みんなの在宅ワーク

第77回:フリーライター 甲斐祐樹の在宅ワークスタイル

「ディスプレイは多画面」派の私が「大画面」派に移った たった1つの理由

 こんにちは、本コーナー担当の甲斐です。今回は、本連載の第1回から約2年、コロナ禍の影響に伴うリモートワークの普及を受けて大きく様変わりした筆者の在宅ワーク環境をご紹介します。

リモートワーク生活の2年間で、ディスプレイは「多画面」から「大画面」に

 第1回ではWindowsだけで4画面、タブレットを含めれば常時5画面という多画面環境でしたが、あれから2年、現在の筆者のデスク周りは大画面ディスプレイとPCのディスプレイとうシンプルな2画面構成に落ち着きました。

現在は大画面ディスプレイ+ノートPCの2画面に

 多画面はアプリの表示サイズを画面ごとコントロールでき、ウェブサイトをチェックしながら原稿を書いたり、チャットしながらスケジュールを調整したりというマルチタスクにとても便利です。そのため筆者はPCと外付けディスプレイの2画面では飽き足らず、常に3画面・4画面と、多画面を追求してきました。

 そんな多画面派だった筆者を大画面にさせたのは、「PowerToys」というアプリの存在です。

「PowerToys」の「FancyZones」を使うことで、多画面とほぼ同じ環境を1画面で実現

 PowerToysというのはWindowsを便利にするさまざまな機能を搭載したユーティリティアプリなのですが、筆者が一番気に入っている機能が、1画面を好きなサイズで分割できる「FancyZones」という機能です。画面に好きなサイズで仕切りを設定し、Shiftを押しながらアプリを移動すると指定したサイズぴったりでアプリを表示できます。

PowerToysの一機能「FancyZones」
ディスプレイに表示するアプリの表示位置を指定できる
分割作成中の画面
Shiftを押しながらアプリを選択すると「FancyZones」が起動
画面分割のイメージ

 FancyZonesを知った筆者は、大型の4Kディスプレイに入れ替えて、FancyZonesを使うことで多画面とほぼ同じ環境を1画面で実現できるようになりました。FancyZonesは複数の画面分割設定を切り替えることができるのですが、切り替えにはやや時間がかかるため、基本的に使う6分割画面と、Windows標準の上下左右4分割をうまく組み合わせて好みの画面分割を実現しています。

上半分はWindows標準の分割、下半分をFancyZonesで分割する組み合わせ技

 これまでの多画面環境は便利であったものの、全ての画面を確認するため必然的に見なければいけない範囲が広がり、わずかながらも首を動かす必要があるのが負担でした。また、ディスプレイの数が増える分、電源やHDMIケーブルもその数だけ必要になるため、1画面に集約したことでデスク周りもスッキリできました。

 なお、メインは4Kディスプレイの1画面ですが、PCのディスプレイもサブで設定しています。これはZoomなどビデオ会議で画面共有を行う際、ディスプレイ単位で共有すると画面の切り替えも便利で、見せたいものだけを的確に見せられるからです。

ビデオ会議で大事な「音周り」も見直し。PCもパワフルなものに

 ディスプレイに合わせて音声周りも見直し。マルチポイント対応の骨伝導ワイヤレスヘッドフォン「OpenMove」を使って、動画やポッドキャストをながらで楽しむiPadと、ビデオ会議などの音声を聴くWindowsのイヤフォンを1つに統合しました。いちいちイヤフォンを取り替えることなく1つのイヤフォンでiPadとWindowsの音を聴けるのが便利です。

マルチポイント対応が魅力の「OpenMove」

 円滑なビデオ会議のためにはマイクの音質も重要です。マイクは何度かの見直しを重ね、最近では「SM58」と「ZOOM F3」に落ち着いています。ビデオ会議などのオーディオインターフェースとして使うのにZOOM F3はややオーバースペックなのですが、どんなに音量が大きくても音割れしないという32bit Floatをいつか試してみたくて導入してみました。

本来はフィールドレコーダーながらオーディオインターフェースとしても使える「ZOOM F3」

 コロナ禍が始まったばかりのころに比べ、最近ではビデオ会議の数も増え、関わっている案件ごと複数のSlackを利用する必要に迫られたことでPCも相応のスペックが必要になり、モバイル用途を想定していた富士通「LIFEBOOK UH95」とは別に、家でガッツリ仕事をするためにASUSのゲーミングPC「ROG Zephyrus G14」を購入。数十近いSlackやチャットを同時に立ち上げていても動作が重くなることなく作業できるようになりました。

ASUSのゲーミングPC「ROG Zephyrus G14」

 2年近いリモートワーク生活のおかげで環境はほぼ落ち着いたかなと思っていますが、日々新しく登場する新製品を試してみたい性分もあり、今後もさらなる理想的なリモートワーク環境を目指して邁進していきたいと思います。

【お詫びと訂正 16:15】
 記事初出時、骨伝導ワイヤレスヘッドフォンの製品名に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

誤:OpenComm
正:OpenMove

甲斐祐樹の在宅ワーク環境
  • メインPC:ASUS ROG Zephyrus G14
  • ディスプレイ:2画面
  • キーボード:ロジクール MX Keys
  • マウス/トラックボール/トラックパッド:一太郎プレミアムマウス 深紅[Deep Red]
  • カメラ:Anker PowerConf C300
  • マイク/ヘッドフォン/スピーカー:SM58+ZOOM F3、Shokz OpenMove
  • ビデオ会議サービス:Zoom、Google Meet、Around
  • 机:IKEA LINNMON
  • 椅子:エルゴヒューマン エンジョイ
  • その他小物:ScanSnap iX100

甲斐 祐樹

フリーランスライター。Impress Watch記者時代にネットワーク関連を担当していたこともあり、動画配信サービスやスマートスピーカーなどが興味分野。家電ベンチャー「Shiftall」を退職して現在は人生二度目のフリーランス生活。個人ブログは「カイ士伝」