イベントレポート

スマートビルディングEXPOレポート

最大99%まで遮光!するスマート調光ガラス「HALIO」

 12月11日から13日まで東京ビッグサイト青海展示棟で開催された、次世代のビル設計・工事・管理に関連する技術の展示会「スマートビルディングEXPO」。

 会場では、ガラス越しに室内へ入り込む光量・熱量を調節できるスマート調光ガラスシステム「HALIO(ヘイリオ)」を販売するヘイリオインターナショナルがブースを出展していた。

ブース内で実施されていた「HALIO(ヘイリオ)」のデモ。左側のガラスパネルのみ調光で透過率が変わっている

 自然光を活かしつつ快適な室内空間を目指すために開発された「HALIO」は、通常のLow-Eガラスに近い66%の可視光線透過が可能な“クリアステージ”状態から、可視光線を最大99%まで遮断可能な“ダークステージ”へと段階的に調光レベルを制御し、ガラスの全面でほぼ均一な調光を実現。

 クリアステージからダークステージ、ダークステージからクリアステージへの移行にかかる時間はいずれも3分ほどで、これは世界でも最速クラスとしている。

 制御にはPCやスマートフォン、専用キーパッドなどを利用でき、ガラスパネル1枚ごとにクリアステージとダークステージ間で調光レベルの調節が可能。

 また、照度センサーなどを併用することで、日の出や日の入りといった時間帯、季節や温度などに合わせた自動調光が行える。そのほか、近年ニーズが高まっているビルエネルギーマネジメントシステム(BEMS)との接続もサポートする。

同じガラスパネルを別のタイミングで撮影した画像。どちらもクリアステージ状態では、一般的なガラスと透過率がほぼ変わらない

 パネルサイズは標準で最大1.5x3m。ガラスは、スマート調光デバイスを4mmの高透過熱処理ガラスで挟んだ合わせガラス仕様のほか、さらに断熱性能を高めるアルゴンガスなどを封入する複層ガラス仕様の製品を用意。

 快適さを損なわずに空調費用の削減につながるほか、ブラインドやカーテンといった遮蔽物を使わず、ビルからの眺望やプライバシーを確保するといった効果が見込める。導入にはドライバーやゲートウェイといった制御機器の配置、電気系統の工事が必須となり、国内ではすでに商業施設やオフィスビルでの導入実績があるとのこと。