週刊Slack情報局
Slack上のアプリの操作性を高める機能拡張、UIフレームワーク「ブロックキット」にコンポーネント追加
2019年10月30日 12:00
一般企業でも利用が広がっているビジネスコミュニケーションツール「Slack」。Slack Technologiesの日本法人であるSlack Japanはこのツールのことを“ビジネスコラボレーションハブ”と表現しており、あらゆるコミュニケーションやツールを一元化するものと位置付けている。本連載「週刊Slack情報局」では、その新機能・アップデート内容などを中心にSlackに関する情報をできるだけ毎週お届けしていく。
Slackの開発者向けカンファレンス「Spec 2019」が10月22日・23日に米国で開催され、Slack上のアプリのインタラクティブな操作を実現する新機能が発表された。
Slack上でアプリを構築するためのUIフレームワークである「ブロックキット」をアップデートし、2つのコンポーネントを追加する。これにより、アプリ開発者は、開発するアプリ内により多くのコンテンツを表示できるほか、ワークフローに多くの構造を組み込むことできるようになる。一方、アプリのユーザーは、ウィンドウを切り替えたり別アプリを立ち上げたりしなくても、Slack上でさまざまな操作が完結できるようになり、アプリをより直感的に使えるようになるとしている。
追加されるコンポーネントの1つ目は、アプリ用の新しい「ホーム」タブだ。アプリのホーム画面に機能を追加できるもので、Slack上のボタンでアプリを操作できるようになる。
例えば、「Google Calendar」であれば、アプリのホーム画面にユーザーのスケジュールを表示させ、会議の招待に対して返事や変更をしたり、ビデオ通話に直接参加するといった操作がその場で行えるようになる。
2つ目は「マルチステップモーダル」だ。モーダルとは、Slackインターフェース上に表示されるウィンドウのこと。入力フォームで情報を集めたり、インタラクティブな選択肢や結果を表示するときに使用するもので、マルチステップモーダルでは、アプリ開発者が必要な数の画面を追加表示できるようになる。複雑なワークフローをつなぎ合わせてSlack上のウィンドウに表示できるため、情報の表示・収集がより簡単に行えるとしている。
例えば、CRM「Streak」のアプリでは、ドロップダウンや日付選択メニューから販売機会やパイプライン上のステータスの更新・確認・編集をできるようになるという。このほか、学習管理システムで学習コースの検索・登録を全てSlack上で行えるようにしたり、Slack上で高度な従業員アンケートをカスタマイズして実施できるようになったアプリもある。
Slackでは「これで長々としたbotとのやり取りをしなくて済むようになる」としている。
Spec 2019ではこのほか、アプリを簡単に見つける新しい方法を追加することも発表された。ワークスペースにインストール済みの全アプリのリスト表示や、ショートカットによるアプリのアクションを開始できる機能などだ。スラッシュコマンドを使ってアプリのアクションを実行する方法のほか、Slack上の複数の場所から簡単なショートカットを使ってアプリのアクションが開始しやすくなるという。