イベントレポート

スマートビルディングEXPOレポート

布製エアダクト空調システムでコストも削減「Fabric air dispersion systems」

 12月11日から13日まで東京ビッグサイト青海展示棟で開催された、次世代のビル設計・工事・管理に関連する技術の展示会「スマートビルディングEXPO」。

 日本マグネティックス株式会社のブースでは、難燃性の特殊繊維で製造される米DuctSox社のファブリックエアダクト「Fabric air dispersion systems」を展示していた。

難燃性ポリエステル製を素材とするエアダクト。軽量なため施工時間を削減できるほか、設置・輸送コストも金属製ダクトより低くなる

 「Fabric air dispersion systems」は、難燃性のポリエステルを主な素材とするエアダクトで構成された空調システム。布製ながらUL2518、British Standard BS 5867、GB8624といった各国の防災基準をクリアしており、工場や商業施設の空調施設で要求される仕様を満たすとしている。

 一般的な板金性エアダクトに比べて、製造や輸送、設置コストを50~80%削減でき、軽量なために施工時間についても削減が可能となる。加えて特殊グレードの製品では、食品加工工場向けに抗菌処理を施したモデル、データセンター向けに帯電防止処理を施したモデルも用意する。

 布を活用することで、空気が網目から浸透するために結露のリスクがない、埃の付着が抑えられる、金属製ダクトのように共鳴減少が発生せず静音化にも寄与するといった利点が挙げられる。繊維は水分を吸収しないよう製造されており、バクテリアやカビの発生も防止できるようだ。

 一般的なラウンドタイプ、低い天井でも利用しやすい半円形タイプなど複数の形状のダクトを選択可能で、吹き出し気流特性についても、スポットクーラー向けのハイスロータイプ、コールドドラフトの防止に寄与するロースロータイプなどもラインアップしている。

ダクト同士は接手とジッパーで接続して延長する。工場や店舗、スポーツ施設などでの活用が想定されている

 ダクト同士を接続する継手はジッパーにより接続されるため、取り外して洗濯機で簡単にクリーニングできるメリットもあるとのこと。オプションによりダクト表面にシルク印刷が可能で、広告や景観の統一などに活用できる。