急遽テレワーク導入!の顛末記
「100円ショップの乾電池でiPhoneをどこまで充電できるかテストしてみた!」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(157)
防災グッズに入れてた単3電池仕様の充電器、モバイルバッテリーと比べてどうか?
2023年9月11日 07:00
先日はモバイルバッテリーを使い、iPhoneの充電時における電力消費量をテストすることに。その結果として、USB給電では最大50%程度の電力量をロスしていることが分かった。
……この記事を書いている時点で、新型コロナが5類に移行されて117日が過ぎた。
私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で今回は乾電池式の充電器を使うと、iPhoneをどのぐらいまで充電できるかテストしてみた。
9月1日(金): 防災グッズの中にテレワーク向きなガジェットを発見!
今日は防災の日ということで、備蓄品や防災グッズを点検することに。その中から、“単3電池仕様のUSB充電器”が出てきたのだが、「これはテレワークに使えるかも?」と思いついた。
というのも、先日は大容量のモバイルバッテリーを購入したのだが、重量があるので普段使いには利用しづらい。そこで、スマホ充電用にはより軽量なモバイルバッテリーを持ち歩いているのだが、たまに充電をし忘れて使えなくなっていることもあった。
しかし、この充電器なら、電池を抜いた重さはわずか数十グラム。外出先でスマホのバッテリーが切れそうになったら、100円ショップやコンビニで電池を購入し、スマホに繋げばいい。
ただ、ここで気になるのが、乾電池4本でスマホをちゃんと充電できるのか? ということ。今のスマホは内蔵バッテリーが大容量化しているので、一度充電テストをしておきたい。
9月4日(月):100円ショップのアルカリ乾電池でiPhoneを充電してみた
週末の間にスマホのバッテリーを使い切っておいたので、さっそく充電器のテストを行いたい。今回は100円ショップで国内メーカーのアルカリ乾電池を4本購入。これを使って手持ちのiPhone 14(バッテリー容量は3279mAh)を充電したところ、以下のような結果となった。
- 1時間後:21%
- 2時間後:34%
- 3時間後:39%
- 4時間後:41%
- 5時間後:41%
- 6時間後:39%
※充電開始から1時間ごとにiPhoneの電源を入れ、バッテリー残量を確認
充電できたのは4時間ほどで41%。試しに充電後のアルカリ乾電池を取り外して、別の機器でも使ってみたところ、電力はほぼ使い切った状態だったようだ。
ただ、アルカリ乾電池はモバイルバッテリーとは違い、mAhのような容量の表記が行われていない。これは、パナソニックのホームページなどによると、「アルカリ乾電池は使用する機器の消費電流によって、取り出せる電池容量が変化する」ためのようだ。
となると、ここで気になるのが、「iPhoneの充電に使用した場合、アルカリ乾電池4本は、定格容量何mAhのモバイルバッテリーに相当するのか?」ということ。自宅にいくつかあるモバイルバッテリーとアルカリ乾電池では、どのぐらい性能に差があるのかは把握しておきたい。
9月6日(水):エネループ×4本ならiPhoneをフル充電できる?
モバイルバッテリーとの比較用ということで、買ったばかりの容量2000mAh(1.2V)のニッケル水素電池「エネループ(eneloop)」を使ってテストしてみた。これで、同じようにiPhoneを充電すれば、スマホの充電時における100円ショップのアルカリ乾電池の容量も見えてくるだろう。
ということで、満充電したエネループを使ってiPhoneを充電してみたところ、以下のような結果となった。
- 1時間後:27%
- 2時間後:51%
- 3時間後:51%
- 4時間後:52%
- 5時間後:52%
アルカリ乾電池を使った時とは違い、2時間でほぼ全ての電力をiPhoneに移すことができ、最終的には52%になるまで充電できた。一方、アルカリ乾電池は41%の充電が可能だったので、比率としては100円ショップのアルカリ乾電池はエネループの約79%相当の容量ということになりそうだ。
ただ、ここで注意が必要なのは、一般にモバイルバッテリーの定格容量(mAh)は、リチウムイオン電池の電圧(約3.63V)における表記となっていること。一方でエネループはニッケル水素電池で1.2Vなので、モバイルバッテリーと比較をするなら、エネループの定格容量(mAh)を一度電力量(mWh)に置き換えて、約3.63V換算で算出しなおす必要がある。
電力量は「mWh=mAh×V」という計算式で算出できるので、エネループ1本(2000mAh/1.2V)の電力量は2400mWh。これを、モバイルバッテリーと同じ3.63Vとして計算しなおすと約661mAh(3.63V換算)ということになる。一方、アルカリ乾電池の容量はエネループの約79%なので、約522mAh(3.63V換算)になる。4本だと2088mAh(3.63V換算)という計算だ。
- エネループ:約661mAh(3.63V換算)
- アルカリ乾電池:約522mAh(3.63V換算)
以上の計算から、あくまで筆者の手持ちの充電器を使った状態においてだが、100円ショップのアルカリ乾電池×4本はスマホの充電において、定格容量2088mAh(3.63V)程度のモバイルバッテリーに相当することが分かった。
一言でアルカリ乾電池といっても、アルカリ乾電池として世界一長持ちを謳うパナソニックの「エボルタNEO」などと、今回テストした100円ショップのアルカリ電池では容量は異なると思うが、あくまで今回テストした100円ショップの単3型アルカリ電池4本では最近のスマホをフル充電するだけの容量はないらしい。
テレワークが始まってからは、会社と自宅を行き来しながら仕事をしているが、移動中にもスマホで電話やメールのやり取りを行っている。その途中でバッテリーが無くなっても、乾電池式の充電器があれば、しばらく通話やネットを使う分の電力は確保できそうだ。
こういうピンチに備えて、筆者は小型軽量なモバイルバッテリーを持ち歩いてはいるが、あくまで保険なので使うことは滅多にない。その割に意外と重かったりするので、保険の役目は乾電池式の充電器に任せてみるのもアリだろう。