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J:COM、中長期的な研究・技術開発を行うR&Dセンターを設立。MediaTekと協力しWi-Fi 8の実証実験

JCOM株式会社 R&Dセンター長 吉兼昇氏

 JCOM株式会社は5月26日、中長期的な研究・技術開発を行うR&Dセンターを4月に設立したと発表し、メディア向けの説明会を実施した。初期施策として、Wi-Fi 8の実証実験を6月より開始する。

 同センターは、「『暮らしのうれしい』と『地域のゆたかさ』を技術革新により支え、お客さまや地域社会に貢献できる技術を創造し、より良い未来を拓いていく」をビジョンに、将来の暮らし・サービス・運用を見据えた技術を先取りし、事業成果につなげるための研究開発基盤を強化することを目的に設立された。

R&Dセンターのビジョン

 2026年度の重点テーマを「暮らしの重要なインフラである通信とそれを支えるネットワークの高機能化」に設定している。具体的な取り組みとして、「ネットワークの自律運用」「CPSによる局舎運用の高度化」「宅内同軸配線の無線化」「センシング」の、4つの研究・実証に着手する予定。

2026年度の取り組み

 初期施策として、Wi-Fi 8の実証実験を6月より開始する。MediaTekと協力して実施されるもので、将来のサービス提供を見据えた宅内Wi-Fi環境における通信品質向上の可能性を検証することを目的としている。

 Wi-Fi 8は、標準化に向けて仕様策定中の「IEEE 802.11bn」に基づいた規格。使用する周波数帯や最大通信速度などはWi-Fi 7と同等だが、超高信頼性(Ultra High Reliability)を特徴としており、混雑環境下での安定性向上が期待されている。

 具体的な実験内容として、多接続環境下で通信帯域を無駄なく同時に利用する機能の「DSO」(Dynamic Sub-band Operation)と、電波干渉下でノイズがある通信帯域を避ける機能の「NPCA」(Non-Primary Channel Access)の有効性を確認する。一般家庭の利用状況を想定した、戸建て住宅および集合住宅に近い環境で実施される。

 同センターでは、通信とネットワークの高機能化を目指すほか、AIやロボティクスなどの研究開発分野を設定しており、2030年~2035年の間に「映像とコミュニケーションの革新」「メディアコミュニケーションの新しい楽しみ方」「インフラの運用の高度化」「安心・安全な暮らしの支援」「労働スタイルの革新」の、5つのテーマに取り組む予定だという。

2030年~2035年に取り組むテーマ
取り組む研究分野

 センター長の吉兼昇氏は、「これまでの放送や通信の経験を生かし、新しい技術と交わりながら、利用者や地域社会に貢献できる研究開発を進めていく。単なる技術検証で終わらせず、実装までこぎつけることで、利用者の体験価値向上に役立てていきたい」と、抱負を語った。