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ドラマ「VIVANT」を制作したのは「人材のため」 TBSの福澤克雄氏がコメント~AMDアワード受賞で
「THE FIRST SLAM DUNK」の井上雄彦氏、宮城リョータ役の仲村宗悟氏も登場した授賞式の模様
2024年3月6日 15:55
一般社団法人デジタルメディア協会(Association of Media Digial:AMD)は3月5日、「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'23/第29回AMDアワード」の授賞式を東京都内で開催した。
AMDアワードは、デジタルコンテンツの質的向上と人材育成の促進を目的として最新のコンテンツの中から優秀な作品やサービスを選定し、制作者を表彰するアワード。2023年1月1日~12月31日の間に発売・発表されたデジタルコンテンツおよびサービスを対象とした年間コンテンツ賞「優秀賞」として「新しい学校のリーダーズ」や「アニメ【推しの子】」 など10作品のほか、「功労賞」「江並直美賞(新人賞)」「リージョナル賞」がすでに発表されている(全受賞作品の詳細情報と授賞理由はこちら)。今回の授賞式では、優秀賞の中から「大賞/総務大臣賞」と「AMD理事長賞」が発表された。
大賞/総務大臣賞は、「日曜劇場『VIVANT』」(TBSテレビ)に決定。AMD理事長賞には「THE FIRST SLAM DUNK」(THE FIRST SLAM DUNK Film Partners.)が選出された
デジタルとはほど遠かった「VIVANT」の制作現場、「泥臭く生きていきたい」と堺雅人氏が振り返る
「日曜劇場『VIVANT』」は、TBSの福澤克雄氏が原作・演出を担当した完全オリジナルドラマ。日本を代表する役者陣だけでなく、ハリウッドやモンゴルからのキャストも加わり、ハイクオリティな映像美や伏線が張り巡らされたストーリーがSNSでも話題を呼んだ。配信ではTVerやTBS FREEにおいて累計5000万再生を記録し、U-NEXTでも新規会員登録が増えるなど大きな反響を呼んだ。
授賞式には、福澤氏と主演の堺雅人氏が登壇。福澤氏は「当たって良かった」と笑顔を見せながら、「今回なぜ私がVIVANTを作ったかというと、人材のためです。テレビ局がドラマ制作のノウハウを続けるために、大きなものを作ることで新たな未来・希望を目指してもらいたいと思いました」とコメント。一方、堺氏は「デジタルコンテンツということで選ばれた賞ですが、思い浮かぶのは本当にデジタルとはほど遠い、スタッフが足踏みで砂を巻き上げながら撮影した現場で、そういう生きている人間のドキドキとか鼓動を思い出します。ドラマ作りの基本はやはりそういうところにあると思いながら、今回の賞を励みに、キャストやスタッフみんなと分かち合いながら泥臭く生きていきたいと思います」と語った。
仲村宗悟氏の喋る声が「そのまま宮城リョータ。そのまま演じていただければ」
「THE FIRST SLAM DUNK」は、原作者の井上雄彦氏自らが監督となって作り上げた新作映画で、モーションキャプチャーを駆使した3DCGと魅力的なキャラクター、ストーリーの疾走感などによって、原作を読んだことのない人たちも引き込み、国内興行収入は158億円を超えてアジア各国でも大ヒットとなった。マンガがそのまま動き出したようなアニメーションで新たな感動を生み出した創造性が評価された。
授賞式には井上氏と、宮城リョータ役を演じた仲村宗悟氏が登壇。井上氏は、「映画を見てくださった方々に感謝を申し上げたいです。見てくださった方の心の中に何かポジティブな、さざ波のような何かが残っていればすごくうれしいです」とコメント。仲村氏は、「監督からは『仲村さんが喋っている声を聞いて、そのまま宮城リョータだと思ったので、そのまま演じていただければこの作品は良くなります』というお話をいただいて、本当に良い収録に臨めました」と語った。
「Pokémon Sleep」で“睡眠”をテーマにゲームの新境地
大賞/総務大臣賞およびAMD理事長賞の発表に先立って、優秀賞の授賞式も行われた。インターネット関連の作品としては、スマートフォン向けの睡眠ゲームアプリ「Pokémon Sleep」(株式会社ポケモン)が受賞。2023年7月配信の翌月には世界累計ダウンロード数1000万突破の人気アプリとなり、“睡眠”をゲームのテーマとする新境地を切り開いたとして評価された。
プロデューサーの小杉要氏は、「ポケモンの社是は、ポケモンという存在を通じて現実世界と仮想世界の両方を豊かにすることです。先日実施した調査では、Pokémon Sleepを3カ月以上プレーすると睡眠時間が約1時間10分延びるということが明らかになりました。睡眠不足が社会課題となる中、このアプリが人々の行動変容につながり、仮想世界だけでなく現実世界にも影響を与えたことをとても光栄に思います」と語った。
佐賀市、市民証も実装する公式スーパーアプリで「新しい行政の開発スタイルに挑戦」
このほか、リージョナル賞として、佐賀市が配布しているスマートフォン用アプリ「みんなで創る!佐賀市公式スーパーアプリ SAGACITY」(佐賀市/株式会社オプティム/一般社団法人コード・フォー・ジャパン)が受賞した。同アプリでは、ごみ収集日の通知やデジタル図書館カード、電子申請、防災対応など、さまざまな行政情報を提供。マイナンバーカードを活用した本人確認を行えるデジタル市民証も実装するほか、地域マップや掲示板などによる双方向のコミュニケーションも行われている。
コード・フォー・ジャパンの榊原貴倫氏は、「自治体が年間何度も更新するというアプリケーションを提供するというのは本当に難易度が高く、佐賀市のみなさまは新しい行政の開発スタイルに挑戦されていると思います。これからも佐賀の市民のみなさま、企業やNPOのみなさま、ここにおられるすばらしいコンテンツクリエイターと連携することで、より良いデジタルコンテンツになることを祈っております」と語った。
新人賞は地図界隈から選出、「れきちず」作者のグラフィックデザイナー
また、江並直美賞(新人賞)として、株式会社MIERUNEの加藤創氏が受賞した。加藤氏は「地図とかデザインとか(@chizutodesign)」の名前で、地図をUIとしてさまざまな情報を可視化し、作品として公開しているグラフィックデザイナー。送電網を路線図風に描いた「関東の電力系統図」や、古代道路や平均気温など、数々のユニークな地図を発表し、2023年には、現代の地図デザインで江戸時代を楽しめる地図サイト「れきちず」を公開した。
加藤氏は、「れきちずの制作には、さまざまな文献と、オープンソースと呼ばれる、有志の方々が協力して作る無償のソフトウェアを活用しました。こうした文献やソフトウェアに携わる方々がいなければ今回の賞をいただくことはなかったと思います。この場を借りてお礼を申し上げます」と語った。
「グローバルに受け入れられるものを日本がどんどん発信できることを証明」審査員長・夏野剛氏が総評
AMDアワード審査員長の夏野剛氏は総評として、「今年の特徴は、グローバルに受け入れられるものを日本がどんどん発信できるんだということを証明できていることだと思います。今、世界中で日本のコンテンツがブームになっています。これは日本にとって大事なことだと思いますし、次に続く人たちがどんどん出てくることが元気になる源だと思います」と語った。
作品名 | 制作・関連会社等 |
▼優秀賞 | |
新しい学校のリーダーズ | 新しい学校のリーダーズ |
アニメ【推しの子】 | 【推しの子】製作委員会 |
ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー | Illumination/任天堂株式会社 |
THE FIRST SLAM DUNK | THE FIRST SLAM DUNK Film Partners. |
将棋チャンネル | 株式会社 AbemaTV |
STOP! 海賊版「ありがとう、君の漫画愛。」 | 一般社団法人 ABJ |
ストリートファイター6 | 株式会社カプコン/「ストリートファイター6」プロデューサー松本脩平 |
日曜劇場「VIVANT」 | TBS テレビ日曜劇場「VIVANT」 |
「PARCO HAPPY HOLIDAYS 2023」生成 AI 広告 | 株式会社パルコ |
Pokémon Sleep | 株式会社ポケモン |
▼功労賞 | |
任天堂株式会社 代表取締役フェロー 宮本茂 | |
▼江並直美賞 | |
株式会社 MIERUNE グラフィックデザイナー 加藤創 | |
▼リージョナル賞 | |
みんなで創る! 佐賀市公式スーパーアプリ SAGACITY | 佐賀市/株式会社オプティム/一般社団法人コード・フォー・ジャパン |