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「バーチャルIoTホームハニーポット」でサイバー攻撃を、BBSSと横浜国大の共同研究プロジェクト

 BBソフトサービス株式会社(BBSS)と横浜国立大学は5日、一般家庭向けネットワーク機器を標的にしたサイバー攻撃の影響を調査する「横浜国立大学・BBSS IoTサイバーセキュリティ共同研究プロジェクト」の2018年度の活動内容を発表した。

 同プロジェクトでは、国内で販売されているIoT機器やウェブカメラなどを「コネクテッドホーム試験室」に設置し、外部からのサイバー攻撃やマルウエア感染時の挙動などを検証する。一般家庭のネットワーク環境やネットワーク機器に与える影響について、将来におけるリスクと対応策、防御方法について研究する目的で、2017年6月から実施していた。

コネクテッドホーム試験室の構成

 2018年度は、コネクテッドホーム試験室に一般家庭やSOHOのネットワーク環境をシミュレートした「バーチャルIoTホームハニーポット」を設置することで観測規模を拡大し、サイバー攻撃の観測・分析を行う。障害が顕在化しているマルウェアの活動に着目し、明らかになっていない攻撃手法や感染ルートなどの仕組みの解明に取り組むとしている。

バーチャルIoTホームハニーポット

 このほか、実際の一般家庭のネットワーク環境の利用状況や、IoT機器へのマルウエア感染時の状況などを調査する目的でツールを開発し、配布を行うという。これにより、IoTセキュリティ対策に有用な情報を収集し、データの解析を進めていくとしている。

 研究終了後は成果発表を行う。また、緊急を擁する脅威を観測した場合の情報発信や、一般家庭におけるネットワーク機器の安全性について関心を高めるための情報発信と啓発活動も行うとしている。