イベントレポート

Data Center Japan 2026

冷蔵庫大の「マイクロデータセンター」も登場。AI需要を反映し、小型データセンターが各社から

 AIの急速な発展を背景に、これまで以上に国内のデータセンターが注目されている中、日本のデータセンター業界のイベント「Data Center Japan 2026」が3月24日・25日に東京都内で開催された。主催は特定非営利活動法人日本データセンター協会(JDCC)、共催は株式会社ナノオプト・メディア。来場者数は2日間合計で8677人。

 データセンター業界の先進技術や政策動向、ビジネスモデルなどについて講演がなされたほか、データセンターやその設備などに関して各社の展示がなされた。全体的に、AIデータセンターの需要に柔軟に応えるための小型データセンターや、AIサーバーを支える水冷設備などの展示が目立った。この記事では、展示会の中から小型データセンター関連の展示内容をいくつか紹介する。

IIJ、1ラックだけの「モジュール型データセンター」と冷蔵庫大の「マイクロデータセンター」

 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)と河村電器産業株式会社のブースでは、エッジデータセンターとして、モジュール型データセンターとマイクロデータセンターを展示していた。

 モジュール型データセンター「DX edge Cool Cube」は、19インチラック1架とラック横のInRow空調が入る大きさの、ごく小さなデータセンターだ。

 ユースケースとしては、製造業や研究開発などの現場でGPUサーバーを動かす用途などを想定している。また、分散データセンターとしての用途も想定しており、九州電力、QTnet、1FINITY、ノーチラス・テクノロジーズとの地域分散型デジタルインフラの実証プロジェクトにも用いられている。

 もう一方のマイクロデータセンター「DX edge Pro」は、さらに小型の、冷蔵庫程度の大きさで運搬も可能なものだ。セキュリティカメラとIoTゲートウェイも備え、ドアを誰が開けたかなどを確認できる。

 IIJは、SpaceXによる衛星インターネットの「Starlink」の代理店もしており、ブースではその組み合わせも展示していた。

IIJのモジュール型データセンター「DX edge Cool Cube」
モジュール型データセンター「DX edge Cool Cube」の説明
IIJのマイクロデータセンター「DX edge Pro」
マイクロデータセンターの上にStarlinkのアンテナが乗っている
マイクロデータセンター+Starlinkの説明と、九州電力、QTnet、1FINITY、ノーチラス・テクノロジーズとの地域分散型デジタルインフラの実証プロジェクトの説明

AIに向けてコンテナ型データセンターが各社から

 同様に、小型データセンターとして、コンテナ型のデータセンターが注目されている。

 今、AIの発展や、プライベート/エッジAI、データなどの主権の観点、ワット・ビット連携構想などから、国内のデータセンター建築が期待されている。ただし、一般に通常のデータセンターを建設するには5年以上かかると言われる。そこでコンテナ型データセンターであれば、従来より迅速かつ柔軟にデータセンターを用意できる。

 コンテナ型データセンターを手掛ける株式会社ゲットワークスでは、特に「新潟GXデータセンター」において、液冷などによるAIサーバーの効率的な冷却、自然環境や再生エネルギーを利用したグリーンを打ち出している。

 ブースではこうした環境重視をイメージして、グリーンの装飾の中でデータセンターのサービスを紹介していた。

株式会社ゲットワークスのブース
ブースの中はグリーンのイメージ

 AIやHPC用途の高度計算処理インフラを構築するWOODMAN株式会社のブースでは、コンテナ/モジュラー型DC(データセンター)ソリューションが紹介されていた。DC設計テンプレートに、GPUサーバー調達、Morgenrotの計算インフラ利用効率技術などを組み合わせる。

コンテナ/モジュラー型DCソリューションの説明
エッジデータセンターソリューションの模型

 関西電力グループの株式会社オプテージのブースでは、1月に運用開始したオプテージ曽根崎データセンター(OC1)を紹介。同時に、2026年度中に開始予定の、AI向けコンテナ型データセンターを紹介していた。コンテナ型データセンターは福井県美浜町にあり、原子力発電所の電力によりAIの学習のインフラとなり、既存のデータセンターとのデータセンター間接続も用意される。

株式会社オプテージのブース。オプテージ曽根崎データセンター(OC1)や、AI向けコンテナデータセンターなどを紹介
オプテージ曽根崎データセンター(OC1)の模型

 NTTドコモビジネス株式会社(旧・NTTコミュニケーションズ)のブースでは、2029年度オープン予定の、液冷対応の品川データセンターについて展示。また、ゲットワークスとの提携をもとにしたコンテナ型のプライベートAIデータセンターについても展示していた。IOWNによるデータセンター間接続なども考えている。

NTTドコモビジネス株式会社の展示

 株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー(NTT-ME)のブースでは、データセンター間接続の「JPDC Cabling」「JPDC All-Photonics Connect」について展示。また、2027年2月に提供開始予定の石狩市のコンテナ型データセンター「JPDC AI Container」について展示していた。

株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー(NTT-ME)の展示