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ライターを雇い8000作品以上の「映画ネタバレサイト」を運営、仙台在住の経営者ら5人を著作権法違反の疑いで逮捕
2025年5月22日 07:30
宮城県警察本部と南三陸警察署は5月20日、権利者に無断で映画の著作物のストーリー全容を文字起こした、いわゆる映画の文字抜き出しサイト/ネタバレサイトを運営していたとして、仙台市在住の会社経営者ら男女5人と運営会社を、著作権法違反の疑いで仙台地方検察庁に送致した。一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)が発表した。
被疑者5人は2023年11月に、「ゴジラ-1.0」「新・仮面ライダー」「シン・ウルトラマン」「首」などの作品内の登場人物の名称、台詞、動作、情景、場面展開といったストーリー全体の克明な内容を権利者で無断で文字起こしし、関連画像とあわせた記事をサイトに掲載して、広告収益を不当に得ていた。そのサイトには、把握されているだけで8000作品の映画に対する、詳細な文字起こし情報が掲載されていたという。
宮城県警の捜査を受け、CODAは被害に遭った権利者のとりまとめを行った。CODAでは同種の事例として、2024年10月に映画の文字抜き出しサイト運営者の逮捕に協力しており、法人が著作権法違反の疑いで送致される前例は数少なく、いずれの事例も非常にまれなケースであるとしている。
本件では捜査の結果、被疑者5人の役割は全体を統括する経営者、記事公開を担当する従業員、記事執筆を担当するライターといった役割分担がされており、ライターは人材エージェントを介して募集していたことも判明し、組織的かつ営利目的の著作権侵害行為であることが分かったという。
CODAでは「今後も引き続き日本のコンテンツの不正利用の一掃に尽力し、コンテンツ保護と健全な正規流通促進および健全なインターネット社会が醸成されることを期待して活動してまいります」としている。