一人暮らしのネット環境Q&A
フリマアプリで安くWi-Fiルーターを手に入れたい! どんな製品を選べばいい?
2023年10月4日 06:00
あまりにも古い製品は避ける。できれば「Wi-Fi 6」対応を
一般的な中古品を買うときには、故障の有無や付属品がそろっているかどうかが気になりますが、あまりに古いWi-Fiルーターの場合にはセキュリティの問題が生じるため、使用中止が求められているものもあります。
型番などで検索すれば使っていいものか悪いものかがわかりますが、特にフリマアプリの場合、詳細な型番を説明に記載しなかったり、型番が不明瞭な写真を掲載したりする出品者もいるため、型番がはっきりしない製品は、避けておいたほうがいいでしょう。
また、現在は大丈夫だという製品でも、すぐに利用が非推奨になることもあります。現在、新品として市場に出回っているものならば大丈夫と考えてもいいですが、判断がつきにくいのなら、2019年ごろから国内で製品が登場した「Wi-Fi 6」、またはそれ以降(「Wi-Fi 6E」など)の対応製品を目安とするといいでしょう。
入手後に初期化は必須、セキュリティ情報が写った出品は避ける
セキュリティのための設定が、出品者である以前のオーナーに知られている可能性があることにも、注意が必要です。入手したらまずは工場出荷状態に設定を初期化することは必須条件です。
Wi-Fiルーターの多くは、本体にシールで初期設定のSSIDやパスワードなどが記載されています。SSIDとパスワードは接続するための大事な情報で、他人に漏れてはいけない情報ですが、出品時に、これらが読み取れる写真が掲載されていることが、よくあります。
通常であればSSIDやパスワードの情報は、直接現物を扱った人にしか知る機会がありません。しかし、写真に撮られてフリマアプリなどで載せられることで世間一般に公開されてしまいます。このSSIDとパスワードのまま使い始めてしまえば、もし、フリマアプリで接続情報を見たことのある人がいれば、接続されてしまうことになります。しかも、最近では、フリマアプリやネットオークションの情報保管期限が長くなり、一度掲載すれば、しばらくは誰もが見ることができるようになります。
このような場合でもWi-Fiのパスワードを変更すれば大きな問題はないと言えますが、SSIDやパスワードを自分で初期設定から変更して使う、という意識のない人は、こうしたセキュリティに関わる情報が公開されてしまった個体は絶対に使ってはいけないと言えるでしょう。
匿名取引でも場所が特定される恐れも
そして、Wi-Fiルーターには1台1台、固有のMACアドレスというものがあり、無線側のMACアドレスは動作中、接続のために周囲に電波で知らせています。このMACアドレスを使って設置場所を特定される恐れがあることも忘れてはなりません。
一般に、地図アプリで現在地を表示するときには、GPSによる位置測定だけでなく、Wi-Fi機器のMACアドレスなどに紐づけた位置情報も扱われます(GPSを搭載しない端末で位置情報を取得できるのは、この機能によります)。この方法を悪用することで、MACアドレスから設置場所が判明し、取引相手の“家バレ”の可能性もあります。
MACアドレスから個人の住所などの情報をたどることは、誰にでも簡単にできることではありません。しかし、MACアドレスから場所を特定できる可能性があることは、Wi-Fiルーターなどのネットワーク機器を中古で入手しようとする人だけでなく、売ろうとする人も、忘れてはいけません。
Wi-Fiルーターの中古取引にはさまざまなリスクがあります。リスクをよく理解した上で、機器をリサイクルして長く使うことは地球環境のためにも有効です。しかし、少しでも不安があるのなら、中古品の利用は避け、使用後の処分方法にも注意したほうがいいでしょう。