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バッファロー、Wi-Fi 6対応ルーター・中継機全製品をWi-Fi EasyMeshに対応
EasyMesh対応ルーターの新製品2モデルも発表
2021年6月3日 18:00
株式会社バッファローは6月3日、発売済みのWi-Fi 6対応ルーター、中継機全モデル(販売終了モデルも含む)において、Wi-Fi Allianceが策定したメッシュネットワークの標準規格である「Wi-Fi CERTIFIED EasyMesh」(Wi-Fi EasyMesh)に順次対応を開始すると発表した。
あわせて、Wi-Fi EasyMesh対応のWi-Fi 6対応ルーター新モデルとして、「WSR-5400AX6S」シリーズを2021年6月下旬、「WSR-1500AX2S」シリーズを2021年9月に発売することも発表した。
ニーズの変化に合わせ、Wi-Fi 6対応ルーター・中継機の全製品をWi-Fi EasyMesh対応へ
バッファローが発売するWi-Fiルーター「AirStation」シリーズは、累計出荷台数が5600万台を超え、販売台数も19年連続トップと、国内で高いシェアを誇っている。また、Wi-Fi 6対応ルーターの市場構成比率は2021年4月に32%、年内には50%を超えると予想されており、急速に普及が進みつつある。
そういった中、Wi-Fiルーター購入者の商品選択時の重視ポイントは、価格の安さや接続可能台数の多さといった点よりも、電波到達範囲の広さが特に重視されるようになってきているという。また、Wi-Fi利用時に、電波到達範囲の狭さや利用中に途切れる、電波強度が不安定、といった不満を持っている人も多くなっている。
その背景には、ゲーム機やスマートフォンが普及するとともに、コロナ禍によってテレワークやオンライン学習なども増えたことで、家族が複数の部屋でWi-Fi対応機器を利用する例が増加し、家庭内でWi-Fiのつながりにくい場所をケアするニーズが拡大しているためと考えられる。
実際、そのようなニーズの変化に合わせて、近年はWi-Fi中継機の販売が大きく伸びている。ただ、Wi-Fi中継機は、親機と中継機間の経路が最適化されなかったり、端末が適切な接続先へとつなぎ変わらない、といった課題もある。
そういったWi-Fi中継機の課題を改善し、より高品質にWi-Fiエリアを拡げる手段としてメッシュネットワークが存在している。しかし、メッシュネットワーク対応製品は市場構成比率がかなり低いだけでなく、認知度も低い状態となっている。
そこでバッファローは、利用者の住環境に合わせて、より隅々まで届く安全なWi-Fi環境を、簡単かつ低価格に提供するため、メーカーの垣根を越える標準規格であるWi-Fi EasyMeshの採用に至ったという。
Wi-Fi EasyMeshは、Wi-Fiの標準化団体であるWi-Fi Allianceが策定した、メッシュネットワークの標準規格。Wi-Fi EasyMesh対応製品であれば、メーカーを問わず組み合わせてメッシュネットワークを構築できるとされる。バッファローでは今後、2019年以降に発売済み、そして今後発売するWi-Fi 6対応ルーター、中継機の製品全てをWi-Fi EasyMeshに対応させる。
バッファローが採用するWi-Fi EasyMeshは、最新バージョンの「Wi-Fi EasyMesh Release 2」。これにより、メッシュネットワークのローミングを実現するプロトコルとして、IEEE 802.11k/v/rの3種類をサポートすることで高速ローミングを可能とし、最新セキュリティ機能のWPA3もサポートするという。
メッシュネットワークの無線バックホールは、2.4GHz帯域と5GHz帯域の両バンドに対応しており、通信環境に応じて品質のいいバンドを選んでバックホールが張られるという。
また、有線LANをバックホールに利用するメッシュネットワーク構築にも対応しており、鉄筋コンクリートや鉄骨造りの建物のように無線での中継が難しいような環境でも高品質なメッシュネットワークが構築できるとしている。
メッシュネットワーク構築の初期設定は、親機(コントローラー)と子機(エージェント)を有線LANケーブルで直接接続するか、本体のAOSSボタンを押すだけで完了するようになっており、利便性も高められている。
この他、Android/iOS用アプリ「StatioRadar」がアップデートされ、Wi-Fi EasyMeshの接続状況を一目で確認できるという。
発売済み製品のWi-Fi EasyMesh対応は、6月3日より順次提供されるファームウェアにアップデートすることで実現。
各製品のWi-Fi EasyMesh対応ファームウェア提供スケジュールは以下の通りで、早い製品では6月3日から提供され、そのほかも9月頃までに順次提供される予定だ。
Wi-Fi EasyMesh対応Wi-Fi 6ルーター新モデルも順次発売
Wi-Fi 6対応ルーター・中継機でのWi-Fi EasyMesh対応の発表とあわせ、Wi-Fi EasyMesh対応のWi-Fi 6ルーター新モデルの発売も発表された。
プレミアムモデル「WSR-5400AX6S」
プレミアムモデルの新製品となるのが「WSR-5400AX6S」シリーズだ。5GHz帯が4ストリームで最大4803Mbps(バンド幅160MHz)、2.4GHz帯が2ストリームで最大573Mbpsとなり、計6ストリームに対応する。2021年6月下旬に発売予定で、市場想定価格は1万8200円前後。
有線LANは、いずれも1000BASE-T対応のWAN×1、LAN×4の各ポートを用意。このほか、MU-MIMO、OFDMA、IPv6(IPoE/IPv4 over IPv6)などもサポートする。
従来モデル「WSR-5400AX6」シリーズとの違いとして、「ネット脅威ブロッカー ベーシック」(1年間無料ライセンス付)が付属する。EasyMeshには、2021年7月中旬のファームウェアアップデートにて対応予定となる。本体カラーはシャンパンゴールドとマットブラックの2色。
エントリーモデル「WSR-1500AX2S」
エントリーモデルの新製品が「WSR-1500AX2S」シリーズ。こちらは5GHz帯が2ストリームで最大1201Mbps、2.4GHz帯が2ストリームで最大300Mbps(802.11nまでの対応)となる。2021年9月頃の発売予定で、市場想定価格は7300円前後。
有線LANは、いずれも1000BASE-T対応のWAN×1、LAN×3の各ポートを用意。「ネット脅威ブロッカー ベーシック」(1年間無料ライセンス付)も付属する。本体カラーはホワイトとブラックの2色。
【お詫びと訂正 20:14】
記事初出時、WSR-5400AX6のEasyMesh対応時期に関する記述に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
誤:従来モデル「WSR-5400AX6」シリーズとの違いとして、発売当初からEasyMesh対応ファームウェアが搭載されるほかに、「ネット脅威ブロッカー ベーシック」(1年間無料ライセンス付)も付属する。
正:従来モデル「WSR-5400AX6」シリーズとの違いとして、「ネット脅威ブロッカー ベーシック」(1年間無料ライセンス付)が付属する。EasyMeshには、2021年7月中旬のファームウェアアップデートにて対応予定となる。