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コロナ禍で「オフィスの見直し」7割弱が実施・検討、「月刊総務」の調査結果
2020年9月2日 06:00
株式会社月刊総務は、全国の総務担当者を対象に実施したオフィスに関するアンケート調査の結果を発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、オフィスの見直しを実施または検討している企業は66.6%に上った。
アンケートは、総務の専門誌「月刊総務」および「月刊総務オンライン」のメールマガジンの読者を対象に、8月11日から8月18日までウェブで実施した。有効回答数は303件。
オフィスの面積は縮小へ
「新型コロナウイルスにより、オフィスの見直しをしましたか」との質問で、「見直しをした」は26.7%、「見直しを検討している」は39.9%。合計すると66.6%で、新型コロナウイルス感染症による勤務形態の変化により、オフィスも変化する可能性が高い。ただし、残りの33.3%は「見直す予定はない」としている。
このようにオフィスの見直しをした/見直しを検討していると答えた企業は、具体的にどのようなことを実施した/検討しているのか。
「実施した内容・検討している内容を教えてください」との質問(複数回答可)に対して、実施済みは、「専有面積の縮小」が30.9%、「拠点の分散化」が14.8%、「コワーキングスペースやレンタルオフィスの契約」が14.8%、「拠点の集約」が12.3%の順。その理由としては、「新型コロナ感染症予防のため」「リモートワークが確立したため、現状の社内スペースが必要ではなくなったため」「ソーシャルディスタンスを意識したワークスペースの拡充」などだった。
検討中は、「専有面積の縮小」が56.2%、「コワーキングスペースやレンタルオフィスの契約」が30.6%、「拠点の分散化」が21.5%、「規模縮小のための移転」が14.9%の順だった。その理由としては、「コロナの影響もあり、社員の働き方に多様な選択肢を提示する必要が出てきたため」「テレワークで円滑な業務遂行が可能であることが確認できたため、オフィスの用途・意味が変わった」などが挙げられている。さらに「今後のより有効な危機管理対策の一環」「東京一極集中はリスクが高い」という理由も見られる。
オフィスとテレワーク、「生産性高く働ける」のは?
このように、オフィスを見直す大きな理由として、テレワークが広がったことがある。しかし、「オフィスで働くことのメリットは何だと思いますか」との質問(複数回答可)で、「仕事環境(デスク・空調・備品など)が整っている」が76.6%、「簡単な打ち合わせや質問がしやすい」が72.3%、「雑談ができる」が52.8%に上った。
一方で「テレワークで働くことのメリットは何だと思いますか」の質問(複数回答可)には、「通勤時間がかからない」の91.4%、「自分のペースで仕事ができる」の64.4%、「集中しやすい」の57.4%などが多く挙げられた。
このように、オフィスで働くこともテレワークもそれぞれメリットがある。しかし、「オフィスとテレワークのどちらが生産性高く働けると思いますか」の質問には、「オフィス」が66.7%、「テレワーク」が33.3%で、生産性はオフィスが高いという結果になった。
テレワークにより「オフィスの役割」は変わる
テレワークでも働ける時代におけるオフィスのあり方として「これからのオフィスの役割は何だと思いますか」との質問(複数回答可)では、「社内コミュニケーションの場」が80.5%、「チームで作業をする場」が76.2%、「社風・文化を醸成する場」が55.8%、「教育・OJTの場」が44.2%の順だった。そのため、オフィスは、従業員同士の交流や会社のビジョンや方向性などを共有するスペースに変化していくとみられる。
このようにオフィスで働くメリットは、仕事環境が整っている、生産性が高い、簡単な打ち合わせや質問がしやすい、雑談ができる、社内コミュニケーションの場、チームで作業をする場――が挙げられる。一方のテレワークは、通勤時間がかからない、自分のペースで仕事ができる、集中しやすい――といったことがある。
そのため、「あなたの会社でこれからの働き方はどうなると思いますか」という質問に対して「オフィスとテレワークの融合」が71.3%という結果になった。
これらのアンケートの結果から、今後はテレワークの増大によりオフィスは削減されるものの、両方ともそれぞれメリットがあることが分かった。月刊総務では「オフィスが全く不要になるわけではなく、新たな役割に応じてオフィスのあるべき姿も時代によって変わっていくと考えられている」としている。