警察博物館で春休み展示、「フィルタリングは親の義務」アピール


 警察博物館(東京都中央区)で3月31日まで、春休みの特別イベントとして「警視庁フィルタリング特別展2010~子の携帯 フィルタリングは 親の義務~」を開催中だ。主にパネル展示を通じて、携帯電話などのフィルタリングサービスの仕組みを説明するとともに、出会い系サイト等を通じて青少年が被害に遭った事例や援助交際など目的とした書き込みの事例も紹介。保護者に向けて、子どもに出会い系サイトを利用させないことや、携帯電話やPCなどにはフィルタリングサービスを適用することなどを呼びかける。

 警察博物館の開館時間は午前10時から午後6時まで(最終日の展示は午後1時まで、3月29日は休館日)、入場は無料。特別展は、警視庁生活安全部が主催、東京都青少年・治安対策本部と東京都教育委員会が共催する。


警察博物館特別展は、博物館5階のイベントホールで開催

 警視庁の調べによると、出会い系サイト等を利用した福祉犯事件の検挙件数は、2009年には218件に上り、前年より60件増加した。また、出会い系サイト等を利用して被害に遭った少年は184人で、そのうちの95.7%にあたる176人が携帯電話からのアクセスだった。

 “非出会い系サイト”に起因する福祉犯事件についての統計も紹介している。2009年にインターネットを利用した福祉犯事件で保護された少年184人のうち、“非出会い系サイト”を利用した少年は148人で80.4%を占めた。なお、こちらも出会い系サイトと同様、95.6%にあたる176人が携帯電話を利用していたという。

 なお、“非出会い系サイト”とは、「出会い系サイト規制法」で規定している“出会い系サイト”の要件に該当しないサイト全般を指すが、実際に被害につながっているのは、SNSやゲームサイト、プロフサイト、家出サイトなどだという。女性になりすました17歳の男性がゲームサイトで14歳の女子中学生を援助交際に誘い、名前や写真をインターネットで公開するとして脅迫した事例などを紹介している。

 特別展では、携帯電話キャリア3社が協力し、各社の携帯フィルタリングサービスの概要をパネルで紹介。さらに今回は、フィルタリングソフト/サービス「i-フィルター」を開発・販売するデジタルアーツも協力し、同製品を紹介するブースを設置。PC向け製品のほか、携帯ゲーム機向けに提供している「i-フィルター」サービスのデモを行いながら、インターネット接続端末として子どもの間で急速に普及しつつある携帯ゲーム機におけるフィルタリングの必要性を訴えている。


NTTドコモのパネル展示auのパネル展示

ソフトバンクモバイルのパネル展示デジタルアーツのデモブース

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(永沢 茂)

2010/3/24 14:33