“まとめサイト”利用率は36.5%、「新しい情報流通構造を創出」電通PR調査
株式会社電通パブリックリレーションズ(電通PR)は18日、事件・話題などの情報を収集・編集する“まとめサイト”の利用実態調査の結果を発表した。
調査は6月、15歳以上の男女1万人にインターネットで実施。その結果、まとめサイトを利用・閲覧した経験があるとした人は全体の36.5%だった。特に男性10代・20代では7割以上に上るという。
●まとめサイト利用者の7割以上が「1週間に1回以上」
さらに利用・閲覧経験者の中から1200人(性・年代別に100人ずつ)を抽出して詳しい利用状況を聞いたところ、利用・閲覧経験者の76.2%が「1週間に1回以上」と回答。うち18.5%が、1日に何度も利用・閲覧する“ヘビーユーザー層”だった。
まとめサイトで見た情報を後からテレビで見たことがあるかという質問に対しては、「何度も見たことがある」(14.6%)、「見たことがある」(30.8%)を合わせると半数近くが見たことがあると回答した。
まとめサイトを利用・閲覧する理由は、「暇つぶし」が48.2%で最も多く、2位は「情報がまとまっていて見やすいから」で38.5%、3位は「マスメディアより幅広い、様々な情報を入手できるから」で38.2%。
年代別に見ると、10代・20代は、1位「暇つぶし」に続き、2位に「楽しいから」が入っている。電通PRは「まとめサイトが“娯楽の1つ”として定着していることを伺わせる」とコメントしている。
その一方で50代・60代以上は、1位が「情報がまとまっていて見やすいから」、2位が「マスメディアより幅広い、様々な情報を入手できるから」。シニア層は“マスメディアを補完する情報源”として利用していたとみている。
利用・閲覧シーンは「寝る前」が51.4%で最も多く、続いて「休憩中」が38.6%、「テレビを見ながら」が24.5%。
●“2ちゃんまとめ”に対する心情は?
利用・閲覧経験のあるまとめサイト(複数回答)は、1位「ウィキ」が49.7%、2位「NAVER まとめ」が38.4%、3位「痛いニュース(ノ∀`) 」が32.8%、4位「ニュース2ちゃんねる」が30.8%、5位「ハムスター速報」が29.7%という結果。
このほか、2ちゃんねるの話題をまとめた“2ちゃんまとめ”に対するとらえ方は、「書かれている情報に対して、いい悪いの判断はできない」が28.7%、「世の中の声として受け止めている」が21.8%など。一部では「悪意を感じる」(5.8%)や「マスメディアより信頼している」(4.3%)という声もあったが、電通PRでは「総じて2ちゃんねるに書かれている話題も、1つの情報として冷静にとらえている」と分析している。
●まとめサイトが新たな情報源に
まとめサイトについて電通PRは、「新しい情報流通構造として現代人の生活に入り込み、1つの情報源として定着しつつある」と分析。マスコミがニュースを提供し、生活者が影響を受けるという従来の情報流通構造はソーシャルメディアの出現により変化しており、まとめサイトはその変化をさらに加速させる触媒の役割を果たしていると指摘する。
「まとめサイトは、ニュースや事象等に対する生活者の声の集合体。まとめサイトの出現・浸透は、一人ひとりの生活者の声が“まとまる・整理される”ことで、新たにコンテンツとしての力を持ち、生活者はもちろんのこと、これまで情報源であったマスメディアにも影響を与える、新しい情報流通構造を創出したと考えられる。」
関連情報
(増田 覚)
2012/7/18 19:14
-ページの先頭へ-