ドイツ市民の23%「体内にコンピューターチップ埋め込んでもいい」


 独IT業界団体のBITKOMが14歳以上の1000人を対象に行った調査の結果によると、ドイツ市民の58%は、インターネットのない生活はもはや考えられないと回答したという。

 BITKOM関係者が「バーチャルとリアルの境界はすでに消失している」と評価するこの調査結果は、ドイツ・ハノーバーで開催されたIT展示会「CeBIT」でも大々的に紹介された。29歳以下の層では、インターネットはラジオやテレビ、新聞、書籍などを遙かに引き離して「ナンバーワンのメディア」となっている。今年のCeBITのテーマの1つは「Connected Worlds」だったが、この調査結果は、まさにそれが現実のものであることを示しているといえる。

 インターネットですでに生活が一変しているとドイツ市民は感じているようだ。62%が、すでにインターネット利用により全体として生活が改善したと回答した。特に、51%は教育分野で改善したと回答、44%は求職が改善したと回答している。社会のあり方も変化しており、57%がインターネットを通じて友人ができたと回答、18%は恋人などパートナーを手に入れたと回答している。

 バーチャルとリアルの境界の消失は、業務目的かプライベート目的かの境界も消失させている。回答者の85%が、業務時間外にも上司や同僚、取引先とインターネットで連絡可能であるとしており、他方で43%が業務時間中にプライベートのインターネット利用をしているという。

 ドイツでのインターネット普及率は71%で、若年層および中年層(50歳未満)では90%を超えている。高年齢層の50~64歳でも62%にまで達しているという。65歳以上の32%という普及率はやむを得ないとして、ドイツ社会はすでにインターネット化されたといえよう。

 興味深い調査結果としては、回答者の23%が、利点があれば体内にコンピューターチップを埋め込んでもいいと回答していることだ。例えばチップに身体情報や病歴などを記憶させれば、救急時やセキュリティ対策に利用できる。また、ショッピングが楽になると考えてチップの埋め込みに賛成している人も5%あった。

 インターネット化の進展がドイツでも大きな変革を及ぼしている。今後、インターネットネイティブ世代が社会の中心になるにつれ、さらなる変革が予想される。


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(Gana Hiyoshi)

2010/3/8 14:55