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IPA、国際的に相互運用可能なデータスペース「ウラノス・エコシステム・データスペーシズ」(ODS)構築を目指し、アーキテクチャ設計の統括と採択事業者へのアドバイザリ活動を開始
2025年8月5日 06:50
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は8月1日、国際的に相互運用可能なデータスペースの構築を目指し、ウラノス・エコシステム・データスペーシズ(ODS:Ouranos Ecosystem Dataspaces)に係るアーキテクチャ設計の統括と、採択事業者への助言を行うアドバイザリ活動を開始すると発表した。
ウラノス・エコシステムは、企業や業界の垣根を越えて、データを連携・活用する取り組み。経済産業省が推進しているもので、同省では「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT:Data Free Flow with Trust)の実現に向け、複数のシステムを連携させ、企業・業界を横断したデータの利活用を促進することで、データ・システム・ビジネス連携を具体的に推進し、官民協調で企業・産業競争力強化を目指す取組」と定義している。
IPAのデジタルアーキテクチャ・デザインセンター(DADC)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する「ウラノス・エコシステムの実現のためのデータ連携システム構築・実証事業」(NEDO事業)において、ODSを主導する中立的な機関として活動している。
今回の発表は、特定のベンダーへの依存で他のベンダーへの切り替えが困難になる状態を回避し、国際的な相互運用性を担保するため、ODSに係るアーキテクチャ設計を統括するとともに、プロトコル設計およびデータスペースに係るミドルウェアの開発などについて、採択事業者に対するアドバイザリ活動を開始したというもの。
アドバイザリ活動は、DADC情報分析官の津田通隆氏がチーフアーキテクトとして、システムアーキテクト(SA)、ドキュメントアーキテクト(DoA)など、すべてのアーキテクトを統括する体制で実施される。
なお、DADCでは、2月に経済産業省と共同で技術的な参照文書「ウラノス・エコシステム・データスペーシズ リファレンスアーキテクチャモデル」(ODS-RAM)のホワイトペーパーを策定・公開している。
今年度は、ODSの産業界への更なる展開・普及に向け、ODS-RAMの改版を統括するとともに、ODS参加者に向けてデータスペースの構築および、参加を手引きするODSガイドブックの取りまとめ等の実施を予定しているという。