デジタル化推進の具体的施策を、EUが通信大臣会議に促す


 スペイン・グラナダで開催されている通信担当大臣の非公式会議では、欧州のデジタル化をいっそう促進させるための施策を検討すべき――。欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のNeelie Kroesデジタルアジェンダ担当副委員長が考えを明らかにした。

 EUでは、スマートで持続可能かつ公正な成長のための2020年戦略の一環として、欧州社会のデジタル化推進プログラムである「European Digital Agenda」を採用している。今回の非公式会合では、大臣らに欧州のデジタル化に向けた具体的施策についての宣言を促しているかたちだ。

 欧州のデジタル化は情報通信技術の発展とともにあり、これにより労働市場が拡大し、持続可能な成長や社会の発展が可能となるとの認識で各国は一致している。しかし現時点では、高速インターネットへの資金拠出は十分でなく、デジタル化が進んでいるといっても単一市場となっていない現状があり、そもそも情報通信技術の担い手がまだまだ不足している状況にある。また、問題が山積しているにもかかわらず、各部門ごとにバラバラの対応をしており、現時点では研究開発も不足している。

 このような問題を指摘しつつ、今後は高速インターネットへの投資が促進される施策およびインターネットのコストの低減化に向けた施策が必要であると指摘。また、ネットの単一市場の創設を現実化することが急務であるとともに、ネット犯罪を撲滅することにより市民の信用も得る必要があると指摘し、各方面への協力を呼びかけている。


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(Gana Hiyoshi)

2010/4/19 13:02