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Amazonからメッシュルーター「eero」シリーズ。Wi-Fi 7、および6E/6対応の3製品が登場

左から順にeero Max 7、eero Pro 6E、eero 6+

 Amazonは、メッシュWi-Fiシステム 「eero」(イーロ)」シリーズ3製品の国内販売を開始した。Wi-Fi 6対応の「eero 6+」は1万9980円、Wi-Fi 6E対応の「eero Pro 6E」は3万6980円で9月18日からの出荷。最上位モデルとなるWi-Fi 7対応の「eero Max 7」は9万5980円で、10月23日からの出荷となる。

数百台の環境でもテスト、安定した通信に注力する開発体制

 記者会見において、eeroのニック・ウィーバー氏(共同創業者兼 CEO)は、「日本はテクノロジーにおいて先進的な国であり、高速インターネットやコネクテッドデバイスでも知られている国である。すばらしいWi-Fiの体験を日本に提供できる。体験してもらったユーザーは、eeroのアンバサダーになってくれると思う」などと語った。

eero 共同創業者兼 CEOのニック・ウィーバー氏

 eeroは、2014年に設立した家庭用メッシュWi-Fiルーターのスタートアップ企業で、2019年にAmazonが買収した。現在、25カ国に展開し、数1000万台のデバイスを出荷した実績を持つ。米国、ブラジル、ドイツ、ベトナム、台湾にエンジニアリングセンターがあり、全世界で24時間365日のサポート体制を敷いている。

 「ultra-simple, reliable wireless Internet for the home」(超シンプルで信頼性の高い家庭用ワイヤレスインターネット)」を設計思想に持ち、同社が特許を持つTrueMeshテクノロジーが特徴だ。

 TrueMeshテクノロジーは、ネットワーク上のトラフィックを能動的に管理し、各デバイスを、その都度、最適なネットワーク経路に誘導し、ネットワークの切断を減少させて、家全体のシームレスなWi-Fi環境を実現するという。

 これにより、安定した高速通信環境の実現や多数同時接続といった性能に対する評価のほか、セキュリティ対策やネットワーク管理でも高い評価を得ている。「ラボでは数百台の製品を活用した環境でもテストを行っている。さまざまな環境でテストを行い、安定した通信環境の実現に力を注いでいる」とした。

アプリで簡単セットアップ、「eeroビルトイン」でEchoシリーズと連携

 また、eeroアプリによるスマートフォンを通じた簡単なセットアップも、特徴のひとつだと強調する。製品を取り出し、インストールしたアプリのガイドに従うだけで、わずか数分でWi-Fのセットアップが完了。さまざまな機器を接続し、管理できるようになる。接続しているデバイスや接続速度が確認できるほか、接続診断と改善のヒントをアドバイスしたり、家族やゲストとの接続を共有できたりすると、ウィーバー氏は説明した。

 さらに、今後提供予定の「eeroビルトイン」機能を使うことで、Amazon EchoシリーズのデバイスがWi-Fiエクステンダーとなり、Wi-Fi範囲を拡張可能になる。現時点では第4・5世代のEcho PopやEcho Do、第4世代のEcho Dot with clockおよびEchoが対応可能で、家庭内でのデッドスポットの発生や、バッファリングに要する時間を軽減できるという。

 「eeroを所有している家庭において、Amazonデバイスがよりうまく連携できるようにすることを考えて設計している」と、ウィーバー氏は述べ、新たなデバイスを追加することなくWi-Fi範囲を拡張できる点は、家庭においては重要な機能になるとした。さらに、ZigbeeやMatter、Threadに対応したスマートホーム製品は、eeroシリーズに内蔵したスマートホームハブにより、Alexaとペアリング可能になる。

コンパクトで部屋の雰囲気を損なわないデザインを採用

 ウィーバー氏がもう1つ強調した点が、デザインだ。「できる限りフォームファクターを小さくしている。また、部屋の雰囲気を損なわないデザインを採用している。その結果、家のあらゆる場所に置くことができ、最大のパフォーマンスを発揮できるようになる」と語った。

各製品のパッケージ

Wi-Fi 7/6E/6+対応の3製品をラインアップ

 eeroシリーズは、最新規格であるWi-Fi 7、そしてWi-Fi 6E/6に対応した3種類の製品をラインアップしており、いずれも、シリーズ間の複数製品で独自のメッシュ機能「TrueMesh」によりメッシュを構築可能だ。

各製品の比較

 Wi-Fi 7対応の「eero Max 7」はトライバンドに対応し、6GHzは320MHz幅対応で、最大4.3Gbpsの通信速度。有線ポートはWAN/LAN自動判別の10Gbps×2、2.5Gbps×2の全4ポートを備え、合計最大9.4Gbpsに対応するとしている。

 1台あたり230m²をカバーし、1台あたり約200台のデバイスを同時接続可能。本体サイズは90×184×222mm。ゲーマーやストリーマー、コンテンツクリエーターなど、高負荷なネットワーク接続を求めるユーザーに加えて、小規模なカフェやショップ、SOHO事業者のオフィスなどに適しているという。

eero Max 7

 Wi-Fi 6E対応の「eero Pro 6E」もトライバンド対応で、有線ポートはWAN/LAN自動判別の2.5Gbps×1ポート、ギガビット×1ポートを備える。最大通信速度は2.3Gbps、無線では1.6Gbps、有線では1Gbps、に対応するとしている。

 カバー範囲は1台あたり190㎡。同時接続可能なデバイス数は約100台。本体サイズは142×139×55mm。戸建てや居住スペースの広い家での利用を想定しており、ARやVR、4~8K動画の視聴にも適しているとする。

eero Pro 6E

 Wi-Fi 6対応の「eero 6+」はデュアルバンド対応で、有線ポートはWAN/LAN自動判別のギガビット対応×2。最大1Gbpsの通信速度に対応するとしている。

 カバー範囲は1台あたり140㎡、同時接続可能なデバイス数は約75台。本体サイズは99×97×66mm。ワンルームで多くの機器を使用したい場合や、1LDKおよび2LDKで、2~3人の家族で利用する場合に適しているとする。

eero 6+

セキュリティ機能などが利用できるサブスク「eero Plus」も提供

 eeroシリーズ用の有料サブスクリプションサービス「eero Plus」の提供が、近日中に開始される。高度なオンラインセキュリティ機能のほか、コンテンツフィルターや特定のアプリへのアクセスのブロックなどのペアレンタルコントロール、パスワード管理の「1Password」、マルウェア保護の「Malwarebytes」、DNSFilterが提供するVPN機能である「Guardian」、ウェブサイト閲覧時に出てくるポップアップによる一部広告をブロックする機能などが利用できる。

 Amazonでは、ゲームや配信サービスなど、家庭内でのデジタルエンターテイメント体験が、世代を問わずに拡大するなか、様々な機器が連携しており、家庭に求められるWi-Fi接続環境が進化することを指摘。eeroが、これからの家庭にあるべきWi-Fi接続を提供することができると自信をみせる。

 また、日本においても、専任のサポート部門を設置して、無料サポートを提供する考えを明らかにし、ユーザーの家庭内での利用を支援することになるという。TrueMeshテクノロジーが実現するeeroの価値をしっかりと提案できるかが、日本における販売拡大の鍵になりそうだ。