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「ビデオ」の力でWeb会議を、働き方を、そして生活を変革する! 「mmhmm(ンーフー)」が日本で事業展開

ドコモ・システムズなどが販売パートナーに

mmhmmのフィル・リービンCEO

 Evernoteの創業者であり、親日家としても知られるフィル・リービン氏が立ち上げた新サービス「mmhmm(ンーフー)」の、日本における事業展開が発表された。

日本の商習慣にあわせ、販売パートナーとB2Bサービスを展開

 mmhmmは、ビデオを活用したコミュニケーションによって、働き方を変革することを目指したサービスで、これまでにMac版、Windows版を提供。2022年5月からは、mmhmm for Webの提供を開始し、7月にはiOS版に関する発表を予定しているという。現在、日本語を含む13の言語に対応している。

 日本の商習慣にあわせて、世界で唯一、販売パートナー制度を導入。ドコモ・システムズが世界初の販売パートナー企業となった。企業や組織などを対象にしたB2Bサービス「mmhmm for Teams(従来のmmhmm Business)」の販売を行うことになる。

 「他社とのパートナーシップについても準備中であり、特定分野や地域に特化するなど、独自の強みを持ったパートナーとの連携により、全国をカバーするパートナープログラムを展開したい。ビデオコミュニケーションを活用して、生産的で、楽しく、充実した働き方を日本に広げていきたい」と、mmhmm リージョナルヘッドオブセールスの青木隆夫氏は語る。

 日本では、すでにmmhmm for Teamsが、6社と成約していることも明らかにした。

 mmhmmは、2020年5月に、リービン氏が率いるAll Turtlesのなかで、1人のエンジニアがアサインされて開発プロジェクトがスタート。2020年7月にMac対応のβ版をリリースするとともに、分社化して資金調達を開始した。

 日本からもソフトバンクビジョンファンド、WiL、デジタルガレージ、Mistletoe、スクラムベンチャーズなどが出資している。現在、全世界で100人の社員が在籍しているが、オフィスがないのが特徴であり、日本法人の社員も日米各地に居住して勤務している。

 mmhmm の井上健ゼネラルマネージャは、「mmhmmはパンデミックとともに生まれ、パンデミックとともに成長してきた企業。日本ともかかわりの強いサービスである」と位置づけた。

(6/14 11:13更新)記事公開当初、出資者に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。

mmhmm の井上健ゼネラルマネージャ

誰かと一緒にいる時間を大切にする、そのためのツールが「mmhmm」

 mmhmmは、視覚効果が高いビデオを簡単に作成でき、ZoomやMicrosoft Teams、Google Meet、Webexなどのビデオプラットフォームに接続して利用。ビデオ会議やプレゼンテーションを効果的なものにしたり、動画を共有したりといったことが可能になるサービスだ。

 Salesforce.comやAdobe、Netflixなどが導入。日本でもソニーグループやトヨタ自動車、NTTドコモグループが導入しているという。

 mmhmmのリービンCEOは、「コミュニケーションヒエラルキーの最上位には対面があり、これは、同じ場所に同時にいることが前提になる。対面は最高の状態であり、人と一緒にいるということは、いまでは、とても貴重な機会である。次のレイヤーには、ライブのビデオや同期型のビデオ会議によるコミュニケーションがあり、最後のレイヤーには録画されたビデオや、非同期のビデオによるコミュニケーションがある」とし述べた。

 また、「貴重な対面の時間につまらない会議をするのは悲劇でしかない。誰かと一緒にいるならば、スライドを見ている場合じゃない。一緒においしいものを食べたり、信頼を築いたり、人脈を広げたり、お互いを理解するなど、実際に会わないとできないことに時間を使うべきである」と、対面の機会の貴重さを強調した。

 その上で、Zoomなどを使ったライブでの会議について「参加者が同時刻に集合しなくてはならないという点で貴重である。時差も考えながら、スケジュールを調整する必要がある。そして、全員が発言し、インタラクティブな会議になってこそ意味がある。一部の人が発言しており、ほかの人は聞いているだけという状態では、ライブ会議の意味がない」と、時間を共有する意義を強調した。

 「報告会や情報共有会であれば、一番下のレイヤーであるビデオ録画でやるべきである。共有することが目的であれば、事前に録画したビデオでいい。スライドを表示し、楽しい映像効果を加えてビデオを作る方が、ライブでやるよりもずっと簡単である。失敗したら撮りなおせばいいし、見る側も楽である。好きな再生スピードで視聴することもできる。実はほとんどの会議はここで済み、録画や非同期でいいことに気がついた。分散型の働き方のメリットを享受するためには、ビデオを多用することが大切である。そのためのコミュニケーションスーパーパワーとなるのがmmhmmである」と、「ビデオ」の効果とmmhmmの意義を説明した。

 mmhmmは、同期したライブ会議と、非同期のビデオ会議を柔軟に行き来できるようになっていること、既存のビデオサービスのなかで利用できることが特徴であるという。

「日本を訪れたら、会議の時間は最小限にして、毎晩会食に行く」

 また、リービンCEOは、会見のなかで時折、日本語を織り交ぜ、「コロナ禍前には、ほぼ毎月のように日本に行っていた。日本が恋しくて仕方がない」と前置きしながら、「mmhmmを作ったきっかけは、私がこれまで日本で撮影したきた写真を見せたかったことにある」と語った。

 「コロナ禍になって約1カ月を経過した2020年5月に、Zoomの退屈な会議の連続で気分が沈みがちだったときに、ビデオ会議でも人々を笑顔にしたいと思い、サクッとアプリを作り、そこに日本で撮影したInstagramの写真を見せたりした。すると、これがパワフルなアイデアであることがわかった。人の役に立つ製品であり、コロナ後もずっと有効に活用でき、コミュニケーションのスーパーパワーを提供しつづけられる製品になると考えた。それ以来、情熱をかけて作ってきた」と、mmhmmへの思いを述べた。

 そして、「数カ月以内に日本を訪れることができると思うが、それは窮屈な会議室でスライドを見せにいくのではない。日本での会議は最小限にする。その分、多くの人に会って、毎晩会食に行く。日本に行くのは、人とのつながりのためである」と、ビデオの力を使い、誰かと一緒にいる時間を大切にすることを実践すると述べた。

質の高い仕事・質の高い生活の「OOOループ」を生み出す

 販売パートナーとなったドコモ・システムズの松木彰取締役は、「mmhmmを活用することで、テレワークとコミュニケーションの問題を解決できる」と指摘。mmhmm リージョナルヘッドオブセールスの青木隆夫氏は、「NTTドコモグループは、企業のDXを加速するための多くのソリューションを持っている。そこにmmhmmを組み合わせることで、オンリーワンの価値を作ることができると期待している。全国をカバーする営業拠点や、6000人規模の法人営業部門と連携することもできる」とした。

mmhmm リージョナルヘッドオブセールスの青木隆夫氏

 さらに、mmhmmを活用して、ビデオによる発信を続ける役割を担う「mmhmmヒーロー」を任命した。同志社ビジネススクールの河南順一教授、TANRENの佐藤勝彦社長、NTTドコモ 経営企画部 新ビジネス推進 担当部長の中村幸弘氏、Thunder Voltの村上タクタ編集長、ロクナナ UI/UX デザイナーの山本麻美氏の5人を任命。今後もmmhmmヒーローの養成と、発掘を行っていくという。

 mmhmmのリービンCEOは、「OOO(Out-of-Office)ループ」を提唱し、次のように説明する。「ナレッジワーカーやPCを使って仕事をする人にとっては、住む場所や子供にとっての環境を選べたり、働く時間に自由度が生まれれば、家族との時間が増えたり、美術館に行ったり、音楽を聴いたり、健康を大事にすることで、生活の質を上げることができる。それを会社がサポートすれば、より質の高い仕事につながる。仕事の成功や満足は、より高い報酬につながり、さらに生活の質の向上につながる」。

 この自律的な好循環が、「OOOループと」だ。リービンCEOは、「よりよい生活が、よりよい仕事につながり、それがまたよりより生活につながることになる。私たちのミッションは、この好循環を、より多くの人が実践できる機会として提供することである。その方法は、人をどこからでも働けるようにすることであり、分散型の組織になることである」と続けたあと、「そのためには、人や組織に、コミュニケーションスーパーパワーというツールを与えなければならない。それを実現するのがmmhmmである。オフィス以外のどこからでも働けるような世界を、より多くの人に実現してもらうためにmmhmmを進化させる」と、あらためてmmhmmの意義を示した。

OOOループ