急遽テレワーク導入!の顛末記

「Trello・スプレッドシート・Confluence・Notion……、連携させるならどのツール?」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(170)

カンバンボード&進捗チャート間での移動の手間を減らしてみた

ツール間を移動しながらの操作が手間なので簡略化してみた

 先日は「Trello」と「Chatwork」を連携させて、両サービスの通知を1画面で確認できるようにした。ただ、今動いているプロジェクトでは、「Trello」でマイルストーンごとの進捗をチェックする一方、各タスクのスケジュール管理にスプレッドシートのチャートを使っているため、進捗の管理・確認を2つの画面で行っている。

 ……この記事を書いている時点で、新型コロナが5類に移行されて228日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で今回はスケジュール管理についても、なるべく画面移動をせずに作業できるように工夫してみた。

【今回のハイライト】
ボードとガントチャートは1画面表示できるが……
通知が届かない問題を自動化で解決
「Notion」を使うのもアリか?

12月18日(月):カンバンボードと進捗チャートを1か所に表示したい

 先日から業務に関わっているプロジェクトで、進行管理にかなり時間を取られている。このプロジェクトでは各タスクについて、「リサーチ中」や「アポイント中」といったマイルストーンごとの進捗を「Trello」でチェック。さらに、各マイルストーンの期限をスプレッドシートのチャート(スケジュール表)で管理しているのだが……。このチャートが頻繁に更新されるため、プロジェクトの進行を管理するには、毎日のように2つの画面を行き来しながら進捗をチェックしなくてはいけない。

 「Trello」では拡張機能を使うことで、作成したカードを元にガントチャートを作成。それをカンバンボードと同時に1画面で表示することができる。ただ、このプロジェクトでは各タスクの下にサブタスクがあるため、ガントチャートが上手くハマらなかった。――試しにサブタスクについてもカードを作ってみたのだが、それではカードの量が膨大になってしまい、かえって管理が難しくなってしまう。

 そもそも、この案件ではクライアントと共有するために、すでにスプレッドシート上でチャートが動いており、別途ツールを新たに導入するのも難しい。この状態からでも、何とか管理の手間を減らす方法はないものだろうか?

タスクがシンプルな案件であれば、ガントチャートとカンバンボードを1画面に表示させて、進捗管理ができるのだが……
サブタスクの進捗まで管理するような案件では、チャートをカスタマイズして使いたい

12月19日(火):「Trello」の開発元が提供している「Confluence」を試してみた

 「Trello」とスプレッドシートを同時に画面表示する方法として、情報共有ツールの「Confluence」を試してみることにした。これは、「Trello」の開発元であるアトラシアンが提供しているクラウドサービスで、テキストや画像といったさまざまな情報をWikiやEvernoteの感覚で、ページごとに貼り付けて管理することが可能。主に社内Wikiやプロジェクトの情報共有などに利用されている。

 ここでポイントになるのが、「Confluence」のページには、「Trello」のカンバンボードが同期した状態で埋め込めるということ。さらに、Googleで作成した各種ドキュメントも埋め込めるので、1つの画面で「Trello」とスプレッドシートを同時に表示できるのだ。

「Trello」との連携用の拡張機能を追加して……
ボードのURLをコピペするとアイコンに変化するので、これをクリックして「埋め込み」を選択
ページに「Trello」のカンバンボードが、そのまま埋め込まれた!
さらに、スプレッドシートのURLもコピペして、先ほどと同じメニューから「埋め込み」を選択すると……
スプレッドシートと「Trello」のカンバンボードを並べて表示できた!

 この日はそのまま画面を開いて作業をしてみたが、どちらの埋め込みデータも最新の状態に更新できるので、「スプレッドシートの更新内容を、Trelloにフィードバックする」といった操作をスムーズに行うことができた。ただ、困ったことに「Trello」で何か通知があっても、それを埋め込みデータに表示してくれない。そのため、“ほかの作業者がカードを移動した”といった情報を確認するには、結局ブラウザーで「Trello」の画面を開いたり、通知メールをチェックする必要があった。

 さらに、無料プランだと公開範囲が指定できないので、ログインしているユーザー全てに見られてしまうのも問題だろう。もちろん、プロジェクトで利用するなら有料プランに契約してもよいのだが、果たしてこのまま使い続けても良いものだろうか?

12月20日(水):自動化ツールで「Trello」の通知を、「Confluence」に送ってみた

 先日は自動化ツールの「Zapier」を使って、「Trello」の通知を「Chatwork」に転送してみたが、同じ方法で「Confluence」にも通知が送れないか試してみた。

 なお、今回は「Trello」側での「新着通知」をトリガーに設定することにした。前回は「リストへのカード移動」をトリガーにしていたため、リストの数だけZap(設定)が必要だったが、これなら設定を1つ行うだけで済む。

 そして、「Confluence」側のイベントについては、「Create Page or Blog Post」が用意されていたので、これを選択。そのイベント内容として、「ブログ」というページに新規の投稿を行い、そこに通知の内容を記載するように設定してみたところ、無事に設計通りの動作が行われた。

「Trello」側のトリガーには「New Notification」(新着通知)を選択
「Confluence」側のイベントに「Create Page or Blog Post」を選択して、投稿内容を指定すると……
「Trello」で通知があった際に、その内容が「Confluence」のブログページに投稿されるようになった

 ただ、引き続きZapのテストを行っていたところ、2回目以降の通知については、ブログページに投稿が行われなくなってしまった。そこで、Zapの動作履歴を調べてみたところ、どうやら「Confluence」のブログページには、同じタイトルの投稿は行えないらしい。

 先ほどの設定ではタイトルが「New Trello Notification」で固定されていたので、これを「Trello」から引用している「Date」の値に変更。設定を保存して、再びカードを移動させたところ、2回目以降の通知も無事に行われるようになった。

 とはいえ、「Confluence」上ではブログに新規投稿があっても、それを通知などでリマインドしてくれる機能がないので、結局は定期的に同ページをチェックする必要があるだろう。試しに、「Zapier」での投稿内容に「@ユーザー名」を追記してみたが、それがメンションとみなされなかったようで通知は届かなかった。

2回目以降の動作でエラーが発生。どうやら、このスペースには同じタイトルの投稿ができないらしい
「Zapier」の設定画面に戻り、タイトルに「Date」を設定すると……
2回目以降の通知についても、連動して投稿が行われるようになった!
投稿の中身を開くと、移動したカードの名前や移動先のリスト名、操作を行ったアカウント名などが確認できる

12月21日(木):「Notion」でカンバンボードとスプレッドシートを管理するのもアリ?

 あれから「Confluence」以外で「Trello」のカンバンボードと連携できるサービスが無いだろうか? と探していたのだが、よく似た情報管理ツールの「Notion」が使えそうだ。

 「Notion」では「Trello」のボードを、同ツールが用意しているタスク管理機能へとインポートすることが可能。このタスク管理機能はカンバンボードのレイアウトを再現しており、「Trello」のボードをそのまま再現できる。さらに、他の作業者がカードを更新した際に、それをアイコンで表示してくれた。

 ただ、通知については「コメント時」にしか行われないようで、カードを移動しただけでは届かなかった。そのため、カードの移動については、定期的に目視で確認する必要がありそうだ。

インポート機能を使って、「Trello」のボードをインポートすると……
「Notion」の「タスク管理」機能にボードの状況が再現された!
他のユーザーがカードを操作すると、それをカード横のアイコンで確認できる
通知はコメントに関するものだけで、他のユーザーがカード情報を書き換えたり、移動した際には行われない
他のページで埋め込み元に「Google Drive」を指定すると……
「Google Drive」に保存されたスプレッドシートを、ページに埋め込むことができた

 その後、別のページを作成することで、スプレッドシートのデータを埋め込むことができた。「Confluence」のようにボードとスプレッドシートを1つのページに同時に表示することはできなかったが、ブラウザー上でタブ移動をしないだけでも操作はかなり楽になる。このまま「Trello」から乗り換えるのもアリかもしれない。

 「Confluence」と「Notion」を比較すると、「Confluence」が複数ユーザーでの情報共有を想定しているのに対し、「Notion」は個人での情報収集も視野に入れた作りになっているようだ。どちらのサービスを選ぶか悩んだ時には、同時に利用するユーザー数が1つの基準になるかもしれない。

とある中小企業に勤める会社員、飛田氏による体当たりレポート「急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記」。バックナンバーもぜひお楽しみください。

飛田九十九