ニコニコ動画でハリウッド映画の配信サービス開始、生放送による「上映会」も


ドワンゴの夏野剛氏

 株式会社ニワンゴは14日、動画コミュニティサイト「ニコニコ動画(原宿)」で映画配信サービスを開始した。ワーナー・ホーム・ビデオと提携し、「ハリー・ポッター」などハリウッド映画を中心とした映画を有料配信する。

 公式動画配信サイト「ニコニコチャンネル」に“映画”カテゴリーが追加され、「マトリックス」「ロード・オブ・ザ・リング」など約100タイトルの作品を、他のニコニコ動画のコンテンツと同様にコメント付きで楽しめる。料金は、2日間視聴可能のVOD型サービスが新作400円、旧作300円。一度購入すると無期限で視聴できるEST(Electric Sell Through)型サービスが1000円。いずれもダウンロードでは提供せず、ストリーミング配信でのサービスとなる。

100タイトル以上を配信料金は新作400円/旧作300円(2日間)、1000円で無期限視聴可能

 また、11月16日午前0時から、「ニコニコ生放送」のシステムを使用して視聴者が同一タイトルを観ながらリアルタイムにコメントできる「ニコニコ映画上映会」を開始する。第1回のタイトルは「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」で、Blu-ray/DVD発売日およびレンタル開始日と同じタイミングで上映する。料金は、一般会員が新作400円、旧作300円。ニコニコ動画プレミアム会員が新作100円、旧作50円。

ニコニコ生放送による「映画上映会」も開始プレミアム会員は新作100円/旧作50円
第1回は「ハリ・ポッターと死の秘宝 PART2」今後の上映予定

 14日には、東京・原宿の「ニコニコ本社」で発表会が行われ、株式会社ドワンゴ取締役の夏野剛氏がサービスを紹介。「コンテンツの上にコメントが乗ることで、2倍にも3倍にもコンテンツが面白くなる。これがハリウッド映画ならさらに面白いじゃないか」という考えから開始するサービスだとして、「映画は誰と一緒に観たか、誰と話しながら観たかといったことも重要。そこに目を付けて、この際、映画そのものをコメントを付けながら観てしまおうという、人類史上例の無い映画鑑賞法」とアピールした。

 ニコニコ動画では、これまでも映画のプロモーションなどで「上映会」形式の生放送を行なってきたが、今回、ワーナー・ホーム・ビデオをパートナーとして常設の映画配信サービスを開始。既に他の映画会社とも交渉を進めているとして、「映画の市場をいっしょに切り開いていきたい」と語った。

 ワーナー・ホーム・ビデオ&デジタル・ディストリビューション ジェネラルマネージャーの福田太一氏は、「米国の本社でもニコニコ動画には注目してきた」と語り、米国の幹部が来日した際も夏野氏と会談し、ニコニコ動画のコメントシステムがとても好評だったことを紹介。「ニコニコ動画が映画を配信するということで、真っ先に手を挙げさせていただいた」として、「今回のサービスは映画鑑賞の歴史の新たなターニングポイント、起爆剤になるのではないかと期待している」とコメント。サービス開始時点では100本以上の映画をラインナップしているが、今後もさらに映画やテレビシリーズなどを提供していきたいと語った。

今後はさらに他の映画会社とも提携夏野氏とワーナー・ホーム・ビデオの福田太一氏

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(三柳 英樹)

2011/11/14 15:26