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総務省、令和5年版「情報通信白書」公表。テーマは「新時代に求められる強靱・健全なデータ流通社会の実現に向けて」

「令和5年版情報通信白書」の表紙

 総務省は7月4日、「令和5年情報通信に関する現状報告(令和5年版情報通信白書)」を公表した。今回の特集テーマは「新時代に求められる強靱・健全なデータ流通社会の実現に向けて」。情報通信白書は昭和48年から発行されており、今回で51回目。

「令和5年版情報通信白書の概要」より)

 第1部の特集「新時代に求められる強靱・健全なデータ流通社会の実現に向けて」(50ページ程度)、第2部の「情報通信分野の現状と課題」(200ページ程度)、「政策フォーカス」で構成されている。

 第1部は、第1章「通信インフラの高度化とデータ流通の進展」、第2章「データ流通・活用の現状と課題」、第3章「強靱・健全なデータ流通社会の実現に向けて」となっている。

 ここでの「データ」には、パーソナールデータも含まれている。携帯電話やインターネットの普及により、パーソナルデータの流通が進んでいるが、活用は進んでいない。企業側では「パーソナルデータ活用における障壁・課題」として「データの収集・管理に係るコスト」や「データの管理に伴うリスクや社会的責任の大きさ」を挙げている。

 一方のユーザー側も「プラットフォーマーへパーソナルデータを提供することについて不安を感じている」として、両者とも消極的だ。

 また、健全なデータ流通で課題となるのは、誹謗中傷、偽情報、誤情報がSNSを用いて広がることだ。生成AIにより作られた偽画像や動画が流通することで、加速的に広がる恐れがあるとしている。

「令和5年版情報通信白書の概要」より

 第2部の第4章は「ICT市場の動向」として、統計を掲載。第5章の「総務省におけるICT政策の取組状況」では、ICT分野における省内横断的な取り組みとして「デジタル田園都市国家構想」の推進、電気通信・電波政策・放送政策など、各領域において総務省が実施する政策や今後の方向性などが整理されている。

 「政策フォーカス」では、話題性のある政策案、特に重点的に取り組んでいることが挙げられている。

「令和5年版情報通信白書の概要」より

 これら情報通信白書の内容は、一部を除き、「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス表示 4.0 国際」に準拠することで二次利用が可能だ。

 令和5年版情報通信白書の電子版は全て、無料でPDF版とEPUB版が公開されている。HTML版は今のところ統計情報のみで、8月中旬をめどに全てのページを公開する予定だ。

 電子書籍版はKinoppy、Kobo、Kindleにて順次配信。スマートフォン向けのアプリ「情報通信白書」では、令和5年版が閲覧できる。対応OSは、Android 9.0以上/iOS 13以上。

 そのほか、印刷書籍版を7月14日より主要書店、政府刊行物サービスセンター、官報販売所で販売する予定だ。

 また、英文版白書、小学生向けには「情報通信白書 for Kids」が後日、公開される。