電子書籍コンテンツ市場予測、2015年には1890億円規模に


 株式会社ICT総研は14日、電子書籍コンテンツの需要予測に関する調査結果を公表した。

 調査は、電子書籍閲覧端末や電子書籍コンテンツ関連企業への取材結果に加え、インターネットユーザー1000人へのウェブアンケート調査の結果をまとめて分析したもの。

 調査によると、2010年度の電子書籍コンテンツ市場は650億円で、2011年度には14%増の740億円まで拡大すると予測。内訳は、従来型携帯電話向けが2010年度は631億円、2011年度は626億円と全体のほとんどを占めているが、従来型携帯電話向けの市場は今後減少していくことが予測されている。

 一方、スマートフォン/タブレット/電子書籍専用端末向けの市場は、2010年度は19億円、2011年度は74億円で、今後右肩上がりに拡大を続けると予測。2013年度には700億円に達して従来型携帯電話向けの市場と逆転し、2015年度には電子書籍コンテンツ市場全体で1890億円で、2010年度比で2.9倍の市場に成長すると見込んでいる。

 電子書籍閲覧端末の出荷台数規模は、2010年度の90万台から、2011年度は195万台に倍増。2015年度には745万台まで拡大し、そのうちタブレット型コンピューターが550万台を占めると予測している。

 ユーザーアンケートでは、従来型携帯電話では電子書籍コンテンツの購入者は2%、閲覧者は3%だったのに対し、スマートフォンでは購入者が8%、閲覧者が13%と割合が高い。また、PCやタブレット型コンピューターの利用者も、10%前後のユーザーが電子書籍コンテンツ閲覧者だったという。

 今後、電子書籍閲覧端末を購入する場合に、価格以外で何を重視するかという質問に対しては、タブレット型コンピューターでは「文字入力のしやすさ」「端末スペックの高さ」などが求められたのに対し、電子書籍専用端末では「視認に適した画面サイズ」を80%以上の回答者が挙げている。


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(三柳 英樹)

2011/7/14 15:48