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禁じられた萌えドメイン3万6654件が解禁、さらに「imouto.moe」「sengoku.moe」なども年内提供開始へ

 新ドメイン「.moe」を管理する株式会社インターリンクは22日、これまで“名前衝突ポリシー”により登録を受け付けることができなかった文字列のうち、3万6654件の文字列を開放した。3~5文字の一般名詞を含む文字列も多数あり、ドメイン名登録サービス各社を通じて標準料金で取得できる。

 「.moe」は、日本語の「萌え」を意味する新gTLD(generic Top Level Domain:分野別トップレベルドメイン)。2014年3月にインターネットの名前空間に追加され、同年7月より一般登録の受付を開始。空いている文字列について、先願制(早い者順)で取得できるようになっている。

 ただし、すでに誰かに取得されたわけでもないのに登録できない文字列が3万8812件設定されていた。これは、インターネットのIPアドレスやドメイン名などを世界的に管理する組織のICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)によってリストアップされた「DNS名前衝突ブロックリスト」に含まれる文字列だ。例えば、いかにも萌えドメインにふさわしい「anime.moe」なども、同リストにより登録がブロックされていた。

 同リストに含まれる文字列は、新gTLDの「.moe」が登場する以前に、社内ネットワーク上などで同じ文字列のドメイン名を作ってプライベートで運用されていた可能性が考えられる文字列などだ。新gTLDが登場してインターネット上にも同じ文字列のドメイン名が存在するようになると、社内サーバーにアクセスするつもりが外部と通信することになってしまって「通信ができない」あるいは「意図しないサーバーと通信してしまう」といった“名前衝突(Name Collision)”と呼ばれるセキュリティリスクが発生する可能性があることから、新gTLDの登場の際にはこうしたブロックリストが用意される仕組みとなっている[*1]

“名前衝突”の仕組み。一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)の「名前衝突(Name Collision)問題に関するサイト」より

 今回、同リストにあった文字列のブロックが解除され、そのうちの3万6654件の一般登録受付がスタートしたかたちだ。残る2158件については、インターリンクが人気の高い文字列と判断した“プレミアムドメイン”となっており、通常の文字列よりも高い登録料金を設定し、年内に登録受付を開始する予定だ。

 インターリンクによると、プレミアムドメインとしては、「anime.moe」をはじめ、「cat.moe」「doujin.moe」「game.moe」「idol.moe」「image.moe」「imouto.moe」「love.moe」「mako.moe」「manga.moe」「news.moe」「panda.moe」「photo.moe」「sengoku.moe」「sexy.moe」「friends.moe」「hentai.moe」「neko-mimi.moe」「otaku.moe」「tokyo.moe」などがあるという。

[*1]……単に、間違ってウェブブラウザーのURLバーに「○○○.moe」を入れてアクセスしようとした人が過去にいた(または、それに類似した行為があった)ことで、その文字列がブロックリストに入ってしまうこともあるという。また、登録がブロックされている文字列は、DNS名前衝突ブロックリスト以外にもある。詳しくは、2014年8月12日付関連記事『萌えドメインなのに……「anime.moe」の登録をICANNが禁じている理由とは ネットユーザーが知っておくべき“名前衝突”問題』を参照してほしい。