独IT業界団体、中国政府にハイテク市場開放を要求
独IT業界団体のBITKOMは15日、中国政府に対して、IT製品などのハイテク市場の貿易障壁を除去するよう要求したと発表した。
今回の声明は、ドイツのウェスターウェレ外務大臣の中国訪問に合わせて発表されたものだ。その中でBITKOMは、今や中国は欧州にとって電子製品の最大の輸出国であり、中国が自国の市場に貿易障壁を設けていることは許されないと指摘。ドイツ連邦政府も中国に対して、市場開放や透明性の確保を要求していくべきと指摘した。
また、中国の課している付加税が市場の閉鎖性を促進し、2国間の関係を悪化させるとも指摘。自国製品の優遇は事態を悪化させており、BITKOMとしては、中国においてドイツ企業が公平に扱われるようにするよう要望している。ドイツの2009年における中国へのIT製品輸出額は4億8000万ユーロで、中国からの輸入は145億ユーロだった。
BITKOMは、今回の要求に至った問題の本質として、ソフトウェアやハードウェアなどのハイテク製品に高い関税をかけられることのほか、輸入手続きの不透明さや中国独特の規格・標準も参入障壁になっていると指摘している。
不透明な製品認証としては、2010年5月1日から導入されるCCC(Chinese Compulsory Certification)と呼ばれる認証方式が問題だとしている。CCCでは、国家の発行する証明書がなければ、IT製品を中国で輸入・販売することができないことになる。CCCが必要な製品としてはセキュリティ製品(例えばファイアウォール)、OS、データ複製製品、ネットワークコンピューター(ルーター)などが含まれている。商業用のセキュリティ技術を有する製品も対象となり、携帯電話やチップカードなども含まれるという。
CCCは国際基準であるISOとも異なり、認証プロセスにおいて中国当局は、ソフトウェアのソースコードやチップの設計図などの情報を当局に提出・開示することを義務付けており、欧米で通常交わされる非開示条項が適用外とされてしまうという。知的財産権の保護が保障されず、ノウハウが流出する危険性が指摘されている。
中国当局はこれまでにも中国以外の企業に対して、MLPSと呼ばれる独自の基準をセキュリティ分野で2007年8月から導入している。今回の措置はこれを拡充するものであり、欧州企業にとってまさに参入障壁になるものだとしている。
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(Gana Hiyoshi)
2010/1/18 16:20
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