3G/無線LAN/有線LANを自動切り替え!
コレ1台でOKのモバイルルーター「ポータブル Wi-Fi」


 こうだったら便利なのに……、というユーザーの思いが詰め込まれたモバイルルーター。それがバッファローの「ポータブル Wi-Fi DWR-PG」だ。3G/無線LAN/有線LANの自動切り替え、長時間駆動のバッテリーなど、非常に高性能で多機能な本製品を実際にテストしてみた。

コレ1台だけで良い

 朝起きて、PCを使って家のブロードバンド回線からメールをチェック。

 家を出て電車の中でiPod touchから3G経由でTwitterを利用。

 出社後、会社の無線LAN経由でニュースをチェック。

 昼休みにはファストフード店の公衆無線LANを使って息抜きにゲーム機を楽しむ。

 こんな普段の行動が、たった1台の通信機器と、すべての機器に共通の最小限の通信契約で実現できたとしたら、どうだろうか?

 バッファローから発売された「ポータブル Wi-Fi DWR-PG(以下DWR-PG)」を利用すれば、このようなあふれかえる契約と、各事業者に散在する通信費の請求書、さらにそれぞれを使い分ける労力から解放される可能性がある。

 バッファローのDWR-PGは、バッテリーと通信モジュールを内蔵したいわゆるモバイルルーターだ。カバンなどに入れて持ち運ぶことが可能となっており、PCや携帯情報端末、ゲーム機など、無線LANを搭載した機器を接続することで、外出先などでインターネット接続を利用することができる。

 5月18日のNTTドコモの発表会でお披露目されたことで注目を集めたが、製品としてはNTTBPとバッファローが共同で開発したものとなっており、さまざまな形態での提供が予定されている。

NTTドコモに続き、NTTBPからも発表されたバッファローの「ポータブル Wi-Fi DWR-PG」。3G/無線LAN/有線LANを利用できるモバイルルーターだ

 同様の製品は、実は2009年9月に本連載でも「Personal Wireless Router」として紹介しているのだが、その改良版という位置づけと考えるとわかりやすい。基本的な機能は「Personal Wireless Router」を継承しているが、課題だった発熱などの問題を改善し、さらに使いやすさを向上させた製品というわけだ。

 なお、今回試用したのは、正式発表前の試作機となっている。このため、設定画面の内容や製品性能などは、実際の製品とは異なる部分があることをあらかじめお断りしておく。また、試作機のため動作が不安定な点などもあったが、今回は製品版で修正される可能性も高いため、そうした点については本文中では触れていないこともお断りしておく。

カードサイズで持ち運びも楽

 それでは、実際の製品について見ていこう。サイズは、幅95×高さ64.4×厚み17.4mmで、重量は約105gとなっており、名刺を一回り大きくした程度の大きさとなっている。

手のひらサイズのコンパクトな設計

 デザインはマットブラックを基調に、LED部分がクリアスモークのカバーで覆われている。

 インターフェイスは、miniUSB×1、クレードル用の専用ポート×1となっており、上部に長押しして利用する電源ボタン、無線LANの接続設定用の「AOSS」ボタンが配置されている。また、持ち運びを想定してだろうか、左肩にはストラップ用の穴も設けられている。

 このほか、背面のカバーを開けると、バッテリー(専用パック1880mAh)、SIMスロット、microSDスロットが用意されている。通信モジュールを内蔵しているので、ここにNTTドコモのFOMAカードを装着してWAN側の通信に利用するというしくみだ。

全体側面
背面背面のカバーを開けるとバッテリーとSIM、microSDスロットが姿を現す

 なお、実際の料金は購入方法によって若干の違いはあるものの、「定額データプラン バリュー(2年契約のスタンダード割加入)」での契約の場合、新規申し込み割引キャンペーンで1年間1575円が割引されることもあり、月額上限4410円(2年目からは上限5985円)となる。これにプロバイダー料金(たとえばmopera Uなら525円)がプラスされることになる。

 バッテリー内蔵のモバイルルーターとしては、現状、イー・モバイルのPocket WiFiが人気を集めているが、サイズ、重量ともに、これより若干大きいものの、持ち運びに苦労することなく、持ち運んで人目に触れても気にならないデザインだ。料金プランもさほど大きな差はない。

 このようにサイズや料金では、既存製品とほぼ同等と言えるDWR-PGだが、機能的に見ると、既存のモバイルルーターを凌ぐ部分が数多く見受けられる。その特徴を整理すると、以下の点となる。それぞれの点について順番に見ていこう。


・ 3G/無線LAN/有線LANを利用可能
・ 状況によって回線をカシコク使い分けられる
・ USB充電も可能な長時間のバッテリー駆動
・ コンテンツの自動ダウンロードに対応

3G/無線LAN/有線LANを利用可能

 本製品の最大の特徴は、複数のWAN回線を場所によって自動的に切り替えることができる点だ。

 前述したように、本製品はNTTドコモのFOMA網を利用したデータ通信サービスに対応している(ハードウェアとしてはHSDPA7.2MBps/HSUPA5.76Mbpsに対応)が、エリアの広さなどを考慮しても、普段、外出先ではこの接続で利用するのがメインとなるだろう。

クライアントを無線LANで接続後、ウィザードを使えば接続設定も簡単にできるもちろん手動設定も可能。他社プロバイダーを選べばAPNなども設定できる
【動画(Flash)】実際に3G経由で本サイトを表示している様子

 このような3G接続に加えて、本製品では無線LAN、有線LANも利用可能となっている。まずは、無線LANだが、本製品にはPCや携帯情報端末、ゲーム機などのクライアントを接続するためのIEEE802.11b/g準拠の無線LAN(言わばLAN側)に加えて、WAN側の回線として利用できるIEEE802.11a/b/g準拠の無線LANをもう一系統搭載している。

 このWAN側無線LANを利用することで、無線(LAN)to無線(WAN)のルーティングが可能になり、たとえば家庭やオフィスに存在する無線LANルーターの子機としてDWR-PGを接続してインターネットに接続したり、飲食店などで提供されている公衆無線LANを利用してインターネットに接続することができる。

 クライアントからDWR-PGに無線LANで接続後、ブラウザから「http://192.168.11.1」にアクセスすると無線LANの設定を行うことができる。ここで周辺のSSIDを検出するか、手動でSSIDを入力して、接続先のアクセスポイントを指定し、暗号キーを設定すれば設定は完了だ。

対応する公衆無線LANサービスであれば一覧から選択するだけでSSIDや暗号キーを設定可能認証IDを利用した自動ログインの設定も可能

 もちろん、公衆無線LANに接続する際に必要な認証IDを設定しておくことも可能となっているので、必要に応じて認証IDを設定しておけば、FREESPOT、HOTSPOT、フレッツスポット、Mzoneなどの公衆無線LANにも接続できる。一般的な公衆無線LANに関しては、SSIDおよび暗号キーがプリセットされているので、接続先を選択後、認証IDを設定するだけで利用可能だ。

 ちなみに、HOTSPOTなどの利用を意識してWAN側はIEEE802.11aに対応しているが、LAN側はIEEE802.11b/gのみとなり、5GHzを利用してクライアントを接続することはできない。また、無線クライアント同士の通信を遮断する「プライバシーセパレータ」には対応するが、マルチSSIDには対応しない。ゲーム機を接続する場合はWEPでの運用になるだろう。

 一方、有線LANだが、これはクレードル経由で利用する。本製品には、充電用のクレードルが付属しているが、この背面には10BASE-T/100BAE-TX対応の有線LANポートも搭載されている。

 これにより、DWR-PG本体をクレードルにセットすることで、充電が行われると同時に無線(LAN)to有線(WAN)のルーティングが可能となるわけだ。

クレードルにセットすれば、背面のLANポートを利用して家庭や会社、さらには出張先のホテルなどの有線LAN環境でも利用できるクレードルには本体のポートを差し込むようにして装着する。USBポートを利用した充電も可能

 LANポートは、クレードルの切替スイッチによって、「INTERNET(ルーター動作)」と「LAN(アクセスポイント動作)」を切り替えることも可能となっている。このため、たとえば家庭で光回線などのルーターに接続するときはLANモードで利用し、ホテルなどの外出先の有線LANに接続するときはINTERNETにするといった使い分けも可能だ。

 なお、3Gに関しては、APNなどを手動で設定することも可能だ。プロバイダーなどで提供されているモバイル通信サービスを利用することもできるだろうし、FOMA網を利用したMVNOサービスなどでの利用も可能と考えて良いだろう。

場所を判断して「カシコク」切り替え

 WANが3系統、などと聞くと、「なんだか面倒そうだ……」と感じるかもしれないが、初期設定さえすませてしまえば、後は非常に快適だ。

 冒頭でも触れたが、家でクレードルにセットしているときは有線LAN経由でインターネットに接続する無線LANルーターとして動作し、取り外して持ち出せば自動的にWAN接続が3Gへと切り替わる。そのままオフィスの無線LANや公衆無線LANのエリアへと移動すれば、今度は3Gから自動的に無線LAN接続へと切り替わる。

 ポイントは、この間、クライアントはDWG-PGに無線LANで接続したまま、一切、設定変更やつなぎ替えをする必要がないうえ、WANの切り替えも意識させられずに済む点だ。

設定画面を見ると、現在、どの回線で接続されているのかやバッテリー残量を確認できる接続中の回線は本体のランプでも確認可能。青は3G、緑は無線LAN

 もちろん、切り替えは完全にシームレスというわけにはいかない。たとえば、Ustreamでのライブを見ている最中に、DWG-PGをクレードルから取り外し、有線LANから、その配下に接続されているアクセスポイントの無線LANへと切り替えたとする(接続先は両方とも同じ光ファイバー)。この間の切り替えに要する時間は約30秒ほど(3Gへの切り替えはさらに長い)となるため、映像などは切り替えの間は一時的に停止することになる。

 また、接続先サーバーへの経路が完全に切りわかるケース、たとえば有線LANから3Gへの切り替えなどの場合は、接続が切り替わっても、以前のセッションを維持できないため、ストリームなどが停止してしまうことがある。Webなどのように断続的な通信なら、まさにシームレスに切り替わるが、連続的な通信では接続の切り替えに注意は必要だ。

 なお、外出中の3Gと公衆無線LAN、さらには複数登録した無線LANをどのように優先するかについては、その条件を選択できるようになっている。今回試用したバージョンのファームウェアでは詳細な条件について記載がなかったが、設定としては3G、「接続性優先モード」、「標準モード」、「無線LAN優先モード」の3つが存在する。

WAN側をどのような条件で切り替えるかを設定することもできる

 また、公衆無線LANについても、自宅やオフィス、各公衆無線LAN事業者ごとに優先順位を設定できる。これにより、同じ場所で複数のサービスが使える場合でも、どれを利用するかをあらかじめ決めておくことができる。

 ちなみに、それぞれの回線の速度を計測したのが以下の画面だ。試作機であるため参考程度に考えて欲しいが、クライアントが54MbpsのIEEE802.11gでしか接続できないため、上限は15Mbpsといったところになる。また、3Gの速度に関しては電波状況次第だ。筆者宅の場合、1階は電波が「微弱」と表示され(設定画面から確認可能)数百kbps程度でしか通信できなかったが、3階まで上がると下りで2Mbpsで通信できた。

 ただし、さすがにNTTドコモのネットワークを使っているだけあり、移動中はほぼ圏外になることはない。おそらく地方へと移動しても使える場所に困ることはないので、どこでも使えるという点では重宝することだろう。

有線LAN接続の速度無線LAN接続時の速度
電波状態「微弱」時の3Gの速度(筆者宅1階)電波状態「弱」時の3Gの速度(筆者宅3階)

連続通信で5時間強の動作を確認

 この手の製品で気になるのは、やはりバッテリー駆動時間が気になるところだが、この点でもDWR-PGはなかなか優秀だ。

 WAN側を3Gに固定したDWR-PGに、PCを無線LANで接続し、PINGとHTTPのGETコマンドによるWebページの保存を連続的に実行するバッチファイルを実行してみたところ、DWR-PGのバッテリーが切れて通信不能になるまでの時間は5時間11分だった。公称の連続通信時間は6時間なので、それより若干劣る結果となったが、試作機であったことを考えても、かなり優秀な結果だ。

 以前、本コラムでイー・モバイルのPocket WiFi(D25HW)でもまったく同じバッチファイルを実行してテストしたことがあるが、このときの動作時間は4時間22分だったので、プラス50分の連続動作となった。

 採用されているバッテリーが7.0Wh(3.7V、1880mAh)と大容量ということもあり、結果的には筆者が実際にテストした製品の中では、もっとも長時間駆動するモバイルルーターとなった。

 また、省電力機能がカシコイからだろうか、断続的な利用でもかなりの長時間利用が可能なことを確認できた。たとえば、11:30に自宅を出発し、電車での移動や打ち合わせの最中にPCやiPod TouchからメールやWebなどを断続的に利用し、自宅に帰宅した16:17の段階で設定画面からバッテリー残量を確認したところ57%となっていた。

採用されているバッテリー。3.7V、1880mAh(7.0Wh)と携帯端末としてはかなりの容量11:30~16:17までの間に、電車や訪問先などでiPod touchからメールやウェブなど、断続的に通信して帰宅した際のバッテリー残量は57%。まだまだ使える

 さらに、意図的に充電をせずに放置する実験もしてみた。同様に17:00時に自宅を出発し、電車や訪問先で断続的にWebやメールを利用、21:00に帰宅し、そのまま充電せずにDWR-PGを放置。翌朝7:00にバッテリー残量を確認してみたところ23%ほど残っていた。

 利用頻度やさらに無線LANへの切り替えなどが頻繁に発生するケースなどでは動作時間は短くなると考えられれるが、公称の連続動作時間はスタンバイ時で30時間となっている通り、断続的な利用であればほぼ一日中充電せずに持ち歩いても十分に実用に耐える製品と言ってかまわないだろう。

 なお、本体のUSBポートを利用することで給電(充電も可能)しながらの通信も可能だ。このため、PCで利用する場合はUSBから充電しながら利用することもできるうえ、USB給電可能なeneloopなどと組み合わせて利用することもできる。内蔵バッテリーの容量が100%の時は外部電源での動作となり、内蔵バッテリーの容量が100%未満のときは充電しながらの可動となり、充電が完了すると外部電源での可動に切り替わる。こういった使い方をすれば、出張などでもバッテリー切れをあまり気にせず利用できるだろう。

PCやUSB給電可能なeneloopなどを利用して充電しながら利用することもできる充電の状態も設定画面から確認可能。USB接続中は「外部電源(充電中)」などと表示される(100%充電完了すると単に「外部電源」と表示される)

microSDにコンテンツを自動ダウンロード

 このように、さまざまな回線を使い分けることができるうえ、さらに長時間の利用にも適したDWR-PGだが、もう1つ、とても面白い機能を搭載している。

 ナローバンドの時代からインターネットを利用していたユーザーにとっては、懐かしいと感じられるかもしれないが、指定したURLのWebページを自動巡回ダウンロードして保存しておくことができる機能がDWR-PGには搭載されている。

 前述したようにDWR-PGの背面にはmicroSDを装着することが可能となっているが、設定画面の「コンテンツ」からダウンロードしたいコンテンツをあらかじめ指定しておくことで、定期的にDWR-PGがインターネットからコンテンツをダウンロードして、microSDに保存しておくことができるのだ。

内部のスロットにはmicroSDが装着可能。自動ダウンロードされたコンテンツをmicroSDに自動保存できるコンテンツダウンロード機能の設定画面。NTTBPのWifineコンテンツ、Podcast/RSS、Webを自動ダウンロード可能

 ダウンロードできるコンテンツは、NTTBPが駅などの公衆無線LANエリアで提供しているエリアポータル情報の「Wifine」、Podcast/RSS、Webページの3種類となっており、PodcastのアドレスやWebページのURLを設定ページに登録しておくと、一定時間おき(もしくは指定時刻)にコンテンツが自動的にダウンロードされる。

 標準では3G接続の際はコンテンツのダウンロードを行わない設定になっているため、自宅でクレードルに接続している状態でダウンロードし、それを外出先で閲覧するというイメージだ。

 これは、WANに接続できないとき、3Gの通信費を節約したいとき、コンテンツを高速に表示したいときに非常に重宝する。たとえば、本サイト(INTERNET Watch)のコンテンツをダウンロードするように設定しておけば、朝、電車の中で携帯情報端末を使ってニュースなどをチェックすることができる。同様に、Podcastのコンテンツも楽しむことが可能だ。

 電車の場合、移動中に通信が切断したり、速度が遅くなることがあるが、microSDに保存したローカルコンテンツならそういった心配もない。通信料金もローカルアクセスなので発生しないことになる。

クライアントからDWR-PGのIPアドレスにアクセスすると、ストレージの内容を表示可能試作版のため画面のデザインなどが未完成だが、このようにダウンロードしたコンテンツにアクセスできる
本サイトをダウンロード。トップページはレイアウトが崩れてしまうが、記事は問題無く読むことができるもちろんiPod Touchなどからも利用可能

 また、NAS的な使い方というか、端末の外部メモリーとして使うという方法もある。たとえば、今話題のiPadなどは本体メモリーのみで外部メモリーを装着できないが、DWR-PGにmicroSDを装着し、ここに写真やPDFなどのデータを保存しておけば、本体メモリーを消費することなく大量のデータを持ち歩くことができる。

 もちろん、DWR-PGに複数の人の端末を接続すれば、このメモリーを利用してファイルをやり取りしたり、共有することなども不可能ではないだろう(セキュリティには注意)。

microSDにそのままアクセスできるので、あらかじめ保存しておいたファイルを開いたり、複数のユーザーで共有することも可能

 まさに「モバイルストレージ」とでも言おうか、モバイルルーターをストレージとして使うというのは、非常に斬新で、しかも実用的なアイデアだ。今後、電子書籍のようなコンテンツが普及すればより意味を持つだろうし、映像配信などにも応用できる。大容量のデータ配信の蓄積先、さらにはProxy的な役割を担わせれば、通信事業者のトラフィック軽減にも一役買うかもしれない。とにかくこの機能には感心させられた。

iPad、Andoroid、新ゲーム機と期待が膨らむ

 このように、バッファローのポータブル Wi-Fi DWR-PGは、モバイルルーターとしての基本性能が高いだけでなく、さまざまな活用が可能な機能を搭載しているうえ、それでいて誰もが簡単に使えるように工夫されている非常に完成度の高い製品だ。

 個人的には、Gigabit Ethernet対応、IEEE802.11n対応など、スペック的に望みたいところも無いわけではないが、バッテリー駆動時間などを考慮すると、現段階で多くを望むのは酷だろう。

 これまで、外出先での通信環境は、利用する機器、利用する場所によって、回線、接続方法、契約などを個別に利用するケースが多かった。家のブロードバンド回線や携帯電話に加えて、別途iPhoneを契約し、さらにPCで利用するためのWiMAX契約、苦労して並んでまで3Gを選んだiPadなど、複数の通信契約に「このままで良いのか?」と疑問を持っている人も多いことだろう。

 今後、さらに魅力的な携帯情報端末や家庭に設置するガジェット的な製品が増えたり、さらにカメラなどの映像機器や家電に通信機能が搭載されるようになれば、この問題はさらに深刻になる。

 本製品は、このような氾濫する通信環境を統合する良いきっかけになるだろう。場合によっては、家庭の通信費を大幅に見直すことができる可能性もある。個人的には、今契約しているさまざまな通信契約のうち、いくつかを解約して、本製品に統合しても損はないのではないかと考える。


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2010/5/25 15:00


清水 理史
製品レビューなど幅広く執筆しているが、実際に大手企業でネットワーク管理者をしていたこともあり、Windowsのネットワーク全般が得意ジャンル。最新刊「できるWindows 8.1/7 XPパソコンからの乗り換え&データ移行」ほか多数の著書がある。