急遽テレワーク導入!の顛末記

「意外と不便なハイブリッド会議、オンラインホワイトボードを導入したら快適だった」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(152)

ブレストのアイデア出しにオンラインホワイトボード「Miro」を使ってみた

ブレスト中に出てきたアイデアを、ホワイトボード上に付箋で貼り付けていく

 新型コロナが5類になったこともあって、会社のオフィスにも徐々に人が戻ってきた。以前はオンラインで行っていたミーティングも、今後は会社の会議室で行うことが増えそうだ。

 ……この記事を書いている時点で、新型コロナが5類に移行されて40日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回はオンラインホワイトボードの「Miro」を、社内のミーティングに使ってみた。

【今回のハイライト】
Zoomにもホワイトボードがあるが……
実際にブレストに使ってみた!
さらにZoomとの連携も

7月18日(火):オンラインホワイトボードをブレストで使いたい!

 今月から新たなプロジェクトが立ち上がって、その企画ミーティングを会社の会議室で行うことに。リアルでのミーティングは久々だが、そのレジュメを作っているときに、ふと手が止まった。

 テレワーク導入に伴ってミーティングがオンライン形式になってからは、レジュメは基本的に「Google ドキュメント」で作成・共有している。ただ、最近クライアント相手に行ったブレストで、「Zoom」のホワイトボードを使ったのだが、これが同僚からも好評だったのだ。

 今回のミーティングはブレストが目的なので、ホワイトボードを使いたいところ。ただ、メンバーの1人が自宅から参加するため、会議室のホワイトボードを使ってしまうと、それを「Zoom」で共有するのが難しい。

Zoomのミーティングでレジュメをホワイトボードに貼り付けると、参加者が情報を追記したり、付箋でコメントを入れたりすることができる

 やはり、今回も「Zoom」のホワイトボードを使うべきだろうか? そういえば、Zoomがホワイトボード機能を本格的に導入したのは、昨年の4月のことだったが、ほかにもオンラインホワイトボードでは専用のサービスがいくつか存在している。

 オンラインホワイトボードは、今後も社内のミーティングで積極的に使っていきたいところ。その導入を加速させるためにも、今回のような社内ブレストでは、なるべく同僚に好印象になるようなサービスを使っておきたい。

7月19日(水):編集部から「Miro」というサービスを紹介してもらった

 オンラインホワイトボードのことをインプレスの編集者さんと話していたところ、「Miro」というサービスを紹介してもらった。この手のサービスの中では定評があるようで、実際にその編集者さんも使っているという。

 さっそく、サービスでアカウントを作成。新規のホワイトボードを表示したところ、Zoomのホワイトボードと同じように、初めての利用でも直感的に操作できそうなデザインになっていた。写真やパワポなどの資料をドラッグ&ドロップすると、ボード上に貼り付けることも可能。Google Chromeの拡張機能を利用すれば、Webページのキャプチャも簡単に取り込めるので、ブレストが今までよりはかどるかもしれない。

Google Chromeの拡張機能「Miro Web Clipper」を利用すると、アイコンをクリックするだけで……
Webページのキャプチャ画像を、ホワイトボードに貼り付けられる

 ということで、企画ミーティングのレジュメを、「Miro」を使って作成してみた。明日はこれを見ながら、ミーティングを行うことにしよう。

7月20日(木):ホワイトボードはリアルよりオンラインの方がいい?

 今日はいよいよ企画ミーティングを行うことになったが、その前に「Miro」で作ったレジュメを見せたところ参加者の反応もよく、全員にアカウントを作ってもらうことができた。当初は自分のPCから会議室のモニターにレジュメを映しつつ、ブラウザーの画面をZoomで共有。随時このPCからコメントなどを書きこむことを想定していたが……。これなら、ホワイトボードに参加者各自が書き込むことで、「Miro」の本領をフルに発揮できそうだ。

 ということで、さっそく参加者には発表してもらう企画のベースラインを、レジュメの下に書き込んでもらった。この状態でブレストを行ったところ、参加者からどんどん意見が出てきたので、それを付箋でペタペタと貼ってみたのが以下の状態だ。

企画のベースラインをテキストとして貼り付け。そこに参加者の意見を付箋で足していくと……
マインドマップのようにアイデアをまとめることができた。次回ミーティングまでの宿題については、色分けした付箋に記載している

 コロナ前は会議室にあるリアルなホワイトボードをブレストに使っていたが、参加者に話を聞いてみると、「ホワイトボードはオンラインの方が、手書きより読みやすいし、矢印や付箋をパッと出せるのも便利」とのこと。

 ほかにも……

  • Googleドキュメントだと文章が縦に流れるだけだけど、これなら話が脱線しても、その情報を横に分岐させて書きこめるのがいい
  • 参考にしたい資料や記事を、横に貼り付けられるのが便利
  • 物理的なホワイトボードだと写真に残すぐらいしかできないが、これならオンラインに情報が残るので助かる

 といったように、参加者からはかなり好評だった。ちなみに、今回はオーソドックスなブレストだったので付箋を使ったが、指定の場所にメンション付きのコメントを残すことも可能。さまざまなテンプレートが用意されているので、PDCAサイクルを回したり、リサーチ結果をグラフィカルに整理するのにも便利そうだ。

7月21日(金):「Miro」とZoomを連携させてみた

 昨日行った企画ミーティングについて、次回はオンラインから参加することになった。ということで、今度はブラウザーで「Miro」を開きつつ、「Zoom」のビデオ会議に参加……すればよいと思っていたのだが。どうやら、Zoomと連携させることで、ビデオ会議の画面上に「Miro」のホワイトボードを表示できるらしい。

「Miro」の画面上のメニューから「More apps」アイコンをクリックし、「Get more apps」をクリックする
「All apps」画面で検索ボックスに「Zoom」などと入力。「Miro for Zoom」アプリを選択し、次の画面で「Connect」アイコンをクリックする
ブラウザーでZoomの公式サイトが表示されるので、サインインしてアプリ連携を許可する
Zoomが起動して、「アプリ」画面が表示されるので、「or sign-in」をクリック。こちらでもアプリ連携を行う
あとは、Zoomでのビデオ会議中に「アプリ」→「Miro」と操作すると……
Zoomのウィンドウ内にMiroのホワイトボードが表示された

 アプリ間連携を行うと、Zoomのビデオ会議の画面内に、「Miro」のホワイトボードが表示された。ただ、これはほかの参加者に見えているのではなく、あくまで自身のPCの画面上に「Miro」のページを表示しているだけらしい。ほかの参加者もホワイトボードを見るには、同じようにZoomで操作を行うか、別途ブラウザーで「Miro」のページを表示する必要があるようだ。

 ちなみに、後で料金プランについて調べていたところ、「Miro」の無料プランでは、最大3つのホワイトボードまでしか編集できなかった。これは、Zoomの「Zoom Whiteboard」も同様で、「Zoom」本体の契約とは別に、有料サービスへの登録が必要となる。

 まぁ、プロジェクトが終わったら、もう内容を書き換えることもないと思うが……。もう少し実際に使ってみて気に入ったら、会社に有料プランへの契約を申請してみたい。

とある中小企業に勤める会社員、飛田氏による体当たりレポート「急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記」。バックナンバーもぜひお楽しみください。

飛田九十九