vProの匠
【匠の部屋】「第12世代Core」でvProはどう変わった? 最新PCにおけるAMTの設定/MEBxの入り方
Lenovo Thinkpad X1 Carbon Gen 10、DELL Latitude 5430、dynabook RJ74/KU、富士通 LIFEBOOK U9312/Jの4モデルで検証
- 提供:
- インテル株式会社
2022年8月16日 06:00
テレワークの普及とともに、注目を集めている「インテル vPro プラットフォーム」。システム管理者がクライアントPCを遠隔管理するために利用しているが、そのためにはAMTのプロビジョニング(初期設定)が必要になる(関連記事参照)。
読者からも質問があったが、最新モデルとなる第12世代インテル Core プロセッサー(いわゆるAlder Lake世代)を搭載したクライアントPCでは、プロビジョニングの手順が従来とは異なるモデルもある。そこで、今回は編集部で入手できた同CPUを搭載したクライアントPCについて、プロビジョニングの手順を確認してみた。
なお、本連載では「匠に聞いてみたい」質問を随時募集中。vProに関する疑問・質問などがあれば、記事末尾のフォームからぜひ投稿してほしい。また、既に投稿いただいた質問は、順次回答していくので、お待ちいただければ幸いだ。
【追記】今期のvPro導入困りごとアンケートの受け付けは終了しました。
Lenovo Thinkpad X1 Carbon Gen 10インテル MEBxの各種メニューがBIOSと一体化!
まずは、第12世代インテル Core プロセッサー搭載のLenovo Thinkpad X1 Carbon Gen 10について検証したところ、インテル MEBx(ME BIOS Extension)の起動手順について、前回の検証と変化はなかった。
ただ、以前に検証したLenovo Thinkpad T14 Gen2ではBIOSで「インテル アクティブ・マネジメント・テクノロジー(Intel AMT)」に関する設定を有効にする必要があったが、Lenovo Thinkpad X1 Carbon Gen 10では、この設定が初期状態で「Enabled」になっていた点が異なる。このため、初期設定のままでも、インテル MEBxにアクセスできた。
また、Lenovo Thinkpad X1 Carbon Gen 10では、インテル MEBxの各種メニューがBIOSの設定画面とデザインで統一されていた。以前よりも文字の視認性が向上しているので、スムーズに操作が行えそうだ。
第12世代Core搭載のLenovo Thinkpad X1 Carbon Gen 10におけるインテル MEBxの起動手順
- PCの電源を入れる
- 「Lenovo」のロゴが表示されたら「Enter」キーを押す。
- 「Startup Interrupt Menu」が表示されたら、「Ctrl」キーと「P」キーを同時に押す。
- インテル MEBxが起動する。初回の場合はパスワードの設定からだ。初期パスワードは「admin」。新規のパスワードを設定すればログインできる。
なお、同じ第12世代インテル Core プロセッサーを搭載したLenovoであっても、前回紹介したデスクトップPCのThinkCentre M80q Tiny Gen 3では仕様が異なっており、インテル MEBxの起動は「Ctrl」+「P」ではなく、UEFI設定画面から行う。詳しくは前回の記事で紹介しているので参照いただきたい。
DELL Latitude 5430Intel AMTの設定にBIOSのパスワード設定が必要
第12世代インテル Core プロセッサー搭載のDELL Latitude 5430では、Intel AMTを有効にする際に、BIOSのアドミニストレーターパスワードの設定が必要となった。さらに、インテル MEBxを起動する際には、毎回このパスワードの入力が求められる。
BIOSのアドミニストレーターパスワードを設定しないと、スタートアップメニューにインテル MEBxを起動するための項目自体が表示されないので、プロビジョニングの第一歩はこの操作から始めることになるだろう。なお、それ以外の操作手順については、以前に検証したDELL Latitude 5320と大きな違いはなかった。
第12世代Core搭載のDELL Latitude 5430におけるインテル MEBxの起動手順
- PCの電源を入れる。
- 「DELL」のロゴが表示されたら「F2」キーを入力する。
- BIOSの画面が表示されたら、左のメニューから「Passwords」を選択。
- 「Enter the new password」に新しいパスワードを入力。
- 「Confirm Password」に同じパスワードを入力。
- 「Password Vaild」画面で「Yes」を選択する。
- 左のメニューから「System Management」を選択。
- 「Enable Intel AMT Capability」で「Enabled」を選択。
- 「APPLY CHANGES」を選択。
- 「Apply Settings Confirmation」画面で「OK」を選択。
- 「EXIT」を選択してBIOSを終了する。
- 「DELL」のロゴが表示されたら「F12」キーを入力する。
- 「One-Time Boot Settings」画面が表示されたら、「Windows Boot Manager」にある「IntelR MANAGEMENT ENGINE BIOS EXTENSIONS」を選択する。
- 「Admin Unlock」画面で、先ほど登録したBIOSのアドミニストレーターパスワードを入力。
- 「OK」を選択する。
- 「One-Time Boot Settings」画面に戻ったら、「EXIT」を選択する。
dynabook RJ74/KUMEBxとBIOSが一体化! Intel AMTは初期状態で有効に
先ほど紹介したLenovo Thinkpadと同様に、第12世代インテル Core プロセッサー搭載のdynabook RJ74/KUでは、インテル MEBxの各種メニューがBIOSと一体化した。さらに、以前に検証したdynabook G83とは違い、Intel AMTに関するBIOSの設定がデフォルトで有効になっているので、BIOSを起動すれば、そのメニューからすぐにインテル MEBxへとアクセスできる。
富士通 LIFEBOOK U9312/Jプロビジョニング手順は従来と変化なし
今回、検証を行った第12世代インテル Core プロセッサー搭載のクライアントPCの中で、プロビジョニングの手順に最も変化がなかったのが富士通 LIFEBOOK U9312/Jだ。
富士通 LIFEBOOK U9312/Jは各種メニュー構造やIntel AMTに関するBIOSの設定状況などが、以前に検証したLIFEBOOK A7511/Gとほとんど同じになっている。BIOSの設定画面に若干の変更はあるものの、今回の一連の操作には関係しないので、AMTを有効にする操作から、インテル MEBxの起動までを、以前に紹介した方法と同じ手順で行うことができた。そのため、操作方法は下記の関連記事を参照いただきたい。
なお、今回検証した他のPCでは、Intel AMTがデフォルトでオンになっているモデルが多かったが、富士通 LIFEBOOK U9312/Jでは、その点も従来機種と同様で、デフォルトでは「使用しない」の設定。そのため、インテル MEBxに入るためにも最初にIntel AMTを「使用する」に変更する必要がある。
※今回の検証は「Lenovo Thinkpad X1 Carbon Gen 10(21CBCTO1WW)」、「Fujitsu LIFEBOOK U9312/J」、「DELL Latitude 5430」、「dynabook RJ74/KU(A641KUB8211A)」を利用して行いました。PCの機種や世代によって操作手順やできることなどが異なる場合があります。
匠への質問、募集中!
……さて、今回は第12世代インテル Core プロセッサー搭載のマシンにおけるAMTのプロビジョニング方法を教えてもらったが、vProは非常に多機能かつ奥深い。これまでの記事や活用事例を見て、「これはどうやるんだろう?」あるいは「できると思うのに、何故かうまくいかない」と思うことも多いと思う。
当連載は、そうした疑問を随時、匠にお伺いし、みなさまの疑問解消に役立てていきたい。疑問点がもしあれば、是非、以下のフォームから質問を送ってみてほしい。
【追記】今期のvPro導入困りごとアンケートの受け付けは終了しました。
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