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ヤマハ、「SRv6 MUP」を用いた5G環境でリモート合奏の実証実験

ソフトバンクの技術を活用し、モバイル回線でも低遅延の接続を確保

 ヤマハ株式会社とソフトバンク株式会社は8月7日、遠隔地にいる相手とオンラインでリモート合奏が楽しめるサービス「SYNCROOM(シンクルーム)」にて、モバイル通信の遅延を小さくする技術の実証実験を開始したと発表した。ソフトバンクが開発した「Segment Routing IPv6 Mobile User Plane(SRv6 MUP)」が用いられる。

モバイル版「SYNCROOM」を利用している様子。インターネットを介して合奏が可能

 SYNCROOMは、ヤマハが提供するサービスで、インターネットを用いて双方向の送受信において遅延を極力小さくする技術「NETDUETTO」を採用している。しかしNETDUETTOは光回線での利用が前提であり、モバイル回線ではリモート合奏に必要な低遅延の接続が確保できない場合があるという。この課題を解決するのがSRv6 MUPだ。

 通常、5Gの通信は端末同士の通信を確立するために、主要拠点に設置されたパケット交換設備(UPF:User Plane Function)を経由する必要がある。これに対してSRv6 MUPではUPFを経由せずに近くのルーターのみを経由するため、「最短ルートでの通信が可能となり、低遅延化が期待できる」という。

左側は通常の5Gネットワーク。右側がSRv6 MUPを採用したときのイメージ

 ヤマハでは、「この環境においてモバイル接続での検証を進め、遅延のストレスを感じないオンライン合奏がより手軽に実現できるよう、『SYNCROOM』の性能のさらなる向上を目指す」としている。