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「WannaCry」登場から1年、国内PCの1割が感染経路の脆弱性を放置したまま、今年4月に攻撃が活発化?
2018年5月11日 13:36
2017年に大規模感染を引き起こしたランサムウェア「WannaCry」の登場から約1年が経過した。しかし、その感染に悪用される脆弱性「EternalBlue」が未修正のPCは依然として多く残っており、これを狙った活動が再び活発化しているという。
Microsoftでは2017年3月14日に脆弱性「EternalBlue」に対する修正パッチ「MS17-010」をリリースしている。だが、セキュリティベンダーのAvastによれば、Windows PCの約3割において、脆弱性「EternalBlue」が未修正のままだという。ESETでは、この脆弱性を悪用する試みが、4月にそれまでで最多を記録したとのテレメトリーデータを公開している。
EternalBlueへの攻撃は日本国内でも15万5972回、国内PCの11%が未修正
Avastによれば、2017年5月12日から2018年4月1日までに217カ国で1億7600万以上のWannaCryによる攻撃を検出。うち日本国内でも15万5972回の攻撃があったという。
さらに、2018年3月時点でのデータによれば、全世界のWindows PCの29%に、EternalBlueの脆弱性が引き続き存在している。アゼルバイジャン、アルメニア、イエメンの3カ国が突出して多いが、日本でも約11%のPCで、脆弱性が未修正のままだという。
この脆弱性は、WannaCryに加え、ランサムウェア「NotPetya」やその亜種、さらに仮想通貨採掘マルウェアの一部などが悪用するほか、ランサムウェアの配布にも悪用されている。Avastでは、この脆弱性について、「引き続き、重要なパスワードの収集など、サイバー犯罪者にとって有用なツールとなっている」と指摘している。