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カメラで映した世界に“書き込みながら会話”できる「lifeAR」、TeamViewerが提供開始

遠隔コミュニケーションのもどかしさをARの補助で軽減

lifeARの画面

 TeamViewerは、リモートARコミュニケーションアプリ「lifeAR(ライフエーアール)」の提供を開始した。Android/iOSに対応し、利用は無料。

 最大6人のグループでビデオ通話ができる。参加したメンバーのうち1人がスマートフォンのカメラで映した映像を共有しながら通話し、全員が映像中に「3Dポインター」と呼ばれるマークや絵文字を追加したり、テキストやフリーハンド描画機能により注釈を書き込んだりできる。

 これによって、リモートの会話で起こりがちなコミュニケーションの齟齬を軽減できる。例えば、離れて暮らす家族や友達に、料理の手順や機械の操作などを説明しようというときには、実際に相手が手を動かしている映像を共有していると分かりやすい。

 加えて、映像上に自由にマーカーなどを書き込み説明することで、より意思疎通がしやすくなる。会話における「そこを押して」「そっちを使って」のような言い方は、お互いの認識のずれを起こしがちだが、マーカーで明確に対象を指した画面を共有しながら「これ」と説明すれば、簡単な説明で正確に伝わる。

 追加されたマーカーなどは空間上の同じ位置に留まるため、カメラを動かしても同じ位置を指す。ビデオ通話の映像はスクリーンショットの撮影や録画も可能で、チュートリアル動画の作成などにも利用できる。

lifeARの主な機能(lifeARのウェブサイトより)

 lifeARのウェブサイトでは、「離れて暮らす祖母にXboxをプレゼントし、設定方法を説明してゲームを楽しめるようにした」「予定していたバーベキューの直前に故障してしまったグリルを、義兄に方法に教わりながら修理した」といったユースケースが紹介されている。

 以下の動画は、lifeARを利用したミーティングの例だ。TeamViewerのCEOであるオリバー・スタイル氏と、メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チームCEO兼チーム代表であり、メルセデス・ベンツ モータースポーツの責任者であるトト・ウォルフ氏がlifeARを利用してオンライン対談をしている。TiemViewerはメルセデスAMGと提携しており、2人はレーシングカーの姿を共有しながら、意見を交換し合う。このオンライン対談の様子は、5月20~23日に行われたF1モナコグランプリに際して公開された。

Unveiling of TeamViewer’s branding on Mercedes-AMG F1 W12 racing car through lifeAR(YouTube「FORMULA 1」チャンネルより)

 TiewViewerのCPO(最高製品責任者)であるヘンドリック・ウィット氏は、lifeARについて「個人ユーザー向けのリモート接続ソリューションはTeamViewerのDNAの一部で、これがすべての開発の起点となります。lifeARではトラブルシューティング、知識の共有など、日常の課題をお互いにサポートし合える製品開発を目指しました」とコメント。私的な課題解決に役立つと同時に、同社における今後のエンタープライズ向けAR製品の開発にもつながっていくと述べた。