漫画の“スキャンレーション”サイトに法的措置も、日米出版社が連携


 出版社が参加するデジタルコミック協議会は25日、株式会社スクウェア・エニックスなど5社と連携し、漫画を違法配信するサイトの摘発に乗り出した。まずは米国において、警告に応じない違法サイトに法的措置を講じる。差し止め請求や損害賠償請求だけでなく、刑事告訴も視野に入れる。なお、法的措置を検討している違法サイトは少なくとも30以上存在し、同協議会では順次対応していく考え。

 デジタルコミック協議会によれば、欧米では海賊版の一形態として、著作権者や出版社の承諾を得ずにマンガをスキャンし、吹き出しなどのテキストを翻訳する侵害行為「Scanlation(スキャンレーション)」が広まっている。スキャンレーションを集積したサイトでは何千点もの海賊版コンテンツが掲載されているだけでなく、専用のアプリケーションをダウンロードすれば、iPhoneなどのスマートフォンでも閲覧できる状態だという。

 デジタルコミック協議会に参加する出版社は、秋田書店やアスキー・メディアワークス、エンターブレイン、学習研究社、角川書店、講談社、集英社、小学館、徳間書店、扶桑社、フランス書院、ぶんか社、マガジンハウスなど37社。同協議会と連携するのはスクウェア・エニックスのほか、Viz Media、Tokyopop、Vertical Inc、Yen Press、タトル・モリエイジェンシーの5社。


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(増田 覚)

2010/6/25 18:09