読めば身に付くネットリテラシー

マッチングアプリやSNSで出会った相手はAIや詐欺師かも! 恋人をオンラインで探す際の4つの注意点とは

マッチングアプリの利用者ががサイバー犯罪者に狙われています(生成AIによるイメージ画像です)

 「愛を伝えるシーズンには、AIによる巧みなロマンス詐欺に要注意!」と題した調査報告を、セキュリティ会社のマカフィーが2月13日に発表しました。日本・米国・英国・フランス・ドイツ・インド・オーストラリアの7カ国で、18歳以上の7000人を対象として2025年2月に調査を行った結果をもとに、AIを悪用したロマンス詐欺が広がっていることに注意を呼び掛ける内容です。

日本人の半数近くが、AIチャットボットに恋愛感情を抱く可能性が?

 近年、オンラインで知り合い、デートにつながるオンラインロマンスが盛り上がっています。すでに米国人で62%、日本人でも29%の人が、潜在的なパートナーと出会う手段としてマッチングアプリやSNS、メッセージングプラットフォームを利用した経験があると回答しているのです。特に、若い人ほど積極的に使っています。米国人の18~24歳の73%が「Tinder」などのマッチングアプリを利用しており、「Snapchat」や「TikTok」などのSNSも出会いの場として人気があるそうです。また、男性は女性よりもオンラインデートを積極的に活用しています。

 恋人を求める場は当然サイバー犯罪者の狩場にもなります。特にオンラインは、AIが作り出した架空の人物が紛れ込みやすくなります。

 今回の調査によると、オンラインで知り合った相手から金銭や贈り物を送るよう圧力をかけられたり、金銭をだまし取られた人は米国人の52%、日本人の16%に上るそうです。また、米国人の26%が、実在する人物になりすましたAIチャットボットからアプローチを受けた経験があるそうです。

 しかも、米国人の32%、日本人の46%が、AIチャットボットに対して恋愛感情を抱く可能性があると考えています。この結果のみ日本人の方が割合が高いのが興味深いですが、AIロマンス詐欺のリスクが高いということでもあります。

恋愛相手をオンラインで探す際の4つの注意点+α

 このような詐欺被害に遭わずにオンラインで恋愛相手を探すために、4つの注意点+αの対策をマカフィーでは提示しています。

恋愛相手をオンラインで探す際の注意点

1)過剰な愛情表現に注意
 オンラインで出会った相手が、あまりにも完璧な未来や急激な愛情表現を語る場合、慎重な対応が求められます。顔が映るビデオ通話を避けたり、LINEなど別の連絡手段へ移ろうとする動きは、詐欺の可能性が高いので注意してください。初対面で過剰な感情表現があるなら、その背景に詐欺などの不正な意図が潜んでいる可能性が高いです。こうした状況では、冷静に相手の言動を観察し、十分な信頼の根拠が得られるまでは慎重に進めることが、自分を守る第一歩となります。

2)身元確認
 オンラインで交流を始める際は、まず相手の身元確認を徹底しましょう。プロフィール画像などをもとに検索し、SNSでの投稿や友人関係をチェックすることで、本物の人物かどうかを見極めるのです。複数の情報源で一致が確認できれば信頼性が高まりますが、疑わしい点がある場合はさらに質問を重ねるなど、慎重な対応が必要です。

3)個人情報を保護
 個人情報の管理は、ネット上で自分の安全を守る基本です。誕生日やペットの名前など、一見些細な情報も詐欺師に利用される恐れがあります。SNSやチャットでの不要な情報公開は避けましょう。

4)金銭的要求に警戒
 オンライン上の交際で、金銭や贈り物の要求が出た場合は警戒すべきです。交際初期に金銭援助を求められるのは、詐欺の典型的な手口です。たとえ感情面に訴えられても、相手の背景や信頼性を十分に確認するまでは、一切の金銭送付や高価な贈り物の提供を控えるべきです。

 プラスアルファは、最新のオンライン保護ツールを導入することです。マカフィーでは当然ながら自社が提供するツールを紹介していましたが、同様のツールは複数のセキュリティ会社から提供されているので、興味のある人は検討してみましょう。

 オンラインで出会いを求めているのですから、近づいてきた人に対して警戒心が緩んでしまうのは理解できます。しかし、ネット詐欺師はその油断を突いてきます。悔しい思いをしたうえに大金を失うようなことにならないように、きちんとネットリテラシーを身に付けておきましょう。

高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人です。媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行っています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「dlisjapan@gmail.com」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。

※ネット詐欺に関する問い合わせが増えています。万が一ネット詐欺に遭ってしまった場合、まずは以下の記事を参考に対処してください
参考:ネット詐欺の被害に遭ってしまったときにやること、やってはいけないこと