「Google Earth」に月面モードが追加、月着陸40周年記念


Google Earthの月面モード

 米Googleは20日、Google Earthに月面を閲覧できるモードを追加した。これにより、Google Earthのユーザーインターフェイスを使って月面探査を楽しんだり、月に関する歴史的コンテンツを見ることができる。

 今回の発表は、1969年7月20日にアポロ11号が月に着陸してから40周年となることを記念して、この日付を選んで行われた。

 Googleはこれまでにも月に関するプロジェクトに取り組んできており、2005年にはWebブラウザで月面地図を検索できる「Google Moon」を公開している。Google Earthの月面モードでは、Google Moonよりもさらに多くのコンテンツやデータを追加。データの多くは、GoogleとNASAが締結した「Space Act Agreement」によって提供されており、月の地形データには日本のJAXAによる月探査衛星「かぐや」のデータが使用されている。

 Google Earthの月面モードは、Google Earthのバージョン5.0で利用できる。既にバージョン5.0を使用している場合には、アップグレードは必要ない。Google Earthのツールバーにある惑星ボタンをクリックし、ドロップダウンメニューから月を選択すると、月面モードに変わる。

 コンテンツでは、これまでの月探査の歴史もたどることができる。米国、ソ連、中国、EU、日本、インドによる月探査の経過が見られるほか、探査機が着陸に成功した場所では、探査機の3Dモデルも見ることができる。また、宇宙飛行士が撮影した写真などによって生成された3D画像を、ストリートビューのような画面で見ることもできる。

 このほか、月に関する著作で有名な作家のAndrew Chaikin氏や、アポロ11号宇宙飛行士のBuzz Aldrin氏によるガイドツアーも英語で提供される。これとは別に、アポロ宇宙船の航行に使用されたコンピュータ「Apollo Guidance Computer」のソースコードもGoogle Codeで公開されている。

Google Earthで地球の砂漠化や気候変動をモニターできる新機能も

米Googleで製品開発担当副社長を務めるジョン・ハンキ氏
月面の地質図を表示させたところ

 21日には宇宙航空研究開発機構(JAXA)の東京事務所で、JAXAとGoogleが共同会見を開催した。

 会見でGoogle日本法人の河合敬一プロダクトマネージャーは、「月面を立体的に表示するには、JAXAのデータが不可欠だった」と感謝を示した上で、Google Earthの月面モードでは、アポロ11号が月面着陸するまでの様子をシミュレーションしたツアー機能を紹介。「宇宙に対する知的好奇心を刺激するきっかけになれば」と期待を示した。

 米Googleで製品開発担当副社長を務めるジョン・ハンキ氏は、Google Earthの月面モードに関して、「我々はある意味でオタクの集まり。初めて人類が月に降りた瞬間について、何かしたいと思っていた。サービスを提供できたことは非常に喜ばしいこと」と満足げに語った。

 Google Earthは天体を観測できる「Google Sky」モードのほか、バージョン5.0では海底の観測が可能。ブラウザ上で火星の表面を閲覧できる「Google Mars」も提供中だ。今後の新機能についてハンキ氏は、「NASAやJAXAがデータを提供してくれれば」と語ったが、JAXAとの協業では地球の砂漠化や気候変動をモニターする機能の開発を目指したいとした。

 JAXAの月・惑星探査プログラムグループの佐々木進氏(SELENEプロジェクトチーム プロジェクトマネージャ)によれば、月面の画像データはJAXAが無償で提供しているという。また、2009年11月以降は、現在よりもさらに高精細な画像をGoogleに提供することも検討するとしている。

アポロ11号が月面着陸するまでの様子をシミュレーションしたツアー機能アポロ11号の機内から月面を見たところ

関連情報

(青木 大我 taiga@scientist.com)

2009/7/21 11:56