イベントレポート

コンテンツ東京2016

今年の96ch「音響樽」はHMDで映像付き、体験型ブースが勢ぞろいの「第2回先端コンテンツ技術展」

 コンテンツ関連企業やクリエイターらによる複数の展示会を同時開催するイベント「コンテンツ東京2016」の展示会場の中から、本記事では「第2回先端コンテンツ技術展」の模様をお伝えする。体験型ブースが勢ぞろいの同イベントは、東京ビッグサイト(東京都江東区)で7月1日まで開催中だ。

無制限制御型LEDライトシステム「FreFlow」

 ソニーミュージックコミュニケーションズのブースでは、めざましアプリ(別記事『「冴えカノ」加藤恵のめざましアプリ、モーションキャプチャーでリアルタイムにアニメを制作するシステム「KiLA」など、先端コンテンツ技術を多数展示』参照)のほか、無制限制御型LEDライトシステム「FreFlow」を紹介。ペン型ライト以外にもリストバンド型ライトを展示している。専用の送信機で会場のペンライトを制御するもので、実際にライブで導入された事例がある。

難可聴帯域を用いる音響通信アプリ「VRON」

 ビデオリサーチのブースでは、音響通信アプリ「VRON」を展示。難可聴帯域の音響信号を用いて、スピーカーからスマートフォンに制御コマンドを送信。スマートフォンの画面の色や画像に変化を与えるデモを行っていた。

 アプリはVRONコード(音声透かし)が埋め込まれた音声に反応して、コンテンツを表示することができる。テレビ、ラジオ、デジタルサイネージなどを利用し、店舗やイベントと連携したコンテンツを展開できるとしている。

スマホでも8K相当のパノラマ映像を見られる「パノラマ超エンジン」

 NTTアドバンステクノロジでは、ストリーミング形式のパノラマ動画の閲覧に特化した「パノラマ超エンジン」のデモを確認できる。動画の視聴領域のみを高画質で配信することで、スマートフォンでも8K相当のパノラマ映像を見ることができるという。実際に視聴領域を動かすと粗い画質が表示されるものの、1~2秒程度で高画質に切り替わる仕組みになっている。

東京電機大学、没入型聴覚ディスプレイ「音響樽」

 東京電機大学では没入型聴覚ディスプレイ「音響樽」を展示。巨大な樽の中の側壁面や天井に96個のスピーカーを設置し、フラーレンマイクロホン(80chマイクロホンアレイ)により収録した音場の3次元波面を再現。今回は新たにヘッドマウントディスプレイを使ったデモが行われており、パノラマ映像を見ながら音を楽しむことができる。取材時は当日分の予約を締め切るほどの人気ぶりだった。

 デモではオーケストラの演奏のほか、ヘッドマウントディルプレイに映る森林の景色を眺めながら自然環境音を聞くことができる。ディスプレイの映像は粗く感じたが、視覚情報が入ることで没入感も上がっている。デモの途中、スタッフが音響の調整ということで声をかけてくるが、実はそれも音響で再現したものだった。

3DCGソフト「UC-win/Road」HMDでドライブシミュレーター

 フォーラムエイトでは、同社の3DCGソフト「UC-win/Road」とヘッドマウントディスプレイを組み合わせたドライブシミュレーターなどを体験できる。

なまえめがね、スマートグラス「FUN'IKI」

 なまえめがねのブースでは、スマートグラス「FUN'IKI」を展示。スマートフォンの電話の着信、メール、SNSの受信を6基のLEDと1基の小型スピーカーで通知する。アプリで通知の種類に合わせた色のカスタマイズや発光パターンを変えることが可能だ。

クリーク・アンド・リバー、HMD「IDEALENS K2」

 クリーク・アンド・リバーのブースでは、ヘッドマウントディスプレイ「IDEALENS K2」を展示。視野角120度、リフレッシュレート90HzでAndroidベースのOSを採用。単体での起動に対応している。本体には充電/転送用のMicro USB端子、SDカードスロットを搭載。バッテリーを後頭部に配置することでバランスよく装着できるとしている。デモではジェットコースターのコンテンツを体験できた。

しのびや.com、VRコンテンツと連動して動くゲーミングチェア「SIMVR」

 しのびや.comのブースでは「Oculus Rift」や「HTC Vive」に取り付けるステレオカメラ「Ovrvision Pro」を使ったデモを体験できる。ディスプレイに映る現実空間に3DCGを重ね合わせ、専用のコントローラーで家具を表示したり移動することができる。AR技術を使って、部屋のレイアウトのシミュレーションができるため、住宅分野などでも活用できるとしている

 しのびや.comのブースでは、VRコンテンツと連動して動くゲーミングチェア「SIMVR」に座ってゲームを遊べる。100V家庭用コンセントで動作するように設計されており、400Wで駆動。総重量は約75kg。ピッチ/ロール/ヨー/サージ/スウェイ/ヒーブの6軸の動作にも対応する。本体価格は89万円。

「HTC Vive」を装着、実車のバイクにまたがってレース体験

 プロトタイプのブースでは「HTC Vive」を装着した状態でバイクレースシミュレーションを体験できる「GodSpeed FreeRide+」「GodSpeed FreeRide;」を展示。実車のバイクのハンドル、アクセル、ブレーキ、ギア、クラッチをリアルタイムにセンシングし、Unreal Engine4で再現された空間にリアルタイムで反映する。

VR/現実空間でバスケットボール

 スパイスのブースでは、VR/現実空間でバスケットボールをしながら、モーションキャプチャーシステム「OptiTrack」で捉えた動作をディスプレイに反映するデモが見られた

 このほか、「第2回先端コンテンツ技術展」の展示については別記事『「冴えカノ」加藤恵のめざましアプリ、モーションキャプチャーでリアルタイムにアニメを制作するシステム「KiLA」など、先端コンテンツ技術を多数展示』、新設された「AI・人工知能ワールド」の展示については、『心を持つAI「レイシア」、新設された「AI・人工知能ワールド」で一際高い注目』も参照してほしい。