日本にホストされたフィッシングサイトが増加、審査甘いプロバイダー悪用か


 EMCジャパン株式会社のRSA事業本部は28日、フィッシング詐欺やオンライン犯罪の最新動向をまとめた月次レポート「Monthly AFCC NEWS Vol.56」を発表した。日本でホスティングされたフィッシングサイトの数が2月に再び増加し、国別集計でもワースト国の上位にランクインした。

 世界規模でオンライン犯罪対策業務を展開しているRSA Anti-Fraud Command Center(AFCC)の調査によると、2012年2月におけるフィッシングサイトのホスト国分布は、米国が46%で半数近くを占めた。以下は、ドイツが8%、英国、ロシア、フランスがそれぞれ5%、日本が3%、カナダ、イタリア、トルコ、オランダがそれぞれ2%と続く。なお、この分類は、フィッシングサイトをホスティングしていたプロバイダーやフィッシングサイトのドメインを管理していた登録事業者の所在地によるものだ。

 日本にホスティングされたフィッシングサイトの数は2011年12月、466件へと急増し、世界のワースト5位にランクイン。2012年1月には141件へと減少、ワーストランキングからも抜けたが、2月になって263件へと再び増加し、ワースト6位になったかたちだ。12月の規模には及ばないものの、ここ1年あまりは毎月100件未満で推移してきたことを考えると、直近3カ月は明らかに増加したことがわかる。

日本にホスティングされたフィッシングサイトの数の月次推移(「Monthly AFCC NEWS Vol.56」より)

 今のところ、はっきりとした増加の理由が判明しているわけではないが、AFCCでは、これらフィッシングサイトがホスティングされていたプロバイダーは割り出しており、その傾向として、比較的安価なホスティングサービスを提供しており、契約にあたって審査が甘い事業者であることが挙げられるという。犯罪者が他人になりすますなどしてホスティングサービスを契約し、フィッシングサイトを設置している可能性が高いとみている。


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(永沢 茂)

2012/3/29 11:00