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還付金詐欺、ネットバンキングを使った手口も――国民生活センターが注意喚起

「電話で口座番号と暗証番号を伝えた」という相談事例も

 独立行政法人国民生活センターは7月26日、全国の消費生活センターなどに寄せられる還付金詐欺に関する相談が増えているとして、注意喚起を行った。「役所等から『お金が返ってくる』という電話がかかってきたら、それは還付金詐欺です」と呼び掛けている。

 市役所の保険課などの自治体窓口、年金事務所、厚生労働省などをかたり、電話で税金や保険料などが還付されるなどと言って、そのための手続きとしてATMに誘導するなどしてお金をだまし取るのが、還付金詐欺の典型的な手口だ。近年、手口が多様化しており、ATMからお金を振り込ませるのでなく、インターネットバンキングを使って振り込ませる手口も見られるという。

 同センターが紹介している相談事例には、「市役所から、健康保険の還付金があるのでATMに行くようにと電話があった」「年金事務所と金融機関を名乗った電話があり、指示通りにATMを操作したら振り込みをしていた」といったもののほか、「インターネットバンキングで手続きをすると言われ、口座番号と暗証番号を伝えた」というものもある。

 還付金詐欺の手口には、役所などの担当者をかたって「お金が返ってくる」などと電話をしてくる人物が1人の場合のほか、役所の担当者と金融機関の担当者をかたる別の人物がそれぞれ電話をかけてくる「劇場型勧誘」もあるという。そして、いずれの場合も、お金を受け取る手続きだとして、ターゲットにATMの操作やネットバンキングの操作などの指示をする。

 同センターでは、アドバイスとして、「役所等から『お金が返ってくる』という電話がかかってきたら、それは還付金詐欺です」と繰り返すとともに、還付金に心当たりがある場合は役所の担当者などを調べて自分から連絡すること、名前や住所、銀行名、口座番号などの個人情報を聞かれても絶対に答えないこと、防犯機能付き電話機の導入や、電話機の留守番電話機能、ナンバー・ディスプレイ機能などで不審な電話を対策することを挙げている。

 また、不安を感じたら、家族や知人、警察、最寄りの消費生活センターなどに相談するようにとして、警察相談専用電話「#9110」、消費者ホットライン「188(いやや!)」を案内している。

相談情報のデータベース「PIO-NET」(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)での還付金詐欺に関する年度別相談件数の推移。022年に4849件の還付金詐欺に関する相談が寄せられたという

 なお、NTT東西では、電話を使った不審な電話の対策として、2023年4月に高齢者向けに固定電話のナンバーディスプレイを無償化している。