「Google Chrome 12」正式安定版リリース、DLファイルの危険性を事前警告


 米Googleは7日、ウェブブラウザー「Google Chrome 12」の正式安定版を公開した。バージョン番号は「12.0.742.91」。Windows 7/Vista/XP(SP2以降)、Mac OS X 10.5.6以上、Ubuntu 10.04以上/Debian 6以上などに対応する。

 Google Chrome安定版の既存ユーザーに対しては、アップデートは自動的に行われ、再起動で利用できるようになる。ダウンロードサイトからの直接ダウンロードも可能だ。

 このバージョンでは、安全にブラウジングを行うための技術が改良された。これまでもフィッシングサイトからユーザー守るため「Safe Browsing API」を利用していたが、今回はこれに加えて、ある種の危険なファイルに関してダウンロードする前に警告を発するようになった。この機能の実現のために、URLやダウンロードしようとしているファイルに関する情報をGoogleおよびGoogle Chromeが得ることなく警告を発することができるよう設計したという。

 さらに、Flash CookieをGoogle Chrome上で削除できるようになった。従来はFlash Playerが保存する「Local Shared Objects(LSOs)」を削除するには、Adobe Systemsのウェブサイトを訪問しなければならなかった。そのためGoogleはAdobe Systemsと協力し、Google Chromeの設定画面から直接削除できるようにした。これにより、ユーザーが閲覧したFlashの内容などプライバシーが向上することになる。

 また、グラフィックスに3D CSSのハードウェアアクセラレーション機能が実装された。ウェブページやウェブアプリにおいて、GPUを利用したハードウエアアクセラレーションが利用できるようになる。Googleでは、Windows Vista以降とMac OS X 10.6以上でこの効果を体験できる実験的ビデオを公開している。

 そのほかの改良点として、Chromeウェブアプリをオムニボックスから検索起動、同期機能の設定画面改良、アクセシビリティとして重要なスクリーンリーダーのサポート改良、HTML5の普及により不要になったGoogle Gearsの削除などが挙げられる。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/6/8 11:37