急遽テレワーク導入!の顛末記

「iPhoneとWindowsの連携機能はかなり便利!! 着信もSMSもPCから対応できるようにしてみた」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(176)

電話やメッセージ送信、保存データの確認が、スマホを手に取らなくても可能に!

電話もSMSも全てPCで対応。保存データにもリモートアクセス

 先日はWindows 11の標準機能を使って、iPhoneの通知をPCの画面上で確認できるようにした。その結果、仕事中にiPhoneを見る機会が減り、より作業に集中できるようになった気がする。

 ……この記事を書いている時点で、新型コロナが5類に移行されて291日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で今回は仕事中にスマホに気を取られずに済むように、PCとiPhoneをさらに連携させて使ってみた。

【今回のハイライト】
かかってきた電話にPCで対応
電話帳はクラウドで共有
写真はストレージに自動バックアップ

2月19日(月):スマホにかかってきた電話にPCで対応!

 テレワークが始まってからは、進捗管理や情報共有に「Trello」などのクラウドサービスを使うようになったが、その確認をスマホで行うことがある。このときに画面上にSNSの通知などがあると、つい気を取られてしまいがちだ。

 先日は「スマートフォン連携」というWindows 11の標準機能を使って、スマホの通知をPCの画面上で確認するようにしたが、この間はiPhoneを手に取る回数が減った気がする。このまま、PCとスマホの連携を進めていけば、仕事中にiPhoneを手元から遠ざけられるかもしれない。

 そこで利用したいのが、「スマートフォン連携」機能の「通話」画面だ。この画面ではスマホの通話履歴を表示。そこから返信操作を行うか、電話番号を入力することで、PCから電話を掛けることができる。この通話ではPCのマイクとスピーカーを使用。さらに、掛かってきた電話を取ることもできるので、スマホを手に取らなくても、PCだけで電話の発信/応対することが可能だ。

 さらに、画面表示を「メッセージ」に切り替えることで、iPhoneに届いたSMS/MMSも確認および返信できるようになった。これで、電話やメッセージの送受信のために、スマホを手に取る必要はなくなりそうだ。

iPhoneの着信履歴を、「スマートフォン連携」の画面で確認できるように!
iPhoneに着信があった場合には、PCで電話を取って話すこともできる
iPhoneに届いたSMS/MMSを確認して、メッセージを返信することも可能

 なお、この日は1日PCで電話対応をしていたのだが、突然通話ができなくなることがあった。ただ、iPhoneを再起動したら治ったので、下のようなエラーが出た時は、慌てずに対応したい。

突然電話が勝手にワン切りされるように……。メッセージ通りにiPhoneから電話をかけてもダメで、iPhoneを再起動したらもとに戻った

2月20日(火):スマホを手に取らずに、電話番号を確認したい

 「スマートフォン連携」機能のおかげで、スマホがなくても電話やメッセージのやり取りができるようになった……と思ったのだが、昨日1日使ったところで、いくつか不便なところが見つかった。それが、電話をかける際にスマホに登録した連絡先(電話帳)が使えないこと。そして、昨日のPCの起動前に受信していたメッセージが表示されないことだ。

 とはいえ、電話の連絡先については、iCloudやGoogleの「連絡先」と同期していれば、スマホに登録されているナンバーをPCのブラウザー上で確認できる。それを見ながらダイヤルすれば、スマホを手に取る必要はないだろう。

iCloudに連絡先をバックアップしていれば、それをiCloudの公式サイトで確認できる

 ただ、メッセージについては、過去に受信したものをPC画面に表示するのは難しそうだ。試しにiCloudにバックアップしてみたのだが、それをブラウザー上で確認することは不可能。「AnyTrans」のようなバックアップツールを使えば、過去のメッセージも表示できるが……。いちいちPCに有線接続して、バックアップ作業を行うのは現実的ではない気がする。Windows起動時に「スマートフォン連携」機能を自動起動するように設定しておけば、その後に受信したメッセージは表示されるので、どうしても過去のメッセージを確認したいときは、素直にiPhoneで見るのがよさそうだ。

バックアップツールで過去のメッセージを確認できるが、そのたびにバックアップ作業が必要になる……

2月21日(水):iCloud経由で仕事の情報をチェック

 昨日は連絡先の確認用に利用した「iCloud」だが、この公式サイトではほかにも「メール」や「カレンダー」、「リマインダー」、「写真」、「メモ」など、iPhone公式アプリのデータを確認できる。仕事の予定を公式アプリで管理している場合には、ブラウザー上から「iCloud」のデータにアクセスすれば、より一層スマホレスに仕事ができるようになるだろう。

 ただ、ブラウザーから確認できるのは、「iCloud」にログインしたアカウントのiCloudメール(ドメインがicloud.comのもの)や予定だけで、iPhoneに追加登録したアカウントのデータは確認できない。さらに、「メモ」についても、「iCloud」のフォルダ内に作成したメモしか確認できないので注意が必要だ。

iCloudの公式サイトでは、「メール」や「カレンダー」、「リマインダー」などのデータも確認可能

2月22日(木):資料用に撮影した写真はオンラインストレージへ

 「iCloud」は無料版だと5GBまでの容量制限がある。そのため、「写真」アプリの撮影データを全てアップロードしようとすると、ストレージの容量があふれてしまいがちだ。

 このため、筆者はiPhoneで撮影した写真は、「iCloud」ではなく、別のオンラインストレージにバックアップするように設定している。「Dropbox」や「OneDrive」、「Googleフォト」、「TeraBox」といったオンラインストレージの公式アプリでは、撮影した写真を自動でアップロードする機能が用意されているので、iPhoneに保存された写真の容量に応じて利用するサービスを選ぶとよいだろう。こうしたサービスでアップロードした写真は、PCのブラウザーで表示したり、ダウンロードすることが可能だ。

オンラインストレージのアプリの中には、撮影した写真をストレージに自動バックアップしてくれるものも

 スマホとの連携を強化することで、PCで電話やメッセージを送受信したり、スマホに保存されたデータを閲覧できるようになった。仕事中にスマホを手に取る回数を減らすことで、前よりも仕事に集中することができそうだ。

とある中小企業に勤める会社員、飛田氏による体当たりレポート「急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記」。バックナンバーもぜひお楽しみください。

飛田九十九