テレワークグッズ・ミニレビュー

第77回

連日猛暑で稼働しっぱなしのエアコン、電気代を少しでも抑えたい!!

エアコン室外機のカバー3種類を比べてみた

エアコン室外機のカバー3種類を比べてみた

 関東圏では梅雨明け前にもかかわらず猛暑が続いている。おかげで仕事部屋もエアコンが稼働しっぱなしだ。電気代が……、という気持ちはあるが、ちょっと止めてもすぐに暑くなって、結局ほとんどつけっぱなしになってしまう。

 テレワーク中も暑いが、たまの出社も大変だ。外を歩くときもとにかく日かげを探して歩く。炎天下では日かげに入るだけでもかなり体感温度は下がる。そして思った。エアコンの室外機を日かげにするのは、省エネ的に結構有効なんじゃないか……と。

 ということで、エアコン室外機の日よけを探してみた。が、探してみるとこれまたいろいろな種類がある。なので、よさそうな3種類を買って比べてみることにした。我が家もエアコンは何台もあるので、複数持っていても無駄にはならない。

 室外機全体をカバーするようなタイプもあったが、それだと見た目はよいが排熱が妨げられたり、熱がこもったりしそうな気がしたので、上側だけを覆うタイプからセレクトした。

 まず目を付けたのが、Amazonの「エアコン 室外機カバー」カテゴリーでベストセラー(製品購入時)になっていた、山善のアルミエアコンガード ひさし付きワイドタイプ「YMAG-9960HW」だ。幅99cm、奥行きも60cmとかなり大きく、前面はひさしとして斜めに下がっていて、ちょうどコンデンサーの部分を日かげにできるように工夫された製品だ。また、取り付けたときに室外機の天面と少しすき間ができる構造になっていて、熱をこもらせないというのも良さそうに感じた。ただし気になることもあって、装着がマグネットということ。脱着が簡単な半面、風が強いと飛んでいきそうではある。

山善のアルミエアコンガード ひさし付きワイドタイプ「YMAG-9960HW」。製品パッケージには「瞬間設置 エアコンガード ワイド ひさし付き」と書いてあった
表面はアルミ蒸着の銀色、裏面は白、シルバーの部分が強力マグネット

 2つ目は、ワイズ エアコン室外機の日よけパネル「SX-010」。アルミ蒸着したポリエチレンというのは山善の製品と同じだが、サイズは幅80cm、奥行きも48.5cmと小さめ。といっても奥行きは長めなので、ひさしのようになってコンデンサー部分を日かげにはできそうだ。こちらはベルト固定なので、風で飛ばされることはなさそう。ただし、室外機天面とのすき間はないので、天面の熱はため込んでしまいそうではある。

ワイズ エアコン室外機の日よけパネル「SX-010」
表面はアルミ蒸着、裏面はグレー。ベルトが付属し、最大外周210cmの室外機に対応

 3つ目は、DAIM エアコン室外機カバー バンドテープ付き。前出の2製品がアルミ蒸着したポリエチレンだったのに対して、こちらはオーニングのような日よけのシェードが使われる。パイプのフレームをベルトで室外機に固定し、そのフレームに日よけのシェードを装着する形だ。本体サイズは幅102cm、奥行き62cmで高さ22cmとのことだが、シェード自体は山善より少しだけ小さいぐらいのサイズだった。日よけのシェードは部分的にメッシュ状になっているので、前出の2製品と比べると日よけ効果は弱いかもしれないが、室外機から浮いたような状態になるので、天面などからの放熱の妨げにもならず、また風の影響も受けにくいはず。価格的には3製品中もっとも高いが、耐久性も高そうなので、コスパは悪くなさそうだ。

DAIM エアコン室外機カバー バンドテープ付き、製品は組み立てが必要
シェードは部分的にメッシュ状になっていて、表面が白、裏面が黒になっている

山善のエアコンガードとDAIMのエアコン室外機カバーがデカい!!

 ということで届いた製品を見てみよう。

 見てのとおり、3つを比べるとサイズが結構違う。山善のエアコンガードとDAIMのエアコン室外機カバーはほぼ同じぐらいでかなり大きい。それと比べるとワイズの日よけパネルが小さく見える。また、DAIMはバラバラの状態で届くので組み立てが必要だ。といっても工具を使う必要もなく、説明書を見ながら組み立てれば問題なく完成すると思う。

大きさを比較。山善とDAIMはほぼ同等なのに対してワイズは小さめ

 冬になったら室外機カバーは外した方がよいが、外したときに一番コンパクトになるという意味では、分解すれば小さくなるDAIMのエアコン室外機カバーはメリットがある。と言っても山善とワイズは軽くて薄いので、押し入れの棚の上の方に放り込んでおけるだろう。

 ただ、口コミを見ていると、山善のエアコンガードやワイズの日よけパネルは、アルミ蒸着の部分からダメになってしまうようで、日の当たり具合や雨風の当たり具合にもよるだろうが、寿命は1~2シーズン程度と思っておいたほうが良さそうだ。その点DAIMエアコン室外機カバーはそう簡単には破れそうではない。メッシュ状になっている分、適度に風が抜けてくれて、強風にも強そうだ。口コミには3年目でも問題ないという声もあって、耐久性に期待ができそう。

斜めからの陽をどれだけカバーできるか?

 ということで取り付け。言わずもがなマグネットで取り付ける山善のエアコンガードが一番簡単だ。ただし説明書によると、本体に空いた穴を使って、ひもなどで室外機などに固定するように指示がある。これは風などでマグネットが外れても飛んでいかないようにするためのバックアップだ。ただし、ひもは付属しないので、自分で用意する必要がある。

 装着してみると、やはり奥行き、幅ともに大きく、室外機のほぼ全体を日かげにすることができた。装着もマグネットによる固定なので、「もう少し右側に寄せたい」といった調整が簡単にできる。仕事部屋のエアコンの室外機は家の西側の外壁に沿って置いてあるので、向かって右側(南側)にオフセットさせる形で取り付けた。

 ただし、左右方向の調整幅は広かったものの、前後方向については調整の幅は狭い。というのも、前後方向にずらすと、4つあるマグネットのうち2つが天面から外れてしまうのだ。マグネット4つが室外機の天板に付く位置というと、前後方向はあまり調整の余地がない。

幅99cm、奥行きも60cmと巨大な山善のエアコンガード。上から見ると室外機がほぼ隠れてしまう
できるだけ南(写真右側)に寄せるように装着することで、室外機のほとんどが日かげになる
マグネット装着なので左右の調整が簡単
ただし前後方向はあまり調整の幅がない
前に出そうとするとマグネットがはみ出してしまう

 なお、マグネットの付く脚の厚さ分(約5mm)だけ、室外機の天面と日よけの間にすき間ができる……のだが、これはちょっと残念で、日よけの素材自体がそれほど硬いものではないので、自重でたわんでしまってすき間はほんのわずかとなってしまう。

マグネット部は5mmほど高さが設けられてすき間を作る設計
ただし、実際にはめくりあげるとすき間が見える、という感じ

 また、その大きさが魅力でもあるが、同時に周囲のものとの干渉することもある。筆者宅の場合、ちょうど仕事部屋の窓を開くと干渉してしまう。少し前にずらして取り付けできればよかったのだが、それができないのは先に説明したとおり。ただ、素材はカッターなどで簡単に切れるような柔らかいものなので、干渉する場所だけカットして使うのがよいだろう。

 それと、やっぱりマグネットだけだと、強風の日には簡単に外れそうだ。口コミを読んでいても強風で飛んでいったという声はあって、ワイズの日よけパネルのように穴開けしてベルトで固定するようにしたほうが無難だとは思う。

あくまで我が家の場合だが、縦すべり出し窓に干渉してしまう
ということでカット。素材はとてもやわらかくてカッターでサクサク切ることができる
何度か調整しつつ完成。これで窓も問題なく開けることができる
風で飛んでいかないようにひもが結べる穴がある。ただしひもは付属しない

 続いてそのワイズの日よけパネル。山善と比べるとサイズは小さく、多少前側にひさし状に伸びるものの、横幅方向には余裕がない。そのため、南向きの室外機ならよいが、今回のような西向きや、あるいは東向きの室外機だと、横から光りが入ってしまって、ちょっと残念な感じがある。

 ただし、サイズが小さい分、ベランダなど狭いスペースに室外機を置いている場合には、邪魔にならなくてよいかもしれない。

 取り付けは2本のベルトでもちろん付属する。ベルトを室外機にぐるっと巻く必要があるので、炎天下の中での取り付け作業はそれなりに大変だったが、よほどの暴風での無い限り飛んでいってしまうことはなさそうだ。

ワイズの日よけパネル。前方向にはゆとりがあるが、横幅方向はほぼ室外機と同じ寸法
ちょうどお昼どきに曇ってしまったため撮影したのは14時ぐらい。日が傾くと室外機が日に当たってしまう
正面から撮影。幅はほぼ室外機と同様のため左右に調整する余地はない。ただしベルト固定で取り付けはしっかりできる

 最後はDAIMのエアコン室外機カバー。こちらは組み立てが必要なので時間はかかる。と言っても30分もあればできあがると思う。室外機への取り付けでは、ベース部分の位置の調整などが必要で、ベルトも2本を室外機に巻き付けるので、炎天下での作業だとあっという間に汗だらけになる。ただ、それだけにしっかりと取り付けできて、強風にも強そうだ。

 サイズ感は山善と同じ程度だったが、少し上に浮いた形で付くので、結果的に日かげになる範囲は少しだけ狭くなる。また、シェードがメッシュ状になっているので、結構光が漏れる。ただし、オーニングなどでもメッシュタイプのほうが風が抜けて涼しい場合もあるし、風が強い日にもばたつきが少ないというメリットもあるので、これはこれでありなのかなという感じだ。

DAIMのエアコン室外機カバー。ストライプ柄は見た目にも涼しげ
一番最後の撮影で、日が傾いているがそれでもほぼ全体が日かげになっている
前後左右方向に調整することも可能で、できるだけ右側(南側)にオフセットさせた
部分的にメッシュになっているので、完全には日かげにならないが、その分、風などには強いはず
奥にも逃げがあって縦すべり出し窓とも干渉しない

 口コミでベルトの長さが足りないというコメントがあったので、試しに我が家で一番大きい奥行き37cm、高さ69.3cmという室外機に付けてみたが、余裕はあまりないが装着することはできた。

 なお、固定用のベルトが付属しないタイプもラインアップされているのだが、口コミを見るとそちらでも脚の部分にベルトを通す穴はあるらしい。ベルトは汎用品のものでも使えるし、ひもや針金でも代用できる。少しでも価格を抑えたい人はベルトなしのタイプを選んでもよいと思う。

奥行き37cm、高さ69.3cmという大きい室外機にも装着できた
脚の部分にベルトが通る形になる

おすすめはDAIMか山善

 ということで、あくまで室外機の周辺にスペース的に余裕があるという条件付きではあるが、個人的にオススメなのはDAIMか山善だ。山善のほぼ完全に日かげにできるところが魅力。ベルト固定にするような加工はしたほうがいいと思うが、やわらかい素材なので、加工も簡単。ただし、耐久性という部分では不安は残る。

 耐久性の点ではDAIMのほうがよさそう。メッシュになっているのは、日を遮るという部分では弱みにもなるが、風を逃がしてくれるので、暴風のときにも安心感は高いし、室外機の天面に熱をためないという部分でもメリットはある。

 電気代を抑えるためのグッズにあまりお金をかけていては元も子もないが、DAIMは耐久性も期待できそうだし、特にベルト無しタイプだと価格的にも山善のひさし付きワイドより安いぐらいで入手できる。ベルトは荷締めベルトとかPPベルトで検索すれば見つけられる。エアコンを複数台使っている人なら、8mとか10mといった荷締めベルトとバックルのセットを買うのがコスト的にもオススメだ。

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