「Firefox 10」公開、アドオン互換性を改善する最新バージョン


 Mozillaは1月31日、ウェブブラウザー「Firefox」の最新バージョンとなる「Firefox 10」の正式版を公開した。Windows/Mac/Linux版が無料でダウンロードできる。また、既存ユーザーは自動更新される。

 なお、現時点ではMac/Linux版の自動更新が無効化されている。これは、「少数のユーザーに影響する問題の可能性を調査しているため」と説明している。Mac/Linux版ともに新規ダウンロードユーザーには影響しない。

Firefox 10

 今回のバージョンの最大の特徴は、このバージョン以降のアドオン互換性が改善することにある。今後のバージョンでは、バージョンごとにアドオンの互換性確認を行う必要はなく、Firefox 4以降で動作するすべてのアドオンは、今後のFirefoxの全バージョンで動作するものとされる。そのために多くのバグの修正が行われている。

 これにより、実際には動作するアドオンも互換性確認のために動作しないと判定されて無効化されてしまうなどの従来の不便さが改善されることになる。なお、一部のアドオンでバイナリコンポーネントを含むものなどに関してはこの対象ではないため、引き続き互換性確認が行われることになる。

 その他の改良点として、複数端末間でブックマークなどを同期する「Firefox Sync」のセットアップ手順が簡素化された。また、ツールバーの「進む」ボタンが、無効時には表示されず、有効時にスライドして表示されるようになった。

 開発者向け新機能で注目されるのは、MozillaフルスクリーンAPIの対応が挙げられる。このAPIを使用すると、ゲームや動画コンテンツ、プレゼンテーション共用アプリなどのウェブアプリケーションをフルスクリーンで表示できる。

 また、ハードウェアアクセラレーションを使用した3Dグラフィックス表示の標準規格「WebGL」にて、新たにアンチエイリアスをサポートした。コンテンツの縁をスムーズにすることが可能になり、ゲームやアニメーションを美しく表示できるようになったとしている。

 CSS3 3Dトランスフォームもサポートした。これにより、サードパーティプラグインを使用することなく、アニメーションを3Dに変換できるようになった。

 開発者向けツールとしては、ページインスペクター、スタイルインスペクターが搭載された。これによって、ページ内のHTMLやCSS要素を確認しやすくなり、ウェブページ開発を支援してくれる。

 さらに、これまで単なるテキストエディターだったスクラッチパッドにOrionコードエディターが統合された。構文強調機能などにより、JavaScriptの作成が簡単になったとしている。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2012/2/1 11:37