う?」の集計結果

 さて、第4回の質問:「うちの会社はPCのスペックが低いと思う?」に対する集計ですが、以下のグラフの様になりました。

「うちの会社はPCのスペックが低いと思う?」 アンケート結果

 回答を見るともっとも多いのは、「そう思う」という声で半数以上、さらに「ややそう思う」を合わせると69%となりました。一方で「そうでもない」「全然そう思わない」を合わせると21%と5人に1人を超えました。コメントを読んでいても、PCの要件に関して寛大な会社と理解のなさそうな会社で、かなり温度差がある印象です。

 ただし、仕事内容によって求める要件の高さも違っていて、高めのスペックのPCでも不足と感じている人もいれば、古くて低スペックPCなのに不満を感じていない人もいて、一概に企業の姿勢だけでも割り切れない問題ではありそうです。

メモリ4GB、8GBとか泣けるぜ……

 では具体的にどういった部分に不満を感じているのでしょうか?

 中でも多かったのは「メモリ不足」を嘆く声でした。中にはメモリ4GBの声も……。

▼メモリ4GBは泣けるぜ……
  • Windows10で4GBって……。レンタル品の3年縛りで増設もできず……
  • メモリが4GBでExcelとOutlookを並行に使えない
  • Core i3、Celeron 4GBメモリとかありえないでしょ
  • 半数がHDDでメモリ4GB、動作が遅いとの相談が相次いでいる
  • メモリ4GB糞
  • 4GBでOfficeもTeamsもOneDriveも動かすなんて狂気の沙汰

 だからと言って8GBで十分という訳ではありません。

▼8GBや16GBでも足りないぞ……
  • メモリが未だに8GBで良しとする
  • 64bit版Windowsに、開発用としてVisual Studio Code、Docker、WSLを動かし、Chromeも立ち上げるのにCore i5+8GBメモリでどうしろと
  • ZoomやOffice365を使うのに、メモリ8GBやCPUがi5 1.7GHzしかなくフリーズしまくる
  • Core i3、メモリー8GBでは不足あり。以前はOfficeが動作するレベルで選定していたが、在宅ワークや、Web会議の利用・図面比較ソフトなど、使用するツールが多様化した事でスペック不足を指摘されている
  • メモリ 8GBは過去の話、ウェブ会議やクラウドツールを使うと16GBは必要
  • ノートPCだがメモリが16GBしかなく、業務でWordやExcelを10ファイルくらい開くとフリーズすることが多く、たまにブルースクリーンになる

 などなど。ここに挙げたのはほんの一部ですが、とくにテレワークが普及して、Web会議ツールやコミュニケーションツールなど常駐するソフトが増加して、メモリ不足が今まで以上に顕著になったようです。Web会議中に止まるとか、リアルに仕事に支障を来たすのでメモリ不足は本当になんとかしてほしいですね。

 また、中にはシンクライアントに移行したとの声もありましたが、それでもメモリ4GBでは、「修正プログラム適応に失敗したり、成功しても実際に業務が再開できるようになるまでに数時間を要したり」といった声も。やっぱりメモリは重要です。

 ちなみにメモリ不足を嘆いている人の対策ですが……、

▼メモリ不足対策、どうしてる?
  • メモリが交換できる(ただし顧客がやることは想定されてない)モデルを選んで秋葉原の特価メモリを買って交換することもある
  • メモリだけ後から増やす。ただしメモリを追加できないノートPCが増えたのが難
  • メモリ増設可能な機種を選ぶ
  • 追加メモリの購入稟議を再提出中
  • 私費でメモリを買って増設した
  • 自腹でメモリを強化

 などなど。後からメモリだけ追加する、あるいは追加することを想定して機種を選んでいるようです。中には自腹で追加という声も……、少なからずありました。

いまだにHDD……

 メモリ不足に次いで多かった声が「いまだにHDD」。これまたなかなか泣ける声ですね。特に問題になるのが遅さ。

▼HDDだと起動するのが遅すぎる!!
  • デスクトップPCのストレージがいつまでたってもHDD。アンチウイルスソフトやPC監視の常駐ソフトのおかげで、起動に20分かかる
  • 今時HDDでRAM 4GBのうえ、Windows10/11だから電源入れてから30分待たないとまともに使えない
  • 電源投入からメールが見られるまで優に20分は掛かる
  • ストレージが未だにHDD。起動して落ち着くのに約10分かかる

 起動に20分とか30分とか、もはやSSDを経験してしまっては想像したくもない苦境ですね。でも遅いのは起動時だけでなく、Windows Updateが悲惨という声も……。

▼HDDだとWindows Updateも遅すぎる!!
  • HDDを使用しているPCが残っており、Windows Updateでは1時間近く業務が止まる場合が見られる
  • HDDは本当にやばい! 初体験だったがWindows Updateがこんなに終わらないとはおもわなかった。Win10の半期更新適用は最短でも半日がかり、半期更新適用の再起動、初回ログインも1時間以上はあたりまえ

 また、寿命という部分でもHDDは厳しいとの声が。

▼HDDは寿命も厳しい!!
  • 5年経ってHDD故障頻発で対応工数取られすぎ……、SSDにしろと言ったのに親会社に拒否られたので
  • リース期間が終わるまで機種の変更ができないためまだ残存するHDD機がへたって来ています
  • 保守があるうちに交換用HDDは調達済、それ以外の修理もニコイチやパーツ購入で基本バラして直すスタイルです

 一方でHDDをSSDに変えて激変したという声も多数寄せられました。いまだに「SSDは容量が少ないから」と言っている上司もいるようなので、こういった意見があることを見せてみてはいかがでしょうか。

▼HDD→SSD換装で激変!!
  • 一部SSDに換装。驚きの速さに
  • 端末更新でSSDの機種になると環境が改善すると聞きます。リース期間がまだ2年以上残ってて延長リースの線もあるため、延長リース突入直後に自然と壊れてくれるのを祈ります
  • HDDを使っていたがSSDに変えた。文字入力の遅れは僅か改善された。ウイルスチェックの時間が短くなったかも
  • 保証が無効となるのを覚悟でSSDに換装。ボトルネックはある程度解消されたものの、パーツ代はもちろん、換装や移行に費やされた時間のことを振り返ると、最初からスペックをケチらなければ良かったのに……という徒労感だけが残りました

マシンが古い……

 メモリ不足、HDDに次いで多かった意見が「古い」。

 ちなみにインテルが、ROI(Return on Investment:投資利益率)の視点から判断した買い換え基準は、プロセッサーの世代で3.5世代ごととのことですが、実際の声はというと。

▼PCが古い!!
  • 最新は13世代なのに社内のPCは第4世代が中心で上層部は中古しか買ってこない
  • 一部、5年くらい前のPCで、HDDのデータ転送や起動が遅い
  • SATA2のHDDや数世代前のCeleronCPUが現役。シンプルに動作が遅すぎる
  • 2017年購入のPCでHDDのため、電源を入れてから5分経たないと安定しない
  • インテル第7世代以前のPCが圧倒的に多く、Windows 10サポート終了に対応できていない
  • CPUがCore i5-7200uで少し古く非力。研究開発職でシミュレーションを行うにはスペックが不足
  • 7、8年前のマシンを使っているユーザーも。Windows 10はなんとか動かせても、11は非対応
  • 某通信会社に出向したときのシンクライアント端末が10年前のノートPCだった
  • Win7からの切替時に購入したPCが大半で、当時ですら最低限のスペックでしか購入を認められなかった
  • CPUの世代が古い、いくらi7といえど3-4世代前は厳しい

 最初から中古スタートというのはなかなかしびれますね。それと古いマシンだとストレージもHDDのケースが多いようで、結果的に起動も遅いでしょうし、企業側にとっても生産性が悪そうですが。

 また、中には買ったら壊れるまで使うという声もありました。日本の誇る「MOTTAINAI(もったいない)」もここではカンベンしてほしいっっ!!

▼PCは壊れるまで使う!
  • 1度購入すると壊れるまで使う事になるので、最低5年以上使えるようにスペック標準を上げておきながら使う業務によってスペックを提示
  • 個人が利用するPCは「壊れたら交換」理論を採用しているため、4年以上使用しているPCがざらに存在し末期には全てのスペックにおいて常用に耐えない状況に陥っている
  • 古いPCのHDDをSSDに変えて延命させています。 ただ一時しのぎにはなりますが、結局経年劣化で電源やマザーボードの故障が発生して、情シスの手間だけが増えるのが現状

 ちなみに「古い」とのコメントをくれた方の解決方法を見てみると、「HDDをSSDに換装して延命」といったコメントがいくつか見られたものの、そのほとんどが空欄や「(目処が)立っていない」「壊れてくれるのを待つ」といった声。なんか悲壮感が漂いますね。

10万円縛り……

 上記までのコメントと比べると、数としては多くはありませんでしたが、それでもまだいる10万円縛り。税法的に一括償却できる限度内でということなのは分かりますが、さすがにリモートワークやWeb会議とPCに依存する仕事が増えてきている昨今、10万円縛りというのは同情しますな。

▼鉄壁!! 10万円の壁
  • 10万円を超えると、一括償却できなくて、資産計上しなくてはなりません。税金くらい払えよと言う意見もありますが、経理の力が強いので1台10万円以内に抑える圧力が強いです。国税庁に会計基準を見直してほしい
  • 予算!!!!(償却対象になる10万円の壁)前任者がよくわかってなくて、安いの…みたいな選び方をしたHOME搭載マシンがちらほら存在してAzureAD参加を考えたときに頭痛の種になっている
  • スペック以前に税法の「一括償却資産の損金算入限度額」の制限で10万円未満のPCしか購入ができない
  • 10万円以下に収める、という思想があり、スペックをあげられない。いよいよi3でないとだめになってきており、目下切実な問題。メモリは、情シス内でも4GBで十分、という考えがいまだ残っており、説得に時間を要している

下には下がいる……

 でも上記でピックアップしたのはまだマシなほうで、中にはもっと悲惨な声も。

▼もはや悲惨……
  • 10年近く前に購入した Windows 7 端末が半分以上を占める。すでにに色々と壊れ始めていて、HDDが壊れると Windows 10 が入ったSSDに入れ替わるが、それもバージョンが21H1なのでサポートが切れている
  • PC-9801が健在してます。とある計算プログラムがN88BASICで作成されていて、未だに移植が進んでいません
  • ライセンス/ファイル共有サーバーはWindows Server 2008 R2で古すぎだし容量不足。全社共有用サーバーは家庭用NASで処理落ち、パーミッション詳細設定不可
  • CPUがCore 2 Duo、Windows 7時代から使っている。ウイルスチェックが始まると文字入力が遅れてくる。打ち間違いに気づくまで時間がかかるし、戻るにしてもカーソルが動かない。Windows 10 が32bit、Windows 7に移行する際、アプリの互換が心配で32bitを選んだのが失敗の元。メモリも増やせない。64bitにするとアプリ・データ入れ直しでPCが一定期間使えなくなるのは仕事上支障が出るためそのまま32bit!
  • OSサポート期間を過ぎても更新できない
  • 低スペックだけでなく必須常駐ソフト多すぎて、起動待ちで十数分経過するまで打刻不可のため賃金未払いが定期的に話題になる
  • 工場の人間は2014年購入のPCを使わされている

中には問題ないという声も……

 最後に特に問題ないと感じている方々のコメントです。

 コメントを見ると定期的にリプレースできていると言う声が多いですね。それと決裁者が比較的寛容な点、またスペック的にもそこまでハイスペックを必要としていないという部分もありそうです。

 実はこの、業務内容によって要求されるスペックが違うというのも情シスの悩みのタネになっているみたいですね。この辺りは業務の内容によって大きな差があるようです。

▼「特に問題ない」という声も……
  • core-i5以上、メモリ8GB以上にすることをアドバイスしています
  • ライフサイクル通りの運用が出来ており、 リプレイスに関しても安定して行えている
  • 定期的なリプレース
  • Windows11世代のPCは16GBメモリで調達している

情シス意識調査リニューアルします。

 さて、今回も非常に多くの回答をいただけました。そしてコメント欄にも毎回とても多くのご意見や応援コメントをいただけており、ありがたく思います。

 みなさまのコメントを読むに、想像以上に現場は大変だということを常々実感しておりまして、つきましては、一度この情シス意識調査を終了することにしました。

 といっても皆さんの熱量は編集部一同熱く感じておりまして、近日中にリニューアルして復活させる予定です。その際は、より具体的なアンケートとして、その結果が、エビデンスとして情シスの皆さんに役立つような形にしていければと思っておりますので、どうぞご期待ください。