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会社員の確定申告、半数以上が「必要な書類を紙で保管」。9割近くが「ペーパーレス化したい」~アドビ調査

 令和4年分(2022年分)の確定申告を予定している会社員を対象に実施した「確定申告予定の会社員のデジタル活用状況および帳票管理に関する実態調査」の結果を、アドビ株式会社が2月7日に発表した。

 この調査は、2023年に確定申告を予定していると回答した20~59歳の全国のビジネスパーソン500人を対象に、2022年12月20日~12月26日にインターネットで実施したもの。

確定申告に必要な書類、「デジタルデータとして保管」は25.6%

 「あなたは普段、確定申告時に必要な領収書などをどのように保管していますか? 最も多いパターンをお教えください」と質問したところ、「紙のままファイルなどでまとめて保管」が53.0%で最も多く、以下、「特に決めていない」が21.2%、「スマートフォンで撮って写真データとして保管」が11.2%、「PDF化してデバイス上に直接保管」が9.0%、「PDF化してクラウド上に保管」が3.8%、「会計ソフト/会計アプリなどと連携させて保管」が1.6%、その他が0.2%だった。半数以上は紙で保管しており、デジタルデータとして保管しているのは計25.6%にとどまっている状況だ。

「あなたは普段、確定申告時に必要な領収書などをどのように保管していますか? 最も多いパターンをお教えください」

 「領収書や請求書などのペーパーレス化を推進し、『紙書類』 を少しでも減らしたいと思いますか?」(n=484)との質問には、「とても思う」が40.3%、「どちらかというと思う」が48.3%、「どちらかというと思わない」が10.5%、「全く思わない」が0.8%だった。「とても思う」「どちらかというと思う」を合わせると88.6%がペーパーレス化が理想だと考えている。

「領収書や請求書などのペーパーレス化を推進し、『紙書類』 を少しでも減らしたいと思いますか?」

 しかし、ペーパーレス化は進んでいない。先の質問で紙書類を減らしたいと答えた人に対して、思うようにペーパーレス化できているか尋ねたところ、「全くできていない」が17.7%、「どちらかというとできていない」が35.9%で、合わせて53.6%がペーパーレス化が進んでいない状態だ。

 このようにペーパーレス化が進まない理由として「対応する時間がない」が34.8%、次いで「ソフトや機器購入に費用がかかる」が25.2%、「何をしてよいかわからない」が22.2%となっている。

 確定申告に必要な領収書や書類をペーパーレス化して保存している人は計25.6%いるが、ここで有用なのが「OCR(光学文字認識)」だ。「あなたは、『OCR』機能のことをご存知ですか?」と質問したところ、「OCR機能を知っており使ったことがある」は29.2%にとどまっており、続いて「OCR機能は知っているが使ったことはない」が26.0%、「名前だけはなんとなく聞いたことがある」が18.0%、「知らない/聞いたことがない」が26.8%となり、「7割以上がOCR機能を活用していない」としている。

「あなたは、『OCR』機能のことをご存知ですか?」

副業の有無でe-Taxの利用移行に差、副業ありの会社員のほうが

 会社員が確定申告を行う理由として挙げられるのが副業だ。「確定申告の申請方法はどの方式を予定していますか?」との質問では、「e-Taxを利用する(PCを利用)」と答えたのは、副業をしている人で42.0%、副業をしていない人で35.5%。「e-Taxを利用する(スマートフォン利用)」は、副業をしている人で25.1%、副業をしている人で14.0%だった。合計すると、e-Taxを利用する予定の人は、副業をしている人で67.1%、副業をしていない人で49.5%となる。

 その一方で、「税務署に直接持参する」は、副業をしている人/していない人でそれぞれ21.3%と23.9%。以下、同様に「郵便または信書便で税務署へ郵送」がそれぞれ5.8%と9.6%、「税務署の時間外収集箱へ投函」がそれぞれ1.0%と1.7%、「その他」がそれぞれ0.0%と1.4%、「分からない/決めていない」がそれぞれ4.8%と14.0%だった。

 副業の有無で比較すると、副業をしている人のほうがe-Taxの割合が高く、逆に副業をしていない人はe-Tax以外の方式を選ぶ人が多いことになる。

「確定申告の申請方法はどの方式を予定していますか?」