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Salesforce、Slackを買収することで最終合意、買収総額は277億ドル
2020年12月2日 18:09
米Salesforce.comは1日、同社が米Slack Technologiesを買収することで最終合意したと発表した。現金と株式による買収となり、Slackの11月30日時点での企業価値は約277億ドル(約2兆8920億円)と判断。契約条件に基づき、Slackの株主は、同社1株につき26.79ドルの現金とSalesforceの普通株0.0776株を受け取る。契約は2022年の7月から9月の間に完了する予定。
買収成立後、SlackはSalesforceの営業部門になるが、Slack現CEOのスチュワート・バターフィールド氏が引き続き責任者となる。
Salesforceは、企業と顧客をつなぐ顧客管理ソリューションを提供する企業。マーケティング、営業、コマース、サービスなど全ての部署で、顧客ひとりひとりの情報を一元的に共有できる統合CRMプラットフォームを提供している。
今回の買収に際し、Salesforce会長兼CEOのマーク・ベニオフ氏は、「SalesforceとSlackでエンタープライズソフトウェアの未来を形作り、誰もがオールデジタルで、世界中のどこからでも働けるよう変えていく」と述べた。
Slack Technologiesは、全世界で数百万人が利用するメッセージプラットフォームサービス「Slack」を提供する企業。同社CEOのバターフィールド氏は、「ソフトウェアが全ての組織のパフォーマンスにおいてますます重要な役割を果たすにつれて、私たちは複雑さを軽減し、パワーと柔軟性を高め、最終的にはより高度な調整と組織の敏捷性を実現するというビジョンを共有している。これはソフトウェアの歴史の中で最も戦略的な組み合わせだと思う」と述べた。
買収により、Salesforceが提供する統合CRMプラットフォームとSlackを組み合わせることで、企業に対し、信頼できる唯一の情報源と、既存のワークフローの中で使用できる統合されたプラットフォームを提供できるとしている。
Salesforceは、Slackが「Salesforce Customer 360」の新しいインターフェースになると説明。今回の買収により、Slackの利点を拡張して、企業の従業員と、ベンダーから顧客まで、全ての外部パートナーとの間のコミュニケーションとコラボレーションを可能にするという。
Slackは全てのSalesforceクラウドに深く統合され、Salesforce Customer 360の新しいインターフェースとして、Salesforceだけでなく、他の全てのビジネスアプリやシステムからの情報を含めた顧客情報のコミュニケーション、コラボレーション、アクションの方法を変革し、生産性を高め、よりスマートで迅速な意思決定を行い、コネクテッドな顧客体験を創造することができるようになるとしている。
また、SalesforceとSlackが協力してビジネス向けのアプリとワークフローのオープンエコシステムを作成し、コードを書かなくともクリック操作で次世代のアプリを構築できるようにするとしている。