テレワーク百景
第6回:TiNK Desk
URの「団地」の空室をテレワークスペース化する実験も
予約から支払いまでLINEで完結するワークスペースサービス
2021年2月25日 14:55
株式会社tsumugが提供するワークスペースサービス「TiNK Desk」は、LINEトークだけで予約からワークスペースの解錠、決済までの一連の手続きが行えるのが特徴だ。さらに電子解錠システムでワークスペースを管理しているため、全ての拠点は無人化されている。
tsumugは福岡市に本社を置く会社で、今のところ福岡市内で8カ所、東京都内で4カ所の計12カ所(2月19日時点)でTiNK Deskを展開している。同社によると、TiNK Deskは、拠点の近くで働く人、出張にて一時的に利用する人、テレワークが推奨されているものの自宅の環境が整っていない人が利用。このような客層のため、リピーターも増えているという。
1人用スペースが15分90円、電動昇降デスク・4Kディスプレイ付き
TiNK Deskを利用するには、LINE公式アカウントを友だちに追加することから始まる。トーク画面に従ってユーザー登録と予約を行う。予約した時間になったら、LINEのトーク画面から利用するスペースを解錠。そのあとの施錠、決済もLINEのトーク画面の案内に従って行うため、LINEで全ての手続きが完結する。
TiNK Deskにて提供されている「ワークデスク」または「ワークステーション」は、1人で集中して仕事ができるスペース。予約を行わなくても空いていれば利用でき、最初の15分間は無料で、最大3時間までの利用となる。また、予約をして利用した場合は料金が5%引きになり、最大4時間まで利用できる。料金(税別、以下同じ)は、拠点によらず一律で15分90円だ。
1日・1カ月の定額プランもある。1日のパック料金「DAY予約」は2000円。法人向けには、利用したい拠点を指定すると1カ月3万円で利用できる「MyDesk定額」も用意されている。なお、MyDesk定額はキャンペーンとして、3月31日利用分まで2万円で利用できる。
1人用のスペースには、4Kディスプレイ、電動昇降デスク、ワークチェア、ホワイトボード、電源、USB Type-CケーブルやLightningケーブルが用意されている。そのため、自分のノートPCを持参するとデスクトップPCのように使えそうだが、キーボードとマウスは用意されていない。tsumugでは、キーボードとマウスについては、人により好みがあるため用意していないとしている。
このほか、1人用の個室「ワークルーム」(15分135円)、個室4人用の会議室「ミーティングルーム」(15分180円)もあり、提供するワークスペースの種類は拠点によって異なる。
「団地の機能」として「住宅隣接のテレワークスペース」を検証
TiNK Deskの拠点の多くはマンションの部屋を利用している。また、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)と共同で進めている実証実験として、室住団地(福岡市早良区)で「TiNK Desk with UR」を提供。「空室のテレワークススペース化により団地・地域活性化を目指す」(tsumug)。
コロナ禍においてテレワークが進んでいるが、自宅は騒音やネットワーク環境など仕事場には向かない場合もある。実証実験では、このような課題を解決するため、団地内にワークスペースを設置して、利用率、継続性、持続性などのデータを収集。「団地における1つの機能として、住宅に隣接するテレワークスペースの活用が可能であるかを検証する」(tsumug)。
また、周辺の学生向けに割引クーポンを配布し、若年層の利用も促進。最終的には、ワークスペースの運営などを団地の住民が担うことで、仕事が生まれるなど、コミュニティの基盤としての役割も期待するとしている。
なお、TiNK Deskは今のところ福岡と東京の2都市で展開しているが、他都市への進出などにより、拠点を増やすことも検討しているという。